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加齢に伴い「糖ヌクレオチド量変化→がん等の発症にも関与する『糖鎖』量変化」、加齢関連疾患予防に期待—都健康長寿医療センター研究所

2024.5.22.(水)

加齢に伴って「糖ヌクレオチドの量に変化が生じる」→「がんや認知症などの発症にも関与する『糖鎖』の量に変化が生じる」可能性がある—。

今後、糖ヌクレオチドの変化を『元に戻す』方法の開発により、「加齢に伴う臓器の機能低下や加齢関連疾患の予防」につなげられる可能性がある—。

東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)らの研究グループが5月17日にプレスリリース「加齢マウス臓器では糖鎖合成の材料である『糖ヌクレオチド』の量が変化する」を公表し、こうした点を明らかにしました(研究所のサイトはこちら)。

今後の研究により「加齢関連疾患の予防法」開発にも期待

「糖鎖」はタンパク質などの機能や安定性を制御する重要な修飾因子で、「糖鎖」の変化ががんや認知症など様々な疾患の発症に関与することが知られています。糖鎖は約12種類の糖で作られており、その原料としてそれぞれの糖に対応する「糖ヌクレオチド」が利用されます。

糖鎖の合成反応



糖ヌクレオチドの産生には、糖やアミノ酸、脂質、核酸などの代謝と密接に関連しており、「食事や運動、疾患、加齢などの様々な環境の変化により、糖ヌクレオチドの産生量や量比も変化する」可能性が指摘されています。

糖ヌクレオチドの合成経路



今般、研究所の研究チームは、新しい糖ヌクレオチド分析手法を用いて「若いマウス」(7か月齢)と「老齢のマウス」(26か月齢)とで、様々な臓器(脳、肝臓、心臓、骨格筋、腎臓、肺、大腸)における糖ヌクレオチドの量を測定。そこから次のような状況が明らかになりました。

▽臓器によって糖ヌクレオチドの組成や量が異なる
→例えば▼腎臓では「UDP-グルクロン酸」という糖ヌクレオチドが多い▼脳では「UDP-グルコース」という糖ヌクレオチドが多い—などの特徴がある

こうした臓器間の糖ヌクレオチド量の違いは「臓器ごとに必要な糖鎖の種類や量が異なる」ことを反映していると研究チームは分析しています。



さらに、若いマウス」(7か月齢)と「老齢のマウス」(26か月齢)とで、各臓器の糖ヌクレオチド量にどのような変化が生じているのかを分析。そこから次のような状況が明らかになりました。

▽加齢に伴って各臓器に特徴的な糖ヌクレオチド量変化が起きている
→特に▼腎臓では「UDP-グルクロン酸」という糖ヌクレオチドが顕著に減少している▼脳では「UDP-グルコース」や「UDP-N-アセチルガラクトサミン」など、いくつかの糖ヌクレオチドが減少する—傾向が明らかになった

マウス増における糖ヌクレオチド量の変化



このように、「加齢に伴って、様々な臓器で糖ヌクレオチド量の変化が起きている」ことが明らかになりました。

これまでに「加齢に伴って糖鎖が変化する」ことも分かっていますが、その原因の1つが「糖ヌクレオチドの変化」とも考えられます。例えば、「UDP-グルクロン酸」という糖ヌクレオチドは、細胞外マトリックスの構成成分となる「グリコサミノグリカン」という糖鎖の合成に使われます。これまでに「腎臓で、加齢に伴って『グリコサミノグリカン』という糖鎖の一種が減少する」ことが報告されていますが、上記研究結果の「加齢にともなって、腎臓における『UDP-グルクロン酸』という糖ヌクレオチドが減少する」ことが、その原因である可能性が考えられます。

研究チームでは、「今後、糖ヌクレオチドの変化を『元に戻す』方法を開発することで、加齢に伴う臓器の機能低下や加齢関連疾患の予防につながる」、「今回変化することが分かった糖ヌクレオチドに着目して糖鎖を調べることで、未知の糖鎖変化が明らかになり、老化に関わる糖鎖の役割の理解が広がる」と期待しています。



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