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急性膵炎の診断を迅速・簡便に補助する検査を11月1日から保険適用―厚労省

2020.11.5.(木)

急性膵炎を迅速・簡便に、かつ他検査と同精度で診断補助できる検査手法の開発を受け、「トリプシノーゲン2」の測定検査を保険適用する―。

厚生労働省は10月30日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こういった点を明らかにしました。11月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

尿に試験紙を浸し、消化酵素「トリプシノーゲン2」の有無を鑑別する新検査手法

10月28日の中央社会保険医療協議会・総会において「尿を検体として急性膵炎の診断を補助する」検査手法の保険適用が承認されました。

膵臓からはさまざまな消化酵素が生産・分泌されますが、何らかの理由で腸への分泌が阻害され、膵臓の中で消化酵素が活性化し、膵臓自体を消化し始める病態が膵炎です。炎症が膵臓にとどまらず全身に影響し、死に至ることもあることから、迅速な診断と治療が重要となります。

今般、中医協総会で承認された新検査手法は「患者の尿に試験紙を浸すことで、膵臓から分泌される酵素(トリプシノーゲン2)を検出する」もので、▼特別な設備、装置、測定技能が不要である▼検査時間が10分以内と迅速である▼他の膵酵素とほぼ同等の精度を持つ―という特性を持っています。より簡便・迅速に、かつ精度高く急性膵炎と他疾患とを鑑別することが可能となります。

急性膵炎を迅速・簡便に診断補助する検査手法が開発された(中医協総会 201028)



この新検査手法の保険適用に伴い、今般、検査点数の中に新たな項目設定が行われたものです。

具体的には、免疫クロマトグラフィー法を用いて「トリプシノーゲン2」を測定する場合には、D001【尿中特殊物質定性定量検査】の「10 ウロポルフィリン(尿)」の所定点数(105点)を準用して算定することが可能となります。

ただし、次のような点に留意することが求められます。

▽「急性膵炎を疑う医学的根拠」をレセプトの摘要欄に記載すること

▽「免疫クロマトグラフィー法を用いたトリプシノーゲン2」を測定する場合、併せて▼D007【血液化学検査】の「1 アミラーゼ」(11点)▼同「6 リパーゼ」(24点)▼同「14 アミラーゼアイソザイム」(48点)▼同「45 トリプシン」(189点)▼D009【腫瘍マーカー】の「7 エラスターゼ1」(126点)―を実施した場合には、「いずれか主たるもの」のみ算定すること

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