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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

新型コロナ対策で、潜在看護職700名が医療・介護現場に復職―日看協

2020.5.26.(火)

新型コロナウイルス感染症の影響により全国の医療機関等で「医療従事者の確保」が急務となっている中、看護職については潜在看護職2687名からの復職希望があり、うち696名が復職した―。

日本看護協会は5月22日に、こういった状況(5月18日時点)を明らかにしました(日看協のサイトはこちら)。

新型コロナ対策で医療・介護現場は極めて多忙に、潜在看護職の復職に期待集まる

中華人民共和国武漢市で発生したとみられる新型コロナウイルスが本邦でも猛威を振るっています。安倍晋三内閣総理大臣は5月14日に、▼北海道▼東京都▼神奈川県▼千葉県▼埼玉県▼大阪府▼京都府▼兵庫県―の8都道府県を除く39県において緊急事態宣言を解き、さらに25日には首都圏を含めて全面解除を行いました。ただし、第2波、第3波の到来も危惧されており、依然として感染防止対策の徹底と、医療提供体制の確保が重要となります。

医療提供体制の確保に関しては、2月25日の「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」にある、▼患者数増等を見据え、医療機関における病床や人工呼吸器等の確保を進める▼患者数が大幅に増えた状況では、一般医療機関の外来で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じた上で、新型コロナウイルス感染疑い患者を受け入れる▼高齢者や基礎疾患を有する者では、重症化しやすいことを念頭におき、より早期・適切な受診につなげる▼風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、「電話による診療等により処方箋を発行する」など、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築する―などの考え方を、順次具体化してきています。

ただしそこで最も重要となるのが「医療従事者の確保」です。例えば新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる重点医療機関等では、高度かつ濃密な医療提供のために多くの人材が必要となり、関連医療機関等からの「応援」が行われます。当然、応援を行った医療機関では人材が手薄になってしまいます。

日本看護協会では、こうした点を早期から見通し、安倍首相による緊急事態宣言(4月7日)の翌日(4月8日)に「eナースセンター求職登録者・届出制度」に登録している約5万人の看護職に復職依頼メールを送信。結果、5月18日までに2687名の求職者が、1119名分の求人があり、施設・病院などに紹介した 1236名のうち696名が実際に就業した(求人充足率62.2%)ことが明らかになりました。

都道府県ナースセンターでは、▼復職希望者の経験などを確認した丁寧かつ迅速なマッチング▼就業前の、感染管理認定看護師による感染管理の講義・実習などの研修の研修実施―などの支援を行っています。

日看協では▼福井県▼大阪府▼愛媛県▼広島県―の取り組みも紹介。例えば福井県では、県立病院において、新型コロナウイルス感染患者に対応する病棟に看護師を重点配置。その結果、他病棟の看護配置が手薄となり、担当者の業務負担が過重になってしまいました。そこで、県ナースセンターが、離職期間が比較的短い潜在看護職(定年退職した看護師も含む)に電話やメールで復職を依頼し、県立病院で応募者を非常勤職員として雇用し。病棟においてクラスター発生防止のために重要な役割を担っているといいます。



なお、医療人材確保については、厚労省の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業などによるサポートも行われています(関連記事はこちらこちらと)。



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