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紹介状なし外来患者の特別負担、病院のベッド数等でなく「機能」に着目して議論せよ―日病・相澤会長

2019.12.23.(月)

全世代型社会保障検討会議が「紹介状なし外来受診患者に対する特別負担の徴収義務対象を200床以上の一般病院へ拡大する」考えを打ち出したが、病院のベッド数や開設者などの外形でなく、「地域で果たしている機能」に着目した議論をすべきであり、強く反対する―。

日本病院会の相澤孝夫会長は12月23日の定例記者会見で、こういった考えを述べました。

12月23日に定例記者会見を行った、日本病院会の相澤孝夫会長

200床以上の一般病院にも「地域密着型」病院がある

Gem Medでもお伝えしているとおり、安倍晋三内閣総理大臣が議長を務める「全世代型社会保障検討会議」(以下、検討会議)が12月19日に中間報告をまとめました。そこでは、「大病院の外来を紹介状なしに受診する患者」に対する特別負担(現在は初診時5000円・再診時2500円)について、次のような見直しを行う方針を打ち出しています。

▽特別負担の金額を引き上げる

▽徴収義務対象病院を「200床以上の一般病院」に拡大する

▽増額分について「公的医療保険の負担を軽減する」よう改める

▽定額負担を徴収しない場合(緊急その他のやむをえない事情がある場合、地域に他に当該診療科を標榜する保険医療機関がない場合など)の要件見直し



この点について、日本精神科病院協会や日本病院会など15の病院団体で構成される「日本病院団体協議会」の代表者会議では、「地域医療を崩壊させる。強く反対する」との考えで全会一致したことをGem Medでお伝えしましたが、日本病院会の常任理事会(12月21日に開催)でも、やはり「地域医療を崩壊させるもので極めて遺憾である。日病として意見を出すべき」との意見が相次いだことが相澤会長から報告されました。

相澤会長は、「大病院か否かは地域によって大きく異なる。設立母体(公立・公的・医療法人など)や病床数などの外形的基準ではなく、その病院が地域で担っている『機能』に着目して医療施策を進めていかなければならない。200床以上の病院でも一般外来を持ち、地域密着型として地域医療に貢献している病院は決して少なくない。そこへの配慮がまったくなされていない」と強調。

さらに「『外来医療の機能分化』が指摘されるが、『かかりつけ医』や『中小病院』、『大病院』の線引きをはじめ、議論は十分に行われていないにもかかわらず、定義も不明確な大病院の特別負担のみを議論するのはおかしいのではないか。大病院とクリニック・中小病院との間で何をすれば機能分化になるのか、それらの機能設定からしっかりと考えないといけない。軽々にこのような方向を示されては困る」「地方と都市部では、例えば『初診時の特別負担5000円』の重みが全く異なる。増額した場合に地域医療にどのような影響が出るのかも考慮されていない」と強い口調で検討会議論議を批判しました。

日病の常任理事会では、年明けにも「意見書」を出すことを決定しています。

病院のダウンサイジング、どのような意味があるのだろう・・・

また相澤会長は、2020年度予算案に盛り込まれた「病床数削減に向けた補助金」について、「どのような意味があるのか疑問だ」との見解を示しました。

一般病床の稼働率は多くの病院で70%台、80%台です。このうち稼働して収益を上げている7-8割のベッドについて病院側は「削減」「返上」を考えるケースは少ないでしょう。すると、病院側が「削減」「返上」に応じるのは「稼働していない2-3割のベッド」の一部となります。この稼働していない(医療費も発生していない)ベッドについて補助金を投じて削減することに「なんの意味があるのだろう」と相澤会長は指摘します。

相澤会長は、この点についても「外形でなく、その病院や病床が地域で果たしている機能を勘案して施策を進めなければならない」と強調しています。

日病事務局が「特定行為研修の指定研修施設」申請をサポート

なお、日本病院会では「特定行為研修の指定研修施設」への申請をサポートする事業をこのほどに発足させました。今年(2019年)3月23日の社員総会で相澤会長が打ち出したもので、「特定行為研修に興味のある会員病院」「すでに指定研修施設となっている会員病院」からの▼特定行為研修の指定申請手続きに係る相談▼研修カリキュラムや研修内容に係る相談(とくにe-ラーニング)―に日病事務局が応じるものです(日病のサイトはこちら)。

特定行為研修を修了した看護師は、医師・歯科医師の包括的な指示の下で、一定の医行為を実施できます(関連記事はこちらこちら)。厚生労働省は「2025年度には10万人看護師が特定行為研修を修了する」ことを目指していますが、今年(2019年)8月現在、1685名にとどまっています。指定研修施設は、40都道府県・134機関が指定研修施設ありますが、▼青森県▼山梨県▼三重県▼徳島県▼愛媛県▼長崎県▼宮崎県―の7県には指定研修施設が存在しません。

しかし、特定行為研修を修了した看護師は、地域包括ケアシステムの要として、また医師のタスク・シフティング先として大きな力を発揮することが期待され、また看護師にとっては「キャリアアップ方策の1つ」ともなります。2020年度の次期診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会の議論では「麻酔の一部業務について、特定行為研修を修了した看護師にタスク・シフティング可能であることを明確化する」方針が固められています。

このように「特定行為研修を修了した看護師」の重要性が高まる中では、「自院の看護師に特定行為研修を受講してもらう」こと、さらに一歩進んで「自院が特定行為研修施設の指定を受け、そこで自院の看護師に特定行為研修を受講してもらう」ことが重要となってきます。この点、相澤会長は「自院でも特定行為研修施設の指定を受けたが、書類作成などの準備がたいへんであり、個別病院での対応が難しい」とし、日病事務局が個別病院の申請等のサポートを行うことを決定しました。日病会員のうち特定行為研修の指定研修施設は現在約80施設となっており、今後の拡大が期待されます。

 

 

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