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医療機関等に外国語対応状況の報告義務付け、すべての地域医療支援病院院長に「医師少数区域等での勤務経験」義務―厚労省

2021.3.31.(水)

医療機関等には、2021年度から、自院の「外国語対応」状況を毎年度、都道府県に報告することを義務付ける―。

将来、すべての地域医療支援病院の院長では、「医師少数区域等での勤務経験」を持つことを要件化する―。

特定機能病院に、医療安全に関する事項を含めた「第三者評価」受審を義務付ける―。

厚生労働省は3月30日に通知「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行等について」を示し、こうした点を明確にしました。

医療機関等では、自院の「外国語対応」状況などを都道府県に報告

改正点は(1)医療機能情報提供制度にかかる報告事項の見直し(2)地域医療支援病院・特定機能病院の見直し―の大きく2点です。

まず(1)の「医療機能情報提供制度」は、国民が「どの医療機関を受診すればよいのか」を手助けするために、医療機関等(▼病院▼診療所▼歯科診療所▼助産所―)に対し、自院の持つ機能を毎年度、都道府県に報告することを義務付けるものです。都道府県は報告された情報を整理して、ホームページ上で公開しています(厚労省のサイトはこちら(各都道府県のホームページに飛ぶことができる)
医療情報提供内容検討会(2)の1 180912

将来的に「全国統一システムに移行する」ことになっています(2021年度からサイト構築)が、診療報酬改定や社会環境の変化を踏まえた「逐次の報告項目見直し」も実施されており、今般、次のような見直しが行われます(関連記事はこちらこちら)。
(a)院内サービス等に係る報告事項のうち「対応することができる外国語の種類」を「外国人の患者の受入れ体制として厚生労働省令で定めるもの」に改める
(b)費用負担等に係る報告事項のうち「クレジットカードによる料金の支払いの可否」を「電子決済による料金の支払いの可否」に改める
(c)診療内容、提供保健・医療・介護サービスに係る報告事項として、「産婦人科または産科以外の診療科での妊産婦に対する積極的な診療の実施の有無」を追加する

このうち(a)は、訪日外国人や在留外国人が医療機関を受診する際に「外国語に関してどういった対応を行っているか」を明確にすることを目指すものです。具体的には、▼医療通訳を導入しているのか、また対応できる言語は何か▼多言語音声翻訳システムを導入しているのか、また対応できる言語は何か▼外国人患者の受け入れに関する総合的な対応(担当者の配置、担当部署の設置)を実施しているか否か(病院)―について報告することが求められます。

医療機能情報提供制度における「外国人患者への対応」報告内容(医療情報提供内容検討会3 201029)



また(c)は、「産科・産婦人科を標榜していないが『妊婦への対応』を行っている医療機関」の情報を妊産婦に向けて発信することを目的とした見直しです。

妊産婦の診療については、「通常よりも慎重な対応」や「胎児・乳児への配慮」が必要となるため、「妊産婦の診療に積極的でない医療機関」の存在が問題視されています。例えば、妊婦が風邪等で内科クリニックを受診しても「薬剤の胎児毒性などに当院は詳しくないため、診療は難しい。産婦人科クリニックや、産婦人科のある病院を受診してほしい」と要請されるケースもあるといいます。

こうした事態を放置することは許されないため、妊産婦に適切かつ十分な保健医療サービス提供が確保されることを目指し、厚労省は「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」を一昨年(2019年)2月に設置。精力的な議論を重ね、同年6月には「妊婦への診療に積極的な他診療科を妊産婦に向けて周知する」ことなどを盛り込んだ意見を取りまとめています(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

妊産婦保健医療体制在り方検討会の意見(その1)

妊産婦保健医療体制在り方検討会の意見(その2)



この意見を踏まえて、病院・診療所(医科・歯科)に対し「妊婦への診療に積極的か否か」の報告を求めることになります。

具体的には、次の取り組みを「すべて」実施している場合に「妊婦への診療に積極的である」と報告することが可能となります。

▽妊産婦や妊娠を希望する患者への診療や薬の説明の際に、例えば、国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」の情報等を活用すること等により、必要な情報収集を行ったうえで文書を用いて説明している
▽母子健康手帳について、医学的な必要性を考慮したうえで確認している。ただし、患者の希望やプライバシーへも配慮した対応をしている
▽妊産婦の産婦人科の主治医に対し、当該妊産婦の情報を診療情報提供書等で共有すること等により、産婦人科の主治医と連携している
▽以下の内容を含む妊産婦の特性を勘案した診療を実施している、産婦人科(産科)以外の診療科の医師を配置している
▼妊娠前後および産後の生理的変化と検査値異常
▼妊娠している者の診察時の留意点
▼妊娠している者に頻度の高い合併症や診断が困難な疾患
▼妊娠している者に対する画像検査(エックス線撮影やCT撮影)の可否の判断
▼胎児への影響に配慮した薬剤の選択

妊産婦保健医療体制在り方検討会の意見を踏まえた医療機能情報報告制度の見直し(医療情報提供内容検討会(2)2 200924)



このほか、次のような報告内容の見直しも行われます。
▽「車椅子等利用者に対するサービス内容」について、新たに▼車椅子等使用者用駐車施設の有無▼多機能トイレの設置―を追加する
▽「受動喫煙を防止するための措置」について、新たに「特定屋外喫煙場所の設置」を追加し、「喫煙室の設置」を削除する
▽「保健医療機関、公費負担医療機関及びその他の病院等の種類」ついて、助産所を除き、新たに「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関」を追加する
▽「対応することができる短期滞在手術」について、2020年度診療報酬改定を踏まえ、4泊5日までの手術から▼終夜睡眠ポリグラフィー▼子宮鏡下子宮筋腫摘出術—を削除する

将来、すべての地域医療支援病院の院長が「医師少数区域等での勤務経験」を持つことに

一方、(2)では、一昨年(2019年)の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」論議などを踏まえて、次のような見直しが行われます(関連記事はこちらこちらこちら)。

(i)「医師少数区域等に一定期間(6か月以上)勤務し、地域医療への知見を持った医師」を厚生労働大臣が認定(認定医師)し、「医師派遣機能を持つ地域医療支援病院」では、「認定医師であることを管理者(院長など)の要件とする」としていたが、これを「すべての地域医療支援病院」に拡大する

(ii)地域医療支援病院の管理者(院長など)には、「地域医療確保を図るために特に必要であるものとして都道府県知事が定める事項」の実施を求め、都道府県知事は、当該事項を設定・変更する場合に、都道府県医療審議会の意見を聴くことを求める

(iii)特定機能病院の管理者(院長など)には、「医療機関内における事故発生防止に係る第三者評価を受け、『評価結果』『改善のために講ずべき措置の内容』を公表するとともに、改善措置を講じるよう努める」義務を課す



まず(i)は、医師偏在対策の一環である「医師少数区域等で勤務した医師を評価する」仕組みの強化を狙うものです。

「医師少数区域(人口10万対医師数に地域住民や医師の年齢構成などを加味した新たな指標を用いて、医師配置が下位3分の1となる地域)などで、連続6か月以上(医師免許取得後9年以上を経過したベテラン医師では断続勤務で180日でも良い)勤務」した医師を厚生労働大臣が認定します。その認定資格を持つ医師のみが、将来、▼医師少数区域等所在病院等に対して医師を派遣する▼医師確保を特に図るべき区域における医療の質向上・環境整備事業を行う―地域医療支援病院の管理者(院長)になれる仕組みが創設されました(関連記事はこちらこちら)。

医師少数区域等での一定期間勤務を認定する制度の概要



この点、医師少数区域等での勤務をより推進するために、認定資格保有者でなければ管理者になれない病院を「すべての地域医療支援病院」に拡大するものです。より多くの医師が医師少数区域等で勤務することに期待が集まります。



また(iii)は、東京女子医科大学病院や群馬大学附属病院で重大な医療事故が発生したことを踏まえて、医療安全や管理者(院長等)のガバナンスについて「第三者評価を受ける」ことを承認要件に追加するものです。「受審」が要件となり「認定」までは求められませんが、「改善が必要な事項」を放置することは許されないため、▼「改善すべき」と指摘された事項▼改善に向けた取り組み―を公表することなどが義務付けられます

なお、日本医療機能評価機構では、特定機能病院の▼ガバナンス体制▼医療安全体制―なども含めて評価する「新たな受審プログラム」(一般病院3)を設け、2018年4月から運用しています。



ぽんすけ2020MW_GHC_logo

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