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日本集中治療医学会と日本麻酔科学会が共同し、新型コロナ患者管理の情報共有や呼吸不全患者管理トレーニング、ICU飽和状態対策など推進

2020.4.7.(火)

日本麻酔科学会の小板橋俊哉理事長(東京歯科大学麻酔科教授、同大市川総合病院副院長)と日本集中治療医学会の西田修理事長(藤田医科大学麻酔・侵襲制御医学講座主任教授、同大集中治療部部長)は4月3日に共同声明を発し、共同しての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、患者管理情報の共有や呼吸不全患者管理のトレーニング実施、ICU飽和状態への対策検討などを進めていく考えを強調しました(日本集中治療医学会のサイトはこちら)。

人工呼吸器確保にとどまらず、ICUマンパワーの確保が必要

新型コロナウイルスが我が国でも猛威を振るっています。感染経路が不明な市中感染も各地で判明し、患者数が急増しています。

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、これまでのデータから「感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっている。ただし重症化した人の約半数は回復している」と分析(厚労省のサイトはこちら)。患者数の増加に伴い、重症で集中治療室での管理が必要な重症患者も増加していきます。

そうした中で日本麻酔科学会と日本集中治療医学会は今般、共同して次のような取り組みを行う考えを示しました。

▼日本麻酔科学会の「関連領域検討委員会・集中治療領域検討部会」と、日本集中治療医学会の「麻酔科領域におけるICUあり方検討委員会」が協力してCOVID-19(新型コロナウイルス)患者管理に関する情報共有を行う

▼両学会員に対する呼吸不全患者管理のトレーニングを共同で行う

▼今後の集中治療室飽和状態への対策を共同で検討する

▼医療従事者への教育を共同して行う

▼今後の感染予防具の不足についての懸念があることから、両学会で共同して教育・提言を行う



とりわけ「集中治療室飽和状態」については、患者数の急増にICUベッドが追い付かない状況が危惧されており、厚労省も3月19日付の事務連絡「新型コロナウイルス感染症の患者数が大幅に増えたときに備えた入院医療提供体制等の整備について」で、「集中治療が必要な患者数を推計し、その対応方法(場合によっては隣県搬送などの広域調整も必要となる)を整備しておく」ことを各都道府県や医療機関等に依頼しています。

政府、学会、医療機関等のさらなる連携に期待が集まります。



また、これに先立つ4月1日、日本集中治療医学会の西田理事長は、▼3月31日時点での死亡率(死者数/感染者数)はイタリア:11.7%、ドイツは1.1%であり、この差の主要因は「集中治療の体制の違い」にあると考えられる(人口10万人当たりICUベッド数は、ドイツ:29-30床、イタリア:12床程度であり、ドイツでは新型コロナウイルス感染症による死亡者のほとんどはICUで亡くなるが、イタリアでは集中治療を受けることなく多くの人々が亡くなっている)▼重症化した新型コロナウイルス感染症患者の治療をICUで行うには、感染防御の観点からも1名の患者に対して2名の看護師が必要である―と指摘。

翻って、我が国の状況を見ると、▼人口10万人当たりICUは5床程度▼ICUの看護配置は2対1―となっており、西田理事長は「ICUは6500床程度あると推計されるが、実際に新型コロナウイルス感染症の重症患者を収容できるベッド数は1000床にも満たない可能性がある」と指摘し、人工呼吸器の台数問題にとどまらず、「マンパワーのリソース確保」が必要と強調。「重症患者管理経験のある医療職のリストアップ」や「マンパワーから見た、集中治療体制の維持のためのあらゆる方策と選択肢についてのシミュレーションを開始」を進めることを関係者にも要請しています(日本集中治療医学会のサイトはこちら)。


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