Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

新型コロナの軽症者等は「宿泊療養を基本」とし、症状悪化に備えた定期的な健康把握や入院体制整備を―厚労省

2020.4.28.(火)

新型コロナウイルスに罹患しながら軽症の患者、無症候の患者について、症状が悪化する可能性を踏まえて「宿泊療養」を基本とし、定期的な健康把握や入院体制の確保を進めてほしい―。

また、PCR検査で連続2回陰性となるなど宿泊療養等の解除基準を満たした患者が職場復帰する際には、「新型コロナウイルス陰性の証明」は不要であり、各職場もその点を理解し、差別的な対応をとってはならない―。

厚生労働省は4月24日に事務連絡「『新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について』に関するQ&Aについて(その3)」を示し、こうした点への留意を呼びかけました。

軽症・無症候患者、症状悪化を踏まえて「宿泊施設での療養」を基本に

新型コロナウイルスの猛威を振るい、我が国においても感染患者が増加を続けています。そうした中で新型コロナウイルス陽性患者のすべて(軽症・重症を問わず)について「入院原則」(指定感染症)を貫けば、病床が足らなくなり、重症患者に適切な入院医療を提供できなくなってしまいます(テレビ報道等で言われる「医療崩壊」)。

そこで厚労省は4月2日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」を提示。▼新型コロナウイルス感染患者が増加し、重症者に対する入院医療提供に支障が出る恐れがある場合には、軽症や無症状で重症化の恐れが小さい患者について「都道府県が用意する宿泊施設」や「自宅」での療養を可能とする▼軽症者であっても、同居家族に高齢者や医療従事者がいる場合には、家庭内での感染を避ける必要性が高いために、優先的に「宿泊施設での療養」を行うこととする―などの考え方を示し、各都道府県で患者数の推計・宿泊施設の確保を進めるよう要請しています。重症の患者に入院医療資源(ベッドや医療機器、医療スタッフ)を重点化・集約化するための措置です(関連記事はこちら(宿泊療養・自宅療養における留意点)こちら(軽症者等の療養に関するQ&A)こちら(Q&A1)こちら(宿泊療養・自宅療養に関する4月2日付事務連絡))。

もっとも、軽症や無症状の患者であっても急性増悪する可能性があることから、医療従事者によるフォローアップが重要となるため、厚労省では宿泊療養・自宅療養における留意点をQ&A形式で示しています。4月15日には Q&A(その2)として「主に都道府県関係者向けの留意点」の追加を、4月24日には Q&A(その3)として「主に一般国民向けの留意点」の追加を提示しました。



なお、自宅療養中の患者が重症化し、不幸にもお亡くなりになる事例が発生していることを踏まえ、4月23日の事務連絡「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養又は自宅療養の考え方について」の中で厚労省は、「宿泊療養を基本として対応する」旨を都道府県等に依頼しています。ただし、例えば子育てなどの家庭の事情があり「自宅療養としたい」との患者本人の希望がある場合には、後述する「症状悪化に備えた体制確保」や「定期的な健康診断の実施」を行ったうえで自宅療養とすることも可能です。

宿泊療養等患者の症状悪化に備えて、定期的な健康把握と入院体制の確保を

都道府県関係者向けの留意点では、まず宿泊療養・自宅療養中患者の症状が悪化した場合に備えて、次のような体制を確保しておくことが求められます。実際に「症状が急速に悪化してしまう軽症・無症候事例」があることに最大限の留意が必要です。

【宿泊療養】
▽症状悪化に備えて、事前に「入院を受け入れる医療機関」「医療機関までの搬送体制」を調整・情報共有しておく(例えば、都道府県の調整本部等で、「体調急変時に原則として入院を受け入れる医療機関」を定めておくなど)
▽体調急変時には、施設が確保した医師や看護師、保健師等が患者の状態を確認し、医療機関の受診を調整する
▽患者の状況が悪くオンコールを待つ余裕がない場合等には、直ちに事前に調整していた入院医療機関へ搬送する
▽宿泊療養中は、原則として1日1回、健康状態の把握・確認を行う

【自宅療養】
▽宿泊療養と同様に、「急変時の入院を受け入れる医療機関」「都道府県調整本部等と患者の受け入れ体制」「医療機関までの搬送体制」を、事前に調整・情報共有しておく

ダイレクトに宿泊療養等する患者には、入院から移行する患者よりも手厚い健康確認等を

また、「PCR検査実施時点では、入院の必要がないと判断される場合」には、▼帰国者・接触者外来等のPCR検査実施医療機関において、「陽性と鑑別された場合に宿泊療養・自宅療養が必要となる」ことを踏まえ、「自治体から配布されたリーフレットの配布」「同居家族の状況等についての聞き取り」を行う▼患者に対し「宿泊療養・自宅療養を行う場合の準備」を依頼する▼帰国者・接触者外来等から都道府県等に対し、必要な情報を共有する―ことなどが求められます。

その際、「外来患者で、そのまま宿泊療養等へ移行する」場合には、「一度入院して治療等を受けた後、宿泊療養等へ移行する」場合に比べて、「ウイルス量が増加する可能性」に留意することが必要となります。厚労省は、▼状態に応じて「健康状態の聴取のために連絡する回数を1日2回に増加する」(前述のとおり、通常の宿泊療養等患者では1日1回)など、より丁寧な健康観察を行い、必要に応じて速やかに医師に相談する▼患者に対し、「症状の変化に気を付ける」「変化があった際には、宿泊療養では施設に配置された看護師等へ、自宅療養では各都道府県等の連絡・相談窓口に、速やかに伝える」ように伝える―ことを求めています。

宿泊療養等患者の職場復帰に当たり「新型コロナ陰性の証明」は不要

「宿泊療養・自宅療養の解除基準」(PCR検査で2回連続「陰性」となる、2週間を経過するなど)を満たし、療養を終了した場合には、当然、外出や職場復帰などの通常生活に戻ることができます。ただし、その際に職場等から「PCR検査の結果が陰性であることの証明書(陰性証明)の提出」を求められるケースも出てくると想定されます。

この点について厚労省は、以下のように「職場復帰に当たり陰性証明書を提出する必要はなく、多忙を極める医療機関・保健所への証明書発行請求は控えてほしい」と要請しています。各職場でこうした点を十分に理解するとともに、不適切な対応をとらないことが強く求められます。

▽宿泊療養・自宅療養中は、毎日、保健所等による健康フォローアップが行われ、必要に応じて、医師の判断も踏まえた上で、保健所が「解除の基準」(PCR検査で2回連続の陰性、2週間経過など)を満たしているかどうかを確認しており、勤務等の再開に当たり職場等に陰性証明を提出する必要はなく、各都道府県労働局にも周知している

▽政府では、国民に対し、正確かつ状況の変化に即応した情報提供を行い、誤解や偏見に基づく差別を行わないことを呼びかけていく

▽PCR検査は、「医師が診療のために必要と判断した場合」「公衆衛生上の観点から自治体が必要と判断した場合」に実施しており、医師や自治体がPCR検査が必要と判断していない労働者について、事業者等からの依頼による各種証明を行わない



診療報酬改定セミナー2024MW_GHC_logo

 

【関連記事】

新型コロナで逼迫する医療従事者の防護具、感染症指定医療機関や協力医療機関などに優先提供―厚労省
新型コロナ感染防止策とる訪問看護、訪看ステーションで特別管理加算、医療機関で在宅移行管理加算を算定可―厚労省
「術前等にPCR検査をしなければ治療完遂できない」と医師が判断すれば、無症候患者へも保険診療としてPCR検査実施可―中医協総会
新型コロナ患者受け入れのための空床確保等で医療機関経営は逼迫、財政支援・補填を要請―日病・相澤会長
新型コロナ院内感染防止のため、無症候患者への手術や検査等前のPCR検査を認めよ―内科学会・感染症学会
新規開設で特別入院基本料を算定する間でも、新型コロナ患者受け入れ体制を整えれば、簡易報告で【特定集中治療室管理料】等の算定可―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、新たな検査機器を4月20日から保険適用―厚労省
新型コロナ対策、各医療機関で「セントラルモニタの必要性」「アラーム鳴動時の対応方針」など検討を―PMDA
新型コロナ対応、全都道府県で重点医療機関の早急な設置、術前等に必要なPCR検査等を行える体制の確保を―新型コロナ専門家会議
新型コロナが猛威振るう中、「保育所等が医療従事者の子ども預かりを拒否する」などの差別・偏見は許されない―厚労省
新型コロナ対応に係る、介護報酬・人員配置基準等の「柔軟な取り扱い」を整理―厚労省
新型コロナ対策、気管チューブ等が抜けかけた場合でも、慌てて押し込まず速やかに医師に連絡を―PMDA
新専門医資格の取得目指す専攻医、積極的に新型コロナウイルス感染症の治療に携わってほしい―日本専門医機構
新型コロナ対策、人工呼吸器のAC電源接続を常に確認、人工鼻と加温加湿器・ネブライザの併用は禁忌―PMDA
新型コロナ対応のために手術延期などして「病院の収益が減少」、国で補填を―医学部長病院長会議
新型コロナの重症患者増加見据え、臨時特例的に人工呼吸器の単回使用構成品の「再使用」可能に―厚労省
新型コロナ核酸検査、全身麻酔・局所麻酔管理下の外科手術症例に保険適用を拡大せよ―日本外科学会
新型コロナ感染疑いでも、「生命が危険な状態にある」などの救急患者は速やかな受け入れを―厚労省
新型コロナ重症者受け入れた場合、救命救急入院料や特定集中治療室管理料を2倍+αに―中医協・総会
新型コロナ重症者対応、臨時に「ICU点数増」「ICU以外での特定集中治療室管理料等算定」など認めよ―集中治療医学会・救急医学会・日病
新型コロナ対策、看護職への危険手当と代替職員確保を実施せよ―日看協
がん患者、透析患者、妊産婦や小児などが新型コロナに感染した場合の医療提供体制を早急に整備―厚労省
サージカルマスクやゴーグルなどの防護具、洗浄・消毒のうえ同一品を複数患者診察等に再利用可能―厚労省
新型コロナ対策、地域の医療提供体制や緊急性など総合的に判断し「予定手術の延期」考慮を―日本外科学会
新型コロナ感染・疑い患者への外来診療を評価する【院内トリアージ実施料】、再来患者でも算定可―厚労省
新型コロナで全国の病院外来制限10.4%、停止0.8%、通常稼働は病院外来88.8%、病院入院91.2%―厚労省・内閣官房
新型コロナ対応、N95マスクは滅菌により2回までの再利用等が可能―厚労省
新型コロナで入院するまでの「自宅待機者」にも医療的フォローアップを、宿泊・自宅療養では感染拡大防止策徹底を―厚労省
新型コロナ対策、臨時特例的に電話等での初診を認め、214点に設定―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、新たな全自動検査機器を4月7日から保険適用―厚労省
新型コロナ軽症等患者の宿泊療養、急性増悪の可能性あり「SpO2低下」に注意を―厚労省
新型コロナ対策、病床確保や人工呼吸器・ECMO整備費等を支援する「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」創設―2020年度補正予算案
新型コロナ対応に医療資源を重点化するため、白内障や低悪性度がん手術などは「延期」要請を―厚労省
新型コロナ緊急事態宣言の実効性高めるため、医療物資調達や感染患者受け入れる医療機関への財政支援を―全国知事会
新型コロナ対策で総額108兆円超の緊急経済対策、病床や人工呼吸器・ECMOの確保、オンライン診療の臨時拡大など推進
新型コロナ対策の基本的対処方針を緊急事態宣言踏まえ改訂、「3つの密」を避け、医療提供体制を強化
新型コロナ疑い患者の外来診療で【院内トリアージ実施料】、新型コロナ感染患者の入院医療で【救急医療管理加算】等の算定認める―中医協総会
新型コロナへのBCG有効性は未確認、ゼロ歳時へのBCG接種に問題が生じないよう優先供給を―小児科学会・ワクチン学会
新型コロナ軽症者等の宿泊療養でホテル代・食事代は不要、宿泊・自宅療養のいずれも医療従事者が健康管理―厚労省
新型コロナウイルス感染症、高齢者やLDH高値者で生存率低く、出血合併症に留意したECMO早期実施が重要
日本集中治療医学会と日本麻酔科学会が共同し、新型コロナ患者管理の情報共有や呼吸不全患者管理トレーニング、ICU飽和状態対策など推進
医療機関スタッフが新型コロナ感染等で出勤できず、一時的に施設基準を満たせずとも、変更届を行わず従前の診療報酬を算定して良い―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、検査キット等の考えを2020年度改定の中で明確化―厚労省
新型コロナ陽性でも、軽症者・無症状者は「宿泊療養・自宅療養」の対象に―厚労省
新型コロナ感染防止のため、臨時・特例的に「初診からのオンライン診療」認める―オンライン診療指針見直し検討会
新型コロナウイルスを迅速に検出する機器、国立国際医療研究センター病院など16施設に配置―経産省
医療従事者の新型コロナ感染、必要性を認めた場合には積極的に検査実施を―厚労省
新型コロナ検査の保険適用に関し、体外診断用医薬品や検査キット等の考えをさらに明確化―厚労省
新型コロナ感染防止のための電話等用いた診療、「情報通信機器を用いる医学管理料」算定の考え明確化―厚労省
新型コロナウイルス検査の保険適用踏まえ、検査キット等の考えをさらに明確化―厚労省
各都道府県で「新型コロナウイルス感染症患者を重点的に受け入れる医療機関」設定など早急に進めよ―厚労省

各都道府県に「新型コロナ感染患者の診療拠点となる公立・公的病院」を設置せよ―四病協
新型コロナ対策の臨時特例的なオンライン診療の拡大、診療報酬上も「柔軟な対応」を認める―厚労省
新型コロナ感染避けるため、慢性疾患患者の「予測される症状変化に対する医薬品」処方を電話等で可能に―厚労省

新型コロナウイルス検査の保険適用を踏まえ、検査キット等を明確化―厚労省
新型コロナ感染防ぐため、在宅自己注射する患者等への「電話等での指導や衛生材料等支給」認める―厚労省
新型コロナ感染予防のため全医療機関外来で標準予防策を講じ、新型コロナ患者診療では必要な装備着用を―厚労省
新型コロナ感染防止のため、「オンライン診療・医薬品処方が可能な範囲」を特例的・臨時的に拡大―オンライン診療指針見直し検討会

公立・公的病院等の再編・統合に向けた再検証、新型コロナ受け事実上の期限延長―厚労省
新型コロナウイルス検査の保険適用を踏まえ、診療報酬の疑義解釈を提示―厚労省
新型コロナ、疫学的関連性が把握できない程度の感染拡大から「概ね3か月後」に患者数ピーク―厚労省
新型コロナ感染疑い患者、院内で移動型エックス線装置を用いたエックス線撮影を認める―厚労省
新型コロナウイルス検出のためのPCR検査、3月6日から保険適用―厚労省
新型ウイルス対策、WAMの資金貸付の強化や診療報酬等の柔軟対応の周知徹底を―日病・相澤会長
新型コロナ対応、緊急開設医療機関で「届け出月からの基本診療料算定」、大病院で「電話での外来診療料算定」可能―厚労省
新型コロナ患者増加状況踏まえ、一般医療機関での外来診療、一般病院の一般病床での入院医療を段階的に進める―厚労省
新型コロナ感染対策のための電話等による診療や薬剤処方、【電話等再診料】や【処方箋料】を算定―厚労省
基礎疾患持つ患者の新型コロナ感染避けるため、電話等による診療・処方、処方箋のFAX送信ルール明確化―厚労省
公立病院における新型コロナ感染症への医療提供体制の充実を要請―高市総務相
「互いに手を伸ばせば届く距離で、多くの人が会話等で一定時間以上続く」環境が新型コロナ感染リスクを高める―厚労省専門家会議
新型ウイルス感染拡大防止に向け、イベント開催の必要性検討、「社員等が休みやすい環境」整備を―加藤厚労相
新型コロナウイルス感染に関する相談者・受診者増に対応するため、相談センターや特別外来の体制等充実を
新型コロナウイルス患者等の受け入れ等で診療報酬の施設基準等満たさずとも、当面は変更届け出等は不要―厚労省
37.5度以上の発熱があり入院が必要な肺炎が疑われる患者、新型コロナウイルス検査の実施を―厚労省
37.5度以上発熱が4日以上続く、倦怠感や呼吸困難がある場合は「帰国者・接触者相談センター」に相談を―厚労省
新型コロナウイル患者の入院医療費は「公費負担」とするなど、治療体制を急ぎ整える―首相官邸
新型コロナウイルス関連での外出自粛患者への診療、往診料や訪問診療料の算定可能―厚生労働省
新型コロナウイルス患者、緊急やむを得ない場合には「感染症病床以外の病床」への搬送・入院も可能―厚労省
新型コロナウイルスの感染疑い例診察する特別外来を設置、相談センターから紹介―厚労省
中国武漢市滞在歴のない「新型コロナウイルスの感染患者」、本邦で初確認―厚労省
本邦でも新型コロナウイルスの感染患者、中国武漢市の滞在歴―厚労省
SARS、MERSと異なる病原体不明肺炎が中国で発生―厚労省



新型コロナ対策、まずPCR検査の拡充を進めるべきではないか―日病・相澤会長



新型コロナで診療縮小等となる医療機関等への優遇貸付拡充、病院では当初5年「1億円まで無利子」で長期運転資金を融資―厚労省・WAM
新型コロナにより事業縮小や閉鎖を余儀なくされる病院や老健施設に資金融資―福祉医療機構



DPC対象病院、「医療の質向上」と「経営の質向上」とを両立―中医協総会