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新型コロナ感染防止のため医療法上の特例、妊娠中の医師・看護師等の休暇取得推進を―厚労省

2020.5.8.（金）

妊娠中の医師、看護師等が新型コロナウイルス感染防止のために休暇を取得する場合には、当該医師、看護師等を医療法上の「医師、看護師等の数の算定」に加えてよい（勤務しているものと扱ってよい）こととする。重症化のリスクが高いため、妊娠中の医師、看護師等について休暇取得等を推進してほしい―。

厚生労働省は5月7日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた妊娠中の医師、看護師等への配慮について」を示し、こうした点を求めました（厚労省のサイトはこちら）。

妊婦の新型コロナウイルス感染、重症化のリスク高い

新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう中で、安倍晋三内閣総理大臣は緊急事態宣言を5月末まで延長することを決定。「感染拡大の防止」と「医療提供体制の確保」が重要となり、全国の医療従事者による懸命な努力が続けられています。

ところで、妊婦においては▼肺炎が重症化する恐れがある▼新型コロナウイルスの治療薬である「レムデシビル」に関して除外基準に組み入れられている（つまり妊婦には投与すべきでないとされている）―など、新型コロナウイルスに感染した場合には、「重症化のリスクが高い」状況にあると言えます。このため、妊娠中の女性労働者が新型コロナウイルスに感染しないよう、事業者には「休みやすい環境の整備」「テレワーク（在宅勤務）」「時差通勤」などの措置を積極的にとることが強く求められます。

この点、医師や看護師など医療従事者の中にも「妊娠中の方」がおられ、極めてハイリスクな状況（新型コロナウイルスに感染しやすく、感染した場合には重症化しやすい状況）に置かれていると言えます。

このため厚労省は、「妊娠中の医師、看護師等が新型コロナウイルスに感染することを防止するために、休暇を取得させることなどの配慮」を医療現場に強く依頼しています。

ただし、医療法においては、例えば一般病床では「医師16対1以上、看護職員3対1以上」などの人員配置基準が定められており、妊娠中の医師・看護師等が休職した場合、この基準を満たせなくなる（標欠医療機関、人員配置基準を大きく下回る場合には診療報酬の減額も行われる）可能性があります。この点への対応がなければ「休業などが進まない」おそれもあるでしょう。

そこで厚労省は今般の事務連絡において、次のような点を示し、医療現場での「休暇取得」推進を依頼しています。

【代替要員の確保】
▽看護職員の休みやすい環境整備の一環として、ナースセンター事業における「潜在看護職員等の届出情報を活用した都道府県ナースセンターによる復職支援による取り組み」を活用し、代替要員を確保することを検討する
▽女性医師等の就業支援の一環として「日本医師会女性医師バンク」を活用して代替要員を確保することを検討する

【人員配置基準】
妊娠中の医師、看護師等が新型コロナウイルス感染防止のために休暇を取得する場合等について、当該休暇を取得した医師、看護師等を「医師、看護師等の数の算定」に加える取り扱いとして良い（つまり、勤務していると特例的に扱うこととし、この場合には標欠医療機関とならない）