Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

新型コロナへのBCG有効性は未確認、ゼロ歳時へのBCG接種に問題が生じないよう優先供給を―小児科学会・ワクチン学会

2020.4.8.(水)

新型コロナウイルス感染症へのBCGワクチンの有効性は科学的に確認されていない―。

BCGワクチン接種の「優先対象」は、定期接種の対象者である「ゼロ歳児」であり、ゼロ歳児へのBCGワクチンに供給問題が生じないようにする必要がある―。

日本小児科学会の「予防接種・感染症対策委員会」は4月3日に「最近のBCGワクチンと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する報道に関連して―乳児へのBCGワクチンの優先接種のお願い―」を示し、こうした考えを明確にしました(小児科学会のサイトはこちら)。

BCGワクチン接種、「ゼロ歳児」を優先対象とし、供給に支障が生じないように

新型コロナウイルスが我が国でも猛威を振るう中、治療法や予防法などをめぐりさまざまな情報は飛び交っています。その1つとして、「新型コロナ対策(予防・重症化予防)にBCGワクチンが有効なのではないか」という情報があります。我が国では諸外国と比べても新型コロナウイルス感染による死亡者が少ないが、その要因の1つに「我が国ではBCGワクチンが義務化されている」点があるのではないか、などの推測に基づく情報です。

この点について、日本ワクチン学会では4月3日に▼新型コロナウイルス感染症に対するBCGワクチンの有効性仮説については、真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、推奨もされない▼BCGワクチン接種の効能・効果は「結核予防」で、主たる対象は乳幼児であり、高齢者への接種に関わる知見は十分でない▼本来の適応と対象に合致しない接種が増大する結果、定期接種としての乳児へのBCGワクチン安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない―との見解を提示。



日本小児科学会も、この見解と同様に次の点を指摘します。

▽新型コロナウイルス感染症へのBCGワクチンの有効性は「いまだ科学的に実証されたものではない」

▽BCG ワクチンは、「結核に対する予防ワクチン」(結核性髄膜炎や粟粒結核など低年齢小児で頻度の高い重症結核を予防する有用性が最も高い)であり、予防接種法に基づく定期接種の対象者は「ゼロ歳児」であることから、世界各国でも「新生児や乳児」を対象に接種が行われている

▽成人や高齢者を対象としたBCGワクチン接種の知見は十分ではなく、「結核菌の既罹患者」「BCG菌に対する免疫を有する者」に接種した場合、強い接種局所反応などの副反応が出現する可能性がある



またBCGワクチンの製造量・供給量にも当然のことながら上限があり、仮に新生児の結核予防以外への転用が大幅に増えた場合には、本来の目的である「新生児への結核予防」に用いるワクチンが不足する事態も生じかねません。



こうした点を踏まえて日本小児科学会では、▼BCGワクチン接種の「優先対象」は、定期接種の対象者である「ゼロ歳児」である▼BCGワクチンの供給量には限りがあり、エビデンスに基づいて最も接種が優先されるゼロ歳児へのBCGワクチンに供給問題が生じないようにする必要がある―と強く訴えています。



病院ダッシュボードχ 病床機能報告MW_GHC_logo

 

【関連記事】

新型コロナ軽症者等の宿泊療養でホテル代・食事代は不要、宿泊・自宅療養のいずれも医療従事者が健康管理―厚労省
新型コロナウイルス感染症、高齢者やLDH高値者で生存率低く、出血合併症に留意したECMO早期実施が重要
日本集中治療医学会と日本麻酔科学会が共同し、新型コロナ患者管理の情報共有や呼吸不全患者管理トレーニング、ICU飽和状態対策など推進
医療機関スタッフが新型コロナ感染等で出勤できず、一時的に施設基準を満たせずとも、変更届を行わず従前の診療報酬を算定して良い―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、検査キット等の考えを2020年度改定の中で明確化―厚労省
新型コロナ陽性でも、軽症者・無症状者は「宿泊療養・自宅療養」の対象に―厚労省
新型コロナ感染防止のため、臨時・特例的に「初診からのオンライン診療」認める―オンライン診療指針見直し検討会
新型コロナウイルスを迅速に検出する機器、国立国際医療研究センター病院など16施設に配置―経産省
医療従事者の新型コロナ感染、必要性を認めた場合には積極的に検査実施を―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、体外診断用医薬品や検査キット等の考えをさらに明確化―厚労省
新型コロナ感染防止のための電話等用いた診療、「情報通信機器を用いる医学管理料」算定の考え明確化―厚労省
新型コロナウイルス検査の保険適用踏まえ、検査キット等の考えをさらに明確化―厚労省
各都道府県で「新型コロナウイルス感染症患者を重点的に受け入れる医療機関」設定など早急に進めよ―厚労省

各都道府県に「新型コロナ感染患者の診療拠点となる公立・公的病院」を設置せよ―四病協
新型コロナ対策の臨時特例的なオンライン診療の拡大、診療報酬上も「柔軟な対応」を認める―厚労省
新型コロナ感染避けるため、慢性疾患患者の「予測される症状変化に対する医薬品」処方を電話等で可能に―厚労省

新型コロナウイルス検査の保険適用を踏まえ、検査キット等を明確化―厚労省
新型コロナ感染防ぐため、在宅自己注射する患者等への「電話等での指導や衛生材料等支給」認める―厚労省
新型コロナ感染予防のため全医療機関外来で標準予防策を講じ、新型コロナ患者診療では必要な装備着用を―厚労省
新型コロナ感染防止のため、「オンライン診療・医薬品処方が可能な範囲」を特例的・臨時的に拡大―オンライン診療指針見直し検討会

公立・公的病院等の再編・統合に向けた再検証、新型コロナ受け事実上の期限延長―厚労省
新型コロナウイルス検査の保険適用を踏まえ、診療報酬の疑義解釈を提示―厚労省
新型コロナ、疫学的関連性が把握できない程度の感染拡大から「概ね3か月後」に患者数ピーク―厚労省
新型コロナ感染疑い患者、院内で移動型エックス線装置を用いたエックス線撮影を認める―厚労省
新型コロナウイルス検出のためのPCR検査、3月6日から保険適用―厚労省
新型ウイルス対策、WAMの資金貸付の強化や診療報酬等の柔軟対応の周知徹底を―日病・相澤会長
新型コロナ対応、緊急開設医療機関で「届け出月からの基本診療料算定」、大病院で「電話での外来診療料算定」可能―厚労省
新型コロナ患者増加状況踏まえ、一般医療機関での外来診療、一般病院の一般病床での入院医療を段階的に進める―厚労省
新型コロナ感染対策のための電話等による診療や薬剤処方、【電話等再診料】や【処方箋料】を算定―厚労省
基礎疾患持つ患者の新型コロナ感染避けるため、電話等による診療・処方、処方箋のFAX送信ルール明確化―厚労省
公立病院における新型コロナ感染症への医療提供体制の充実を要請―高市総務相
「互いに手を伸ばせば届く距離で、多くの人が会話等で一定時間以上続く」環境が新型コロナ感染リスクを高める―厚労省専門家会議
新型ウイルス感染拡大防止に向け、イベント開催の必要性検討、「社員等が休みやすい環境」整備を―加藤厚労相
新型コロナウイルス感染に関する相談者・受診者増に対応するため、相談センターや特別外来の体制等充実を
新型コロナウイルス患者等の受け入れ等で診療報酬の施設基準等満たさずとも、当面は変更届け出等は不要―厚労省
37.5度以上の発熱があり入院が必要な肺炎が疑われる患者、新型コロナウイルス検査の実施を―厚労省
37.5度以上発熱が4日以上続く、倦怠感や呼吸困難がある場合は「帰国者・接触者相談センター」に相談を―厚労省
新型コロナウイル患者の入院医療費は「公費負担」とするなど、治療体制を急ぎ整える―首相官邸
新型コロナウイルス関連での外出自粛患者への診療、往診料や訪問診療料の算定可能―厚生労働省
新型コロナウイルス患者、緊急やむを得ない場合には「感染症病床以外の病床」への搬送・入院も可能―厚労省
新型コロナウイルスの感染疑い例診察する特別外来を設置、相談センターから紹介―厚労省
中国武漢市滞在歴のない「新型コロナウイルスの感染患者」、本邦で初確認―厚労省
本邦でも新型コロナウイルスの感染患者、中国武漢市の滞在歴―厚労省
SARS、MERSと異なる病原体不明肺炎が中国で発生―厚労省



新型コロナ対策、まずPCR検査の拡充を進めるべきではないか―日病・相澤会長



新型コロナで診療縮小等となる医療機関等への優遇貸付拡充、病院では当初5年「1億円まで無利子」で長期運転資金を融資―厚労省・WAM
新型コロナにより事業縮小や閉鎖を余儀なくされる病院や老健施設に資金融資―福祉医療機構