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2018年2月の後発品割合74.6%、都道府県別では沖縄の84.3%が最高―協会けんぽ

2018.7.3.(火)

 主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する協会けんぽにおいて、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合は今年(2018年)2月時点で74.6%。前月から0.3ポイント上昇しており、都道府県別に見ると最高は沖縄県の84.3%である―。

 こうした状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会が6月20日に公表した医薬品使用状況から明らかになりました(協会のサイトはこちら)。

直近1年間の上昇ペースが続けば、2019年6月に後発品割合80%をクリア

 高齢化や医療技術の高度化などを背景に医療費が膨張し、我が国の財政を圧迫していると指摘されます。医療費が、我々の負担能力を超えて膨張すれば、医療保険制度、国民皆保険制度が崩壊し、我が国の健康水準を大きく低下させてしまいます。2025年にはいわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者となり、医療・介護ニーズが今後、飛躍的に増加すると見られているため、「医療費の適正化」がこれまで以上に重要なテーマとなっています。

医療費適正化の一環として、「効果が同じで価格が安いジェネリック医薬品(後発品)」の使用促進が重視されています。政府は、▼2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とする(第1目標)▼2020年9月に80%以上とする(第2目標)―という2段階の目標値を設定するとともに、診療報酬における加算の設定や充実、地域での保険者協議会の活用依頼など、さまざまな取り組みを行っています(関連記事はこちら)。

 協会けんぽの運営主体である全国健康保険協会でも、従前より後発品の使用促進に取り組んでいます。例えば、医療機関を受診し、医薬品を処方された加入者個々人に宛てて「貴兄に処方される医薬品を先発品から後発品に切り替えれば、自己負担額が○○円軽減されます」といった通知を発出しているほか、毎月の後発品使用割合を公表などしています(前月の状況はこちら、前々月の状況はこちら)。今年(2018年)2月の状況を見ると、前月から0.3ポイント上昇し、数量ベースで74.6%(新指標、調剤分)となりました。

後発品使用割合は昨年(2017年)1月に70.6%と、第1目標をクリアしましたが、その後、伸び悩んでいました。しかし、2017年10月から11月にかけて0.9ポイント、11月から12月にかけて0.7ポイント、12月から今年(2018年)1月にかけて1.6ポイント、さらに1月から2月にかけて0.3ポイントと着実に上昇しています。

第2目標「80%以上」との間には、今年(2018年)2月時点で、5.4ポイントの開きがあります。直近1年間(2017年3月から2018年2月)の状況を見ると、単純計算で「1か月当たり0.342ポイント」の上昇ペースとなります。仮にこれが継続すれば、計算上は来年(2019年)6月に「80%」を達成できることになります。もっとも、昨年(2017年)1年間のように「後発品の使用促進が進まない」状況が発生する可能性もあり、今後の動向を注視していく必要があります。

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、着実に上昇しているように思われる

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、着実に上昇しているように思われる

 

徳島、山梨、高知の3県で依然、70%未達、沖縄と徳島の格差は18.5ポイント

 後発品割合は協会けんぽ全体では着実に上昇していますが、都道府県別に見ると、依然として大きなバラツキがあります。

 もっとも高いのは沖縄県で84.3%(前月から0.3ポイント上昇)、次いで鹿児島県の81.2%(同0.6ポイント上昇)で高く、この2県では80%以上をすでにクリアしている格好です。

 逆にもっとも低いのは徳島県で65.8%(同0.2ポイント上昇)。また今年(2018年)2月時点で、第1目標の「70%以上」をクリアできていないのは、このほか▼山梨県:67.1%(前月から0.4ポイント低下)▼高知県:69.2%(同0.8ポイント上昇)—となっています。

最高の沖縄県と最低の徳島県との間には、18.5ポイントの格差があります。2018年度からは、国民健康保険の財政責任主体が都道府県に移管されており、「医療費適正化」を、まさに「我が事」と捉え、先進県(沖縄県や鹿児島県)の取り組みを参考に、後発品の使用促進に取り組む必要があります。

都道府県別に協会けんぽの後発品割合を見ると、政府の第1目標値である70%を下回っているのは徳島、山梨、高知の3県

都道府県別に協会けんぽの後発品割合を見ると、政府の第1目標値である70%を下回っているのは徳島、山梨、高知の3県

 
  
 なお、主な薬効分類別に後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の80.5%(同0.3ポイント上昇)、去たん剤の77.4%(同0.1ポイント上昇)、高脂血症用剤69.0%(同3.5ポイント上昇)など、逆に後発品使用割合が低いのは抗ウイルス剤の9.5%(同1.5ポイント上昇)、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の15.0%(同1.1ポイント上昇)、化学療法剤の23.0%(同2.5ポイント上昇)などとなっています。
主な薬効別に見た、数量ベースの後発品使用割合

主な薬効別に見た、数量ベースの後発品使用割合

 
 また金額ベースでは、血管拡張剤の68.7%(同0.3ポイント上昇)、去たん剤の62.5%(同0.3ポイント上昇)、抗生物質製剤のうち「主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの」の46.2%(同0.4ポイント上昇)など、逆に後発品使用割合が低いのは、抗ウイルス剤の2.7%(同0.2ポイント上昇)、化学療法剤の5.5%(同0.2ポイント上昇)などとなっています。
主な薬効別に見た、金額ベースの後発品使用割合

主な薬効別に見た、金額ベースの後発品使用割合

 
 
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