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難病患者など「公費負担医療」の受給者証、新型コロナ感染防止等のため有効期間1年延長―厚労省

2020.5.8.(金)

難病患者など公費負担医療の受給者やその家族が新型コロナウイルスに感染することを防止するために、2020年3月1日から2021年2月28日までに受給者証等の有効期間が満了する場合には、受給者証等の「有効期間を1年延長」することとし、現在の受給者証等をそのまま使用できる取り扱いとする―。

厚生労働省は4月30日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた公費負担医療等の取扱いについて」を示し、こうした点を明確にしています(厚労省のサイトはこちら)。

有効期間の記載を変更せず、引き続き利用可能とする

新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう中で、安倍晋三内閣総理大臣は緊急事態宣言を5月末まで延長することを決定。「感染拡大の防止」と「医療提供体制の確保」が極めて重要となっています。

ところで難病患者など基礎疾患に罹患している患者では、新型コロナウイルスに感染した場合には重症化のリスクが高いとされています。一方で、難病患者など公費負担医療の受給者や家族等が、受給者証の更新などのために役場に出向かえば、感染のリスクが高まってしまいます(役場担当者の感染リスクも高まる)。

こうした点を考慮し、厚労省は次のように「公費負担医療等の受給者証の有効期間を1年間延長する」考えを明らかにしています。有効期間が延長された受給者証等は、引き続きの使用が可能となることから、医療機関ではこの点にも留意することが必要です(都道府県等では医療現場への周知が必要)。

【公費負担医療等における受給者証等の有効期間延長】
▽戦傷病者特別援護法に基づく療養の給付等
→現に療養券の交付を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに療養券の有効期間が満了する対象者では、「療養券の有効期間を1年延長」する

▽毒ガス障害者救済対策事業
→現に「特別手当」「医療手当」「健康管理手当」「保健手当」の支給を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに認定期間が満了する対象者では、「認定期間を1年延長」する
→現に「介護手当」の支給を受けている者では、2020年3月1日から2021年2月28日までの期間、診断書の添付を省略できる

▽被爆体験者精神影響等調査研究事業
→現に受給者証の交付を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに受給者証の有効期間が満了する対象者では、「受給者証の有効期間を1年延長」する
→現に受給者証の交付を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに実施する受給者証の検認において、「受診勧奨を行った日から受給者証の返還等を求めるまでの期間を1年以内に延長」する

▽肝炎治療特別促進事業
→現に受給者証の交付を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに受給者証の有効期間が満了する対象者では、「受給者証の有効期間を1年延長」する

▽肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業
→現に参加者証の交付を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに参加者証の有効期間が満了する対象者では、「参加者証の有効期間を1年延長」する

▽先天性血液凝固因子障害等治療研究事業
→現に受給者証の交付を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに受給者証の有効期間が満了する対象者では、「受給者証の有効期間を1年延長」する

▽在宅人工呼吸器使用患者支援事業
→現に対象患者の決定を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに決定の有効期間が満了する対象者では、「決定の有効期間を1年延長」する

▽特定疾患治療研究事業
→現に医療受給者証の交付を受けており、2020年3月1日から2021年2月28日までに支給認定の有効期間が満了する対象者では、「医療受給者証の有効期間を1年(有効期間が6か月のものは、延長期間も6か月)延長」する



なお、「受給者証等の記載内容の変更」について、▼医療機関等の混乱を防ぐため「有効期間」の記載は変更しない▼変更申請等の手続は郵送によるなどの配慮を行う―ことが求められます。



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