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新型コロナ対策、気管チューブ等が抜けかけた場合でも、慌てて押し込まず速やかに医師に連絡を―PMDA

2020.4.22.(水)

新型コロナウイルスの患者増に伴い、人工呼吸器での呼吸管理が必要なケースも増加する。その際、気管チューブ・気管切開チューブを用いるが、▼チューブを固定する紐が緩んでいないか、チューブが呼吸回路の重みで引っ張られてないか、などを定期的に確認する▼チューブの抜けかけが見つかった場合には、慌てて押し込むと「食道への誤挿管」が生じるため、速やかに医師に連絡する▼チューブ固定の際には、誤って患者が噛み切ってしまわないように、カフラインが患者の歯に接触していないかを確認する―といった点に改めて留意してほしい―。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は4月17日に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う「PMDA医療安全情報 臨時号No.2(気管チューブ等)」を公表。人工呼吸器等の使用に際し、気管チューブ・気管切開チューブに関連した医療事故等の発生防止を呼び掛けています(PMDAのサイトはこちら)(臨時号No.1(人工呼吸器等)の記事はこちら)。

定期的に気管チューブ等の「固定の緩み」が生じていないか確認を

新型コロナウイルスの猛威はとどまるところを知らず、我が国でも感染患者が急増しています。安倍晋三内閣総理大臣は、感染拡大を防止し、医療提供体制を確保するために4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項に基づいて緊急事態宣言を行うとともに、「緊急経済対策」を閣議決定。さらに4月16日には緊急事態宣言の対象を、従前の7都県(▼埼玉県▼千葉県▼東京都▼神奈川県▼大阪府▼兵庫県▼福岡県―)から、全国に拡大しています。

そうした中で医薬品医療機器総合機構(PMDA)では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う「PMDA医療安全情報 臨時号」を順次公表しています。4月17日に公表した「臨時号 No.2」では、重症患者の呼吸管理に必須となる「気管チューブ」「気管切開チューブ」の取り扱いに関して、以下4場面における注意事項を整理し、医療安全の確保を呼びかけています。

(1)体位変換時などの注意点
(2)チューブが抜けかけた場合の注意点
(3)留置中の注意点
(4)気管チューブを固定する際の注意点



まず(1)「体位変換時など」の場面では、「気管切開チューブが抜けてしまう」ことが生じえます。機構では、「人工呼吸器装着中の体位変換は、気管切開チューブや呼吸回路などを『保持』して行い、チューブが抜けないように留意する」ことを強く推奨しています。

体位変換時には気管切開チューブ等の保持を行い、抜けないように留意を(PMDA医療安全 臨時情報2の1 200417)



また(2)では、チューブが抜けかけた場合であっても、慌てて押し込まず、速やかに「医師に連絡する」ことを呼びかけています。

実際に、押し込んだ場合には「気管チューブが食道に誤挿管されてしまう」事例も報告されています(モニタのSpO2下限アラームが鳴り、確認したところ誤挿管であることが分かった)。機構では、再挿管後に「呼吸音を聴取するなどし、適切に挿管されたことを確認する」ことも求めています。

気管チューブの抜けを見つけても、慌てて押し込まずに、速やかに医師に連絡を(PMDA医療安全 臨時情報2の2 200417)



一方、(3)では「気管チューブ、気管切開チューブの留置中」には、常に「固定状態を確認する」ことが必要と訴えます。固定の緩みがあれば、「チューブの抜け」→「換気困難」へとつながってしまうことから、機構では▼固定紐が緩んでいないか▼回路の重みでチューブが引っぱられていないか―などを定期的に確認するようアドバイスしています。もちろん、確認によって「チューブの抜けかけ」が見つかった場合には、(2)にあるとおり、慌てて押し込まずに、速やかに医師に連絡することが必要です。

気管切開チューブなどの固定の緩みがないか、常に確認を(PMDA医療安全 臨時情報2の3 200417)



さらに(4)では「気管チューブ固定」に際して、「カフラインが患者の歯に接触しない」ように注意することを求めています。カフラインが患者の歯に接触している場合には、歯で気管チューブのカフラインを噛み切ってしまうことが生じえます。その場合、カフが収縮し、「吸気ガスの漏れ」(ガスリーク)→「換気量の低下」につながるおそれがあるのです。

カフラインを患者が噛み切らないよう、気管チューブ固定時には「歯に接触していないか」の確認を(PMDA医療安全 臨時情報2の4 200417)



こうした点に、医療スタッフ個々人が留意することの重要性は述べるまでもありません。ただし、通常であっても多忙なうえに、新型コロナウイルス感染防止で多忙を極める中で、個々人の注意・集中には限界があります。このため、各医療機関で、仕組みとして「複数の担当者でチェックする」「チェック表を準備し、指さし、声だしで確認する」「仮にミスを起こしてしまっても、速やかに報告できる風土を醸成する(意味のないペナルティなどを課さない)」といった点を構築していくことが重要です。


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