新型コロナウイルスを迅速に検出する機器、国立国際医療研究センター病院など16施設に配置―経産省
2020.4.2.(木)
新型コロナウイルスの検出を1時間以内に行える検査機器「GeneSoC」(ジーンソック)を、▼愛知医科大学感染症科・感染制御部(愛知県)▼杏林大学医学部付属病院(東京都)▼近畿大学病院(大阪府)▼国立国際医療研究センター病院(東京都)▼埼玉医科大学(埼玉県)▼札幌医科大学附属病院(北海道)▼東海大学医学部(神奈川県)▼東邦大学医学部(東京都)▼東北大学病院(宮城県)▼国立機構仙台医療センター(宮城県)▼鳥取大学医学部附属病院(鳥取県)▼長崎大学病院(長崎県)▼奈良県立医科大学(奈良県)▼藤田医科大学病院(愛知県)▼山形大学医学部附属病院(山形県)▼山梨大学医学部附属病院(山梨県)―の16施設に設置した―。
経済産業省は3月31日に、こうした点を公表しました。経産省では「一度に大量の検体を検査することには向いていないが、少量の検体を迅速に診断することが求められるような場面で、GeneSoCの能力が大いに活かされる」と期待しています(経産省のサイトはこちらとこちら)。
患者1人当たり、検体採取から結果判定まで1時間以内に完了
中華人民共和国武漢市で発生したとみられる新型コロナウイルスが本邦でも猛威を振るい、各地で患者クラスター(集団感染)が生じ、残念なことに死亡例も発生しています。
3月6日には新型コロナウイルス感染の鑑別を補助するPCR検査「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出」が保険適用されました。ただし、院内感染防止・検査の精度管理の観点から、当面は▼帰国者・接触者外来▼帰国者・接触者外来と同様の機能を持つと都道府県が認めた医療機関―においてPCR検査を実施することが可能です(関連記事はこちら)。
この点、「産業技術総合研究所」と「杏林製薬」が共同開発した迅速ウイルス検出機器「GeneSoC」が3月18日に保険適用されました。この機器は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して「従来のPCR検査に近い検出感度を維持」しつつ、1患者当たりの検体採取から結果判定までの時間が「1時間以内」(前処理30分弱+検査時間15分弱)で完了するという利点を持っています。
ところで、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部(議長:安倍晋三内閣総理大臣)がとりまとめた「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策―第2弾―」(3月10日)では、「迅速ウイルス検出機器の検査精度等に関する実証を行い、本年(2020年)3月中の利用開始を目指す」とされています(関連記事はこちら)。経産省はこの方針に沿い、予備費を用いた日本医療研究開発機構(AMED)への補助を通じて、新型コロナウイルスの検査体制が整備されている全国16医療機関に「GeneSoC」を配備しています。
経産省では「一度に大量の検体を検査することには向いていないが、少量の検体を迅速に診断することが求められるような場面で、GeneSoCの能力が大いに活かされる」と期待を寄せています。例えば、医療従事者について感染の有無を迅速に判断する必要がある場合などに、大きな力を発揮しそうです(関連記事はこちら)。
【「GeneSoC」配備医療機関】
【北海道地方】
▽札幌医科大学附属病院(北海道札幌市)
【東北地方】
▽国立機構仙台医療センター(宮城県仙台市)
▽東北大学病院(宮城県仙台市)
▽山形大学医学部附属病院(山形県山形市)
【関東地方】
▽杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)
▽国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)
▽埼玉医科大学(埼玉県入間郡毛呂山町)
▽東海大学医学部(神奈川県伊勢原市)
▽東邦大学医学部(東京都大田区)
【中部地方】
▽愛知医科大学感染症科・感染制御部(愛知県長久手市)
▽藤田医科大学病院(愛知県豊明市)
▽山梨大学医学部附属病院(山梨県中央市)
【関西地方】
▽近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)
▽奈良県立医科大学(奈良県橿原市)
【中国地方】
▽鳥取大学医学部附属病院(鳥取県米子市)
【九州地方】
▽長崎大学病院(長崎県長崎市)
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