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GemMed塾 大学病院本院群を取り巻く現況を解説 ~昨今の特定病院群・標準病院群の経営努力とは~

新型コロナと他疾患(季節性インフルエンザなど)とを同時鑑別できる新検査法を保険適用―厚労省

2020.7.28.(火)

新型コロナウイルス感染症と、他疾患(季節性インフルエンザなど)とを同時に鑑別できる新たな検査法を7月22日から保険適用する―。

厚生労働省は7月22日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。

また、併せて事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その25)」を示し、新型コロナウイルスの検査に関する取り扱いを修正し「新検査も出来高算定可能」な旨を明確にしています。

新型コロナと、他疾患(季節性インフルエンザなど)とを同時に鑑別可能

新型コロナウイルス感染症にかかる緊急事態宣言は全都道府県で解除されていますが、7月中旬から東京都はもちろん、大阪府や愛知県などで過去最多の新規感染者が確認されています。こうした中では、第2波・第3波に備えた「感染拡大防止策の徹底」や「医療提供体制の確保」などが依然として重要です。

後者の医療提供体制に関しては、「感染者の適切かつ迅速な鑑別」や「重症者への入院医療体制確保」などを引き続き進めることが求められます。このうち新型コロナウイルス感染者の鑑別に関しては、3月6日に「PCR検査」(核酸検査)が、5月13日に「抗原検査」が保険適用され、円滑な実施に向けた対応が順次とられてきています。

さらに7月22日の中央社会保険医療協議会・総会において「▼インフルエンザウイルス(A H1、A H3、A H1-2009、B)▼コロナウイルス(229E、HKU1、NL63、OC43)▼パラインフルエンザウイルス(PIV1、PIV2、PIV3、PIV4)▼ヒトメタニューモウイルス▼アデノウイルス▼RSウイルス▼ヒトライノウイルス/エンテロウイルス▼SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)▼細菌(マイコプラズマ・ニューモニエ、クラミジア・ニューモニエ、百日咳菌)を同時検出できる新検査法」(マイクロアレイ法(定性)、販売名「FilmArray呼吸器パネル2.1」)の保険適用が承認されたことを受け、検査料(診療報酬)算定上の留意事項通知が示されたものです。

新型コロナウイルス感染が疑われる患者に対しては、▼PCR法▼抗原検査▼抗原定量検査―によって、感染の有無を確認できますが、臨床症状が類似する他の疾患(例えば季節性インフルエンザ)に罹患しているかどうかは別の検査をする必要がありました。この点、新たな検査では、「新型コロナウイルス感染症」なのか「他のウイルス性疾患・細菌性疾患」なのかを同時に調べることが可能で、より迅速な鑑別・適切な治療方針の選択に結びつけることができます。

具体的には、「新型コロナウイルス関連が疑われる者」に対して、どういった疾患に罹患しているのかを診断する目的で、マイクロアレイ法(定性)によって鼻咽頭拭い液を検体として、▼インフルエンザウイルス▼コロナウイルス▼パラインフルエンザウイルス▼ヒトメタニューモウイルス▼アデノウイルス▼RSウイルス▼ヒトライノウイルス/エンテロウイルス▼マイコプラズマ・ニューモニエ▼クラミジア・ニューモニエ▼百日咳菌▼新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)―の核酸検出(ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-2を含む))を同時に行った場合に、次の区分に従って診療報酬を算定できます(診断確定までに1回、ただし、検査で「陰性」であったものの、新型コロナウイルス感染症以外の診断がつかず、本検査を再度実施した場合は、さらに1回の算定が可能)

(1)検体を「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス 2013-2014版」(国立感染症研究所)に記載された「カテゴリーBの感染性物質の規定」に従って他施設へ輸送し、検査を委託して実施した場合
→1800点(D023【微生物核酸同定・定量検査】の「14 SARSコロナウイルス核酸検出」(450点)の4回分)

(2)(1)以外の場合
→1350点(同3回分)

このように診断目的で本検査を実施した場合には、次の点をレセプトの摘要欄に記載することが求められます。

▽本検査が必要と判断した医学的根拠
▽検体を、他施設へ輸送し、検査を委託して実施した場合は「検査を実施した施設名」



また本検査は、新型コロナウイルス感染症で入院している患者に対し「退院可能かどうか」を判断するために実施することも可能です。

この場合には、厚労省の定める退院基準(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)の「第1 退院に関する基準」)に基づいて実施すれば、1回の検査について上記のように合算した点数を算定できます。この場合には、「検査実施の日時」と「検査結果」をレセプトの摘要欄に記載することになります。



なお、本検査を実施した場合には、▼D023【微生物核酸同定・定量検査】の「17 ウイルス・細菌核酸多項目同時検出」(963点)▼(23)ウに規定する検査▼SARS-CoV-2核酸検出(PCR検査)―の点数を別に算定することはできません。

新検査についても、検査の実施料や判断料は「出来高算定」可能

また、本検査(ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-2を含む))の保険適用に伴って、事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その25)」では、これまでの新型コロナウイルス検査に関する規定を次のように改めています。

5月22日付事務連絡(新型コロナウイルスに係る検査の実施料・判断料について、DPC病院・特定機能病院でも出来高算定可能である旨などを示す事務連絡)
→本検査(ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-2を含む))についても、検査の実施料・判断料を出来高算定可能とする

6月15日付事務連絡(療養病棟や地域包括ケア病棟、特定集中治療室管理料など検査料が包括されている病棟やユニットに入院する患者、地域包括診療料など検査料が包括されている医学管理料を算定する患者についても、新型コロナウイルスに係る検査の実施料・判断料を出来高算定可能である旨などを示す事務連絡)
→本検査(ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-2を含む))についても、検査の実施料・判断料を出来高算定可能とする



なお、同日には通知「『新型コロナウイルス感染症に係る行政検査の保険適用に伴う費用の請求に関する 診療報酬明細書の記載等について』の一部改正について」も示され、本検査ウイルス・細菌核酸多項目同時検出(SARS-CoV-2を含む))に係る患者負担(一部負担)についても公費負担となるためにレセプトの患者負担額欄には「ゼロ円」と記載することなどが明確にされています。



病院ダッシュボードχ 病床機能報告MW_GHC_logo

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新型コロナウイル患者の入院医療費は「公費負担」とするなど、治療体制を急ぎ整える―首相官邸
新型コロナウイルス関連での外出自粛患者への診療、往診料や訪問診療料の算定可能―厚生労働省
新型コロナウイルス患者、緊急やむを得ない場合には「感染症病床以外の病床」への搬送・入院も可能―厚労省
新型コロナウイルスの感染疑い例診察する特別外来を設置、相談センターから紹介―厚労省
中国武漢市滞在歴のない「新型コロナウイルスの感染患者」、本邦で初確認―厚労省
本邦でも新型コロナウイルスの感染患者、中国武漢市の滞在歴―厚労省
SARS、MERSと異なる病原体不明肺炎が中国で発生―厚労省



新型コロナ対策、まずPCR検査の拡充を進めるべきではないか―日病・相澤会長
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新型コロナで診療縮小等となる医療機関等への優遇貸付拡充、病院では当初5年「1億円まで無利子」で長期運転資金を融資―厚労省・WAM
新型コロナにより事業縮小や閉鎖を余儀なくされる病院や老健施設に資金融資―福祉医療機構



DPC対象病院、「医療の質向上」と「経営の質向上」とを両立―中医協総会

2021年度介護報酬改定、「複数サービスを包括的・総合的に提供する」仕組みを―社保審・介護給付費分科会(1)
新型コロナに対応する医療機関等スタッフへの慰労金、新型コロナ患者の診療日以降も勤務するスタッフに手厚く—厚労省



東京都における新型コロナ患者の急増、「4月時点と状況は異なり、医療提供体制は切羽詰まった状況ではない」—全日病・猪口会長