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2017年9月の後発品割合71.2%、上昇傾向だが「80%以上」に向けて強力な対策必要―協会けんぽ

2018.1.22.(月)

 主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する協会けんぽにおいて、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合は昨年(2017年)9月時点で71.2%となり、8月から上昇が続いている―。

 こうした状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会が1月19日までに公表した医薬品使用状況から明らかになりました(協会のサイトはこちら)。

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、2017年9月に71.2%になった。前月を0.6ポイント上回っている

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、2017年9月に71.2%になった。前月を0.6ポイント上回っている

2017年7月に低下したが、8月から連続上昇

 我々国民の負担能力を超えて医療費が増加すれば医療保険制度が破たんし、世界に冠たる国民皆保険制度が崩壊してしまいます。このため医療費の伸びそのものを抑える医療費適正化対策が進められています。その一環として「効果が同じで価格が安いジェネリック医薬品(後発品)」の使用促進が重視されており、政府は、▼2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とする(第1目標)▼2020年9月に80%以上とする(第2目標)―という2段階の目標値を設定しています。

 協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも、以前から「後発品に切り替えた場合には、自己負担額が○○円軽減されます」といった通知を個別加入者に宛てて発出しているほか、毎月の後発品使用割合を公表などしています(関連記事はこちら)。昨年(2017年)9月の状況を見ると、数量ベースで71.2%(新指標、調剤分)となりました。

 グラフから明らかなように、後発品使用割合は昨年(2017年)1月に70.6%に達した後、伸び悩んでおり、7月には前月比0.8ポイントも低下してしまいました。8月は70.6%で前月と比べ0.5ポイント上昇し、9月も前月比0.6ポイント上昇して、過去最高の71.2%となりましたが、「70%台から80%台へと引き上げる難しさ」がうかがえます。第2目標の「80%以上」達成に向けて、これまで以上に強力な対策の立案・実行が必要でしょう。

全都道府県で上昇、70%以下は11都府県に

 また後発品使用割合は47都道府県すべてで前月を上回りましたが、都道府県別に大きくバラついています。

 昨年(2017年)9月に後発品割合が低い(70%をクリアできていない)のは、▼徳島県:61.9%(前月から1.5ポイント増)▼山梨県:64.2%(同0.8ポイント増)▼高知県:65.7%(同0.9ポイント増)▼和歌山県:68.0%(同1.2ポイント増)▼香川県:68.3%(同0.6ポイント増)▼大阪府:68.4%(同0.7ポイント増)▼広島県:68.7%(同0.7ポイント増)▼京都府:68.9%(同1.0ポイント増)▼東京都:69.2%(同0.5ポイント増)▼大分県:69.4%(同0.6ポイント増)▼神奈川県:69.7%(同0.7ポイント増)—の11都府県です。

全都道府県で後発品割合が前月からアップしたが、11都府県では70%を下回っている

全都道府県で後発品割合が前月からアップしたが、11都府県では70%を下回っている

 また、主な薬効分類別に後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の79.0%(同0.3ポイント増)、去たん剤の74.9%(同0.1ポイント増)、消化性潰瘍用剤の67.0%(同0.1ポイント増)など、逆に後発品使用割合が低いのは、数量ベースではホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の12.9%(同0.6ポイント増)、代謝拮抗剤の17.3%(同2.6ポイント増)、などとなっています。

主な薬効別に見た、数量ベースの後発品使用割合

主な薬効別に見た、数量ベースの後発品使用割合

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