新型コロナで逼迫する医療従事者の防護具、感染症指定医療機関や協力医療機関などに優先提供―厚労省
2020.4.27.(月)
新型コロナウイルス感染患者等を診療する際に必要なサージカルマスクやN95マスク、フェイスシールドなどの個人防護具(PPE)について、国で確保し、都道府県から各医療機関への優先提供を行うが、その際には「感染症指定医療機関」や「新型コロナウイルス感染症患者を実際に受け入れている、または受け入れ予定のある医療機関」「宿泊療養・自宅療養中の軽症患者等に訪問診療や訪問看護を行う医療機関、訪問看護ステーション」などを特に優先する―。
厚生労働省は4月24日に事務連絡「医療機関向けマスクの医療機関等への配布について」および「医療従事者の個人防護具(PPE)の医療機関等への配布について」を示し、こうした方針を明らかにしました。
救急患者の受け入れ件数やICU保有状況なども勘案して優先順位を設定
新型コロナウイルス感染症の拡大により医療現場では、マスクやフェイスシールドなどの防護具(PPE)のニーズが高まってきており、国による積極的な確保が求められています。これらの防護具については、「国による確保」→「都道府県への送付」→「各医療機関への提供」という流れで優先提供が行われ、今般の事務連絡で再整理が行われたものです。
まずサージカルマスクについては、前者の事務連絡において、都道府県から、次のような医療機関等に「優先」して提供する旨が改めて明確にされました。
▽感染症指定医療機関等(特に「医療用マスクの安定供給スキーム」による優先供給対象の医療機関)
▼感染症指定医療機関(特定、第一種、第二種)
▼新型インフルエンザ患者入院医療機関の中の協力医療機関▼2月12日付の厚労省通知「新型コロナウイルス感染症患者等の入院病床の確保について」に基づいて、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れるための病床を確保した医療機関
▼帰国者・接触者外来
▼その他、新型コロナウイルス感染症患者(疑い患者含む)の受入医療機関、または自宅療養中の患者に対応する医療機関・訪問看護ステーション)
▽重症度が高い患者が入院する病院(救急患者の受入件数、ICUを保有しているか否か、特定機能病院等であるかなど考慮する)
▽「在庫の不足の程度(何日分の在庫があるか)」など個別のニーズによって「緊急性が高い」と判断される医療機関等(病院、診療所、歯科診療所、助産所、訪問看護ステーション、薬局)
▽その他特別の事由がある場合は当該医療機関等(病院、診療所、歯科診療 所、助産所、訪問看護ステーション、薬局、新型コロナウイルス感染症の軽症者の療養を行う宿泊施設)
実際の提供に当たって、都道府県は「管下市町村から意見を聴く」「都道府県医師会等の職能団体と必要な協議を行う」「各医療機関等に十分に情報共有する」ことが重要です。
また、「緊急時」「医療機関等においてクラスターが発生した場合」に備えて、必要な限度で都道府県が柔軟に対応できるようにサージカルマスクを保有しておくことが可能です。ただし、備蓄量の多い都道府県では、他の都道府県に融通することも重要です。
一方、介護施設等については、「まずは必要な医療機関等の需要を満たした上で、各都道府県の衛生主管部局と福祉部局が連携して判断し、配布する」ことは差し支えないとされています。
また個人防護具(PPE、N95・KN95 マスクやアイソレーションガウン、フェイスシールドなど)についても、次のような医療機関に対し、都道府県から「優先」的に提供がなされます。ただし、逼迫するN95マスク・KN95マスク等については「現に新型コロナウイルス患者に対応する、または対応予定のある医療機関に限って配布する」ことを厚労省は要請しています。
▽感染症指定医療機関等
▼感染症指定医療機関(特定、第一種、第二種)
▼新型インフルエンザ患者入院医療機関の中の協力医療機関▼2月12日付の厚労省通知「新型コロナウイルス感染症患者等の入院病床の確保について」に基づいて、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れるための病床を確保した医療機関
▼帰国者・接触者外来
▼その他、新型コロナウイルス感染症患者(疑い患者含む)の受入医療機関、または自宅療養中の患者に対応する医療機関・訪問看護ステーション)
▽PCR検査のための検体採取を行う医療機関
▽上記以外の重症度が高い患者が入院するの病院(救急受入件数などを考慮する)
なお、サージカルマスクと同様に、都道府県には市町村や医師会等と協議することが求められ、また緊急時等に備えて、必要数を柔軟に都道府県が保有することも認められます。
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