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2019年10月からのDPC機能評価係数II、各群トップは現在と変わらず長崎大病院・済生会熊本病院・公立豊岡病院―厚労省

2019.8.20.(火)

今年(2019年)10月の消費税率が引き上げ(8%→10%)に伴い、臨時・特別の診療報酬改定が行われ、あわせてDPCの機能評価係数IIについても診療実績を踏まえて再計算される(関連記事はこちら)。今年(2019年)10月からの機能評価係数IIトップは、大学病院本院群(旧I群)では長崎大学病院(長崎県)の0.1143、DPC特定病院群(旧II群、大学病院本院並みの高度医療を提供する病院群)では済生会熊本病院(熊本県)の0.1444、DPC標準病院群(旧III群、その他病院群)では公立豊岡病院組合立豊岡病院(兵庫県)の0.1465となる―。

厚生労働省が8月19日に告示した「厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数、暫定調整係数、機能評価係数I及び機能評価係数IIの一部を改正する件」から、こうした状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら(PDF版))(2019年4月から9月までの状況はこちら)。

 なお、上位陣の機能評価係数IIは軒並み引き下げとなっていますが、厚労省は「診療実績に基づいて再計算したに過ぎない。恣意的なものではない」と説明しています。

大学病院本院群、トップ3は長崎大病院・和歌山医大病院・自治医大病院で変わらず

 DPC制度では、入院患者の診療報酬を「包括部分」(入院基本料や検査、投薬などを包括)と「出来高部分」(手術や1000点以上の処置など)との合計で計算します。

包括部分は、▼全病院に共通する「DPC点数表に基づく点数」(日当点)▼医療機関ごとに定められた係数(医療機関別係数)▼入院日数―の積として計算します(DPC点数×医療機関別係数×在院日数)。

このうち医療機関別係数は、(1)基礎係数(2)機能評価係数I(3)機能評価係数II(4)激変緩和係数(診療報酬改定年度のみ、2019年度は全病院で0.0)—の和で計算されます。(3)の機能評価係数IIは、いわば「各DPC病院の努力をさまざまな角度から評価する」もので、診療実績をもとに毎年度見直されます。

2019年10月には消費税率の引き上げ(8%→10%)が行われ、臨時・特別の診療報酬プラス改定が行われることから、DPC点数も見直され、基礎係数や機能評価係数I・IIも診療実績等を踏まえて見直されます(点数等の状況が変化するため)。

2019年10月からの機能評価係数IIを少し詳しく見てみると、まず大学病院本院群(旧I群)のトップ5は次のようになりました。現在(2019年4-9月)と顔触れに変更はありません。

第1位:長崎大学病院(長崎県) 0.1143(現在から0.0045引き下げ)
第2位:和歌山県立医科大学附属病院(和歌山県) 0.1100(同0.0044引き下げ)
第3位:自治医科大学附属病院(栃木県) 0.1056(同0.0041引き下げ)
第4位:旭川医科大学病院(北海道) 0.1040(同0.0041引き下げ)
第5位:岩手医科大学附属病院(岩手県) 0.1021(同0.0040引き下げ)

 
逆に最も低いのは、国際医療福祉大学病院(栃木県)の0.0562(現在から0.0023引き下げ)で、トップの長崎大病院との差は0.0581(現在から0.0022差が縮小)となりました。

 DPCの包括部分収益は、前述のように「DPC点数×医療機関別係数(機能評価係数IIもここに含まれる)×在院日数」で計算されるため、機能評価係数IIの増減は、ダイレクトに収益の増減に結びつきます。

 機能評価係数IIは、過去の診療実績に基づいて相対的に決定されます。このため、他院とのベンチマークが欠かせません(自院が10の努力をしたとしても、他院が11の努力をすれば、自院は「努力不足」と判断されてしまうことから、他院の状況をみて自院の行動を決する必要がある)。メディ・ウォッチを運営するグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンでは、多機能型経営分析ツール「病院ダッシュボードχ(カイ)」を開発。自院や他院の状況を細かく分析し、機能評価委係数IIの向上を含めた「改善」事項がどこにあるのかを可視化できます。

特定群トップ3は済生会熊本病院・帯広厚生病院・神戸市立医療センター中央病院のまま

次に、大学病院本院並みの高度な医療を提供していると評価されるDPC特定病院群(旧II群)を見てみると、トップ10は次のようになりました。第10位が入れ替わっていますが(徳島赤十字病院→熊本赤十字病院)、上位陣の顔ぶれに変化はありません。

第1位:済生会熊本病院(熊本県) 0.1444(現在から0.0057引き下げ)
第2位:JA北海道厚生連帯広厚生病院(北海道) 0.1353(同0.0053引き下げ)
第3位:神戸市立医療センター中央市民病院(兵庫県) 0.1346(同0.0053引き下げ)
第4位:旭川赤十字病院(北海道) 0.1336(同0.0051引き下げ)
第5位:高知県・高知市病院企業団立高知医療センター(高知県) 0.1322(同0.0050引き下げ)

第6位:大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院(岡山県) 0.1321(同0.0051引き下げ)
第7位:武蔵野赤十字病院(東京都) 0.1290(同0.0050引き下げ)
第8位:徳島県立中央病院(徳島県) 0.1270(同0.0048引き下げ)
第9位:福井県立病院(福井県) 0.1266(同0.0049引き下げ)
第10位:熊本赤十字病院(熊本県) 0.1226(同0.0047引き下げ)

標準群のトップ3は公立豊岡病院・岩手県立中部病院・大曲厚生医療センターで変化なし

さらにDPC標準病院群(旧III群)について、トップ20を見てみると次のようになりました。順位に若干の変動こそあるものの、トップ20の顔ぶれは変わっていません。

第1位:公立豊岡病院組合立豊岡病院(兵庫県) 0.1465(現在より0.0057引き下げ)
第2位:岩手県立中部病院(岩手県) 0.1440(同0.0056引き下げ)
第3位:大曲厚生医療センター(秋田県) 0.1433(同0.0055引き下げ)
第4位:みやぎ県南中核病院(宮城県) 0.1386(同0.0056引き下げ)
第5位:長岡赤十字病院(新潟県) 0.1380(同0.0053引き下げ)

第6位:岩手県立磐井病院(岩手県) 0.1379(同0.0056引き下げ)
第7位:地域医療機能推進機構徳山中央病院(山口県) 0.1377(同0.0053引き下げ)
第8位:公立藤岡総合病院(群馬県) 0.1369(同0.0053引き下げ)
第9位:兵庫県立淡路医療センター(兵庫県) 0.1357(同0.0053引き下げ)
第10位:いわき市医療センター(福島県) 0.1349(同0.0052引き下げ)

第11位:島根県立中央病院(島根県) 0.1344(同0.0052引き下げ)
第12位:八戸市立市民病院(青森県) 0.1342(同0.0053引き下げ)
第13位:日本赤十字社栃木県支部足利赤十字病院(栃木県) 0.1330(同0.0052引き下げ)
第13位:京都中部総合医療センター(京都府) 0.1330(同0.0053引き下げ)
第13位:広島県厚生農業協同組合連合会廣島総合病院(広島県) 0.1330(同0.0053引き下げ)

第16位:名寄市立総合病院(北海道) 0.1329(同0.0053引き下げ)
第17位:松山赤十字病院(愛媛県) 0.1328(同0.0051引き下げ)
第18位:近江八幡市立総合医療センター(滋賀県) 0.1321(同0.0052引き下げ)
第19位:高山赤十字病院(岐阜県) 0.1320(同0.0051引き下げ)
第20位:北見赤十字病院(北海道) 0.1318(同0.0051引き下げ)

 
 
 このように機能評価係数IIは、上位陣では「引き下げ」となっています。この点について当該病院からは「大学病院や特定病院群、上位陣を狙い撃ちした引き下げではないか」との不満が出ています。しかし、厚労省は「通常の診療報酬改定と同様に、診療実績に基づいて係数を計算しなおしたにすぎない。大学病院本院群や特定病院群を狙った恣意的な係数引き下げなどでは決してない」旨を説明しています。

 
 
なお大学病院本院群(旧I群)・DPC特定病院群(旧II群)とDPC標準病院群(旧III群)では機能評価係数IIの計算方法が異なります。また、医療機関別係数のベースとなる基礎係数も各群で異なる(▼大学病院本院群(旧I群):1.1302(現在から0.0009引き上げ)▼DPC特定病院群(旧II群):1.0681(同0.0033引き上げ)▼DPC標準病院群(旧III群):1.0374(同0.0060引き上げ))ことから、群分けせずに機能評価係数IIのみを並べて比較することに全く意味はない点に留意が必要です。

 
 
 
 

 

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