新型コロナのPCR検査(核酸検査)、新たな検査手法を順次保険適用―厚労省
2020.7.3.(金)
新型コロナウイルス感染症にかかる緊急事態宣言は全都道府県で解除されていますが、東京都では1日の新規患者数が再び100名を超えるなどの事態が生じており、第2波・第3波への備え(感染拡大防止、医療提供体制確保など)が依然として重要です。
前者の感染拡大防止のためには、いわゆる「3つの密(密閉、密集、密接)を避ける」ことを柱とする新たな生活様式への転換が求められています。複数人で飲食をともにする場合にはマスクを外す(唾液が飛ぶ)こととなり、アルコールが入れば、どうしても声高となり、感染のリスクが増加します。今一度、自身の生活様式の確認・見直しを行う必要がありそうです。
後者の医療提供体制に関しては、「感染者の鑑別」や「重症者への入院医療体制確保」などが引き続き重要です。各地域で「即座に感染患者を受け入れられる病床」(即応病床)、「通常は一般患者の受け入れを行い、都道府県の要請を受けて感染患者を受け入れ準備に取り組む病床」(準備病床)、「重症化リスクの引く軽症患者を受け入れる宿泊療養施設」などを重症度別に整備していく方針が示されており、感染患者の増加状況をにらんだ早急な対応が求められます(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
また新型コロナウイルス感染者の鑑別に関しては、3月6日に「PCR検査」(核酸検査)が、5月13日に「抗原検査」が保険適用されています。
これまでに、例えば次のような対応が順次図られ、検査体制の充実が進められてきました。
▽検査に係る医療機関のコスト増に配慮し、▼検査点数が包括されるDPC病院・特定機能病院においても検査費用(検査実施料・検査判断料の診療報酬点数)を出来高請求可能とする(関連記事はこちらとこちら)▼検査点数料が包括される療養病棟や地域包括ケア病棟、IUCなどのユニットや、地域包括診療料(外来)などでも検査費用を出来高請求可能とする(関連記事はこちらとこちら)―
▽PCR検査(核酸検査)について、▼医師の判断で無症状患者にも実施できる▼発症9日までは発症唾液を検体とした検査が実施できる—こととする
▽抗原検査に関して、▼検査キットの充実によって全国の医療機関等での実施を可能とする▼最新研究を踏まえて発症後2-9日の患者では「陰性の確定診断」を可能とする―
▽6月25日に保険適用された抗原定量検査は「退院可能性の判断」などにも使用可能とする―
このうちPCR検査(核酸検査)については、新たな検査手法が開発される都度に、順次、保険適用(明確化)が行われてきています。今般、厚労省は7月2日に事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その21)」を提示。そこでは、新型コロナウイルスのPCR検査「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出」の実施に関して、「体外診断用医薬品のうち、使用目的・効果としてSARS-CoV-2の検出(新型コロナウイルス(COVID-19)の診断または診断の補助)を目的として薬事承認・認証を得ているもの」として、7月2日付で薬事承認された「「ジーンキューブ SARS-CoV-2」が、同日(7月2日)から保険適用されていることを明確にしています(厚労省のサイトはこちら)。
2020年度診療報酬改定の疑義解釈(その19)、疑義解釈(その18)、疑義解釈(その17)、疑義解釈(その16)、疑義解釈(その14)、疑義解釈(その13)、疑義解釈(その11)、疑義解釈(その10)、疑義解釈(その9)、疑義解釈(その8)、疑義解釈(その7)、疑義解釈(その6)、疑義解釈(その4)、疑義解釈(その3)、疑義解釈(その2)、2018年度診療報酬改定の疑義解釈(その25)、疑義解釈(その24)、疑義解釈(その23)、疑義解釈(その22)、疑義解釈(その21)と合わせてご確認ください。
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