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新型コロナ感染疑い患者、院内で移動型エックス線装置を用いたエックス線撮影を認める―厚労省

2020.3.6.(金)

中華人民共和国武漢市で発生したとみられる新型コロナウイルスが本邦でも猛威を振るい、各地で患者クラスター(集団感染)が生じ、残念なことに死亡例も発生しています。安倍晋三内閣総理大臣が全国の小学校・中学校・高等学校に休校を要請したり、イベント等の開催自粛要請を行うなど、国民生活にも大きな影響が出ており、政府は2月25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を決定。そこでは医療体制に関し、▼患者数増等を見据え、医療機関における病床や人工呼吸器等の確保を進める▼患者数が大幅に増えた状況では、一般医療機関の外来で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じた上で、新型コロナウイルス感染疑い患者を受け入れる▼高齢者や 基礎疾患を有する者では、重症化しやすいことを念頭におき、より早期・適切な受診につなげる▼風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、「電話による診療等により処方箋を発行する」など、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築する―などの考えを明確化しています。

そうした中で、医療法や診療報酬の施設基準等に関する「臨時的な弾力化」が順次行われてきています。



さらに今般、厚生労働省は3月4日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療用放射線の取扱いに関する医療法上の臨時的な取扱いについて」を発出。

具体的には、「新型コロナウイルス感染症疑い患者で、医師の判断でエックス線撮影が必要と判断されたが、エックス線診療室への移動が必ずしも適切ではない患者」に対し、▼移動型透視用エックス線装置▼携帯型透視用エックス線装置▼移動型CTエックス線を除く移動型エックス線装置または携帯型エックス線装置―を移動して使用する場合について、「医療法施行規則第30条の14に規定する『特別の理由により移動して使用する場合』に該当する」と取扱います。

なお、この場合、放射線の線量が高まる区域が生じることから、必要に応じて一時的に「管理区域」(外部放射線の線量等が一定の基準を超える恐れのある場所)を設け、医療法規則第30条の16に定める「管理区域の基準を満たし、管理区域の設定に係る記録を行う」ことが求められます。



【医療法施行規則】
第30条の14(抜粋)
「病院又は診療所の管理者は、次の表の上欄に掲げる業務を、それぞれ同表の中欄に掲げる室若しくは施設において行い、又は同欄に掲げる器具を用いて行わなければならない。ただし、次の表の下欄に掲げる場合に該当する場合は、この限りでない。」
エックス線装置の使用:特別の理由により移動して使用する場合又は特別の理由により診療用高エネルギー放射線発生装置使用室、診療用粒子線照射装置使用室、診療用放射線照射装置使用室、診療用放射線照射器具使用室、診療用放射性同位元素使用室若しくは陽電子断層撮影診療用放射性同位元素使用室において使用する場合(適切な防護措置を講じた場合に限る。)

第30条の16
第1項「病院又は診療所の管理者は、病院又は診療所内における管理区域に、管理区域である旨を示す標識を付さなければならない。」
第2項「病院又は診療所の管理者は、前項の管理区域内に人がみだりに立ち入らないような措置を講じなければならない。」



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