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2018年度、診療報酬のマイナス改定を要請—中医協・支払側委員

2017.11.22.(水)

 2018年度の次期診療報酬改定では、国民皆保険制度の維持、国民負担の抑制、経済の成長などを勘案してマイナス改定とすべき—。

 中央社会保険医療協議会の支払側委員は11月22日に、加藤勝信厚生労働大臣に宛ててこのような要請(平成30年度診療報酬改定に関する要請)を行いました。年末にかけて、改定率を巡る議論がますます熱くなっていきます。

11月22日に記者会見を行った、中医協の支払側委員。向かって左から、宮近清文委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会部会長代理)、平川則男委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)、吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)、松浦満晴委員(全日本海員組合組合長代行)

11月22日に記者会見を行った、中医協の支払側委員。向かって左から、宮近清文委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会部会長代理)、平川則男委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)、吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)、松浦満晴委員(全日本海員組合組合長代行)

診療報酬本体のマイナス改定を求めるかについては、支払側内部で意見割れる

要請を行ったのは、▼健康保険組合連合会▼国民健康保険中央会▼全国健康保険協会▼全日本海員組合▼日本経済団体連合会▼日本労働組合総連合会—の6団体です。

「医療費を含めた社会保障費の増大は経済成長の足枷となる」「医療費増に対し、現役世代人口が減少するため国民皆保険制度の崩壊につながりかねない」「賃金・物価水準が上昇しない一方で診療報酬本体はプラス改定が続き、ギャップが大きい」ことを指摘し、国民負担を抑制するために「2018年度には診療報酬をマイナス改定すべき」と6団体は要請しています。

ただし「マイナス改定」が、薬価などを含めた「ネットのマイナス改定」にとどめるのか、「診療報酬本体のマイナス改定」をも求めるものなのかについて、支払側の意見は統一されていません。

会見を行った、健保連の幸野庄司理事(中医協委員)は「診療報酬本体のマイナス改定を求めたい」旨を明言。一方、連合・総合政策局の平川則男局長(中医協委員)は「かつての診療報酬本体マイナス改定で地域医療崩壊という事態を招いた。医療提供体制への影響を慎重に見極める必要がある」と述べ、診療報酬本体のマイナス改定には慎重姿勢をとっています。また、全国健康保険協会の吉森俊和理事(中医協委員)は、「保険者としては診療報酬本体のマイナス改定も必要と思うが、一方で、医療機関で働く人の待遇という問題もあり、一歩踏み込んで『診療報酬本体もマイナス改定』と言い切ることは難しい」と、両者の中間的な意見を述べるにとどめています。

 このほか6団体は、▼医療・介護連携、効率化を主眼に、「地域包括ケアシステムの構築」と「医療機能の分化・強化」を推進する▼急性期をはじめとする患者の状態像に応じた適切な評価を推進する▼患者本位の医薬分業に向けて調剤報酬を適正化する▼後発品の使用を促進する—ことで医療費の適正化・効率化を図るよう求めています。

 
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