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2020 診療報酬改定セミナー2020【東京】 診療報酬改定セミナー2020【東京】

一般病棟の重症患者割合30%以上の現行基準を維持せよ、35%以上などあり得ない―日病協

2020.1.21.(火)

急性期一般病棟における重症患者割合(一般病棟用の重症度、医療・看護必要度を満たす患者割合)の見直し論議が行われているが、試算結果を踏まえれば現行基準(急性期一般1・看護必要度Iでは30%以上)の維持でよく、支払側の言う「35%以上」などはあり得ない―。

日本病院会や全日本病院協会など15の病院団体で構成される「日本病院団体協議会」の代表者会議が1月17日に開催され、こうした考えで一致していることが長瀬輝諠議長(日本精神科病院協会副会長)と相澤孝夫副議長(日本病院会会長)から報告されました。

1月17日の日本病院団体協議会・代表者会議後に記者会見に臨んだ、長瀬輝諠議長(日本精神科病院協会副会長、向かって右)と相澤孝夫副議長(日本病院会会長、向かって左)

看護必要度の項目見直しを踏まえて、重症患者割合の変化を試算

2020年度の次期診療報酬改定に向けた議論がまさに佳境を迎えており、1月15日の中央社会保険医療協議会・総会では「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)見直しに関する試算結果が示されました。

詳細は別稿でお伝え済ですが、例えば▼C項目について、入院実施割合が90%以上・2万点以上の手術等を追加し、評価対象日数を延長する▼「『A1点以上・B3点以上』で、『診療・療養上の指示が通じる』『危険行動』のいずれかに該当する患者」(いわゆる基準2)を廃止する▼救急医療管理加算等の算定患者(加算1・2、夜間休⽇救急搬送医学管理料)を重症患者に含める―といった見直しを行った際に、現在の各病院の重症患者割合(看護必要度を満たす患者の割合)がどう変化するかを見たものです。

そこでは、下位25パーセンタイルの値が次のように変化することが分かりました。

▽急性期一般1(旧7対1)・看護必要度I(評価票を用いる)を採用
【現行】:33.5%

【浮上している全見直しを実施した場合】:30.3%(現行から3.2ポイント低下)

▽急性期一般1(旧7対1)・看護必要度II(EF統合ファイルを用いる)を採用
【現行】:29.9%

【浮上している全見直しを実施した場合】:29.7%(現行から0.2ポイント低下)

▽急性期一般4(旧10対1+加算)・看護必要度I(評価票を用いる)を採用
【現行】:31.2%

【浮上している全見直しを実施した場合】:22.9%(現行から8.3ポイント低下)

▽急性期一般4(旧10対1+加算)・看護必要度II(EF統合ファイルを用いる)を採用
【現行】:25.3%

【浮上している全見直しを実施した場合】:23.1%(現行から2.2ポイント低下)

急性期一般1・急性期一般4の重症患者割合の変化試算(中医協総会(1)3 200115)



2018年度の前回診療報酬改定では、急性期一般1・看護必要度Iの重症患者割合が「30%以上」に設定され、これは結果的に「下位25パーセンタイル値(29.8%)に相当する」ものとなりました。見直し後の「下位25パーセンタイル値は30.3%」となっていることを踏まえ、日病協代表者会議では「現行通りの基準値で良いのではないか」との点で意見が一致したことが相澤孝夫副議長(日本病院会会長)から報告されました。



また、1月15日の中医協総会では、支払側委員から「35%程度に引き上げよ」との提案がなされています。上述のとおり2018年度改定では結果的に「下位25パーセンタイル値」に基準値が設定され、これは計算上は「下位25%の病院は急性期一般1(旧7対1)からドロップアウトする」ことになるものです。しかし、実際にはほとんどの病院では旧7対1を維持しており、支払側は「下位25パーセンタイル値を基準値にしたのでは、緩すぎる」と考えているのです。

2018年度改定では、結果として下位25パーセンタイル値が重症患者割合の基準値となった(中医協総会(1)6 200115)



この点について日病協代表者会議では「そのような基準値を設定できるわけがない」との反対意見でも一致しています。仮に35%に設定すれば、計算上は「7割程度の病院がドロップアウトする」ことになり、大きな混乱をもたらすと想定されるためです。

今後の中医協論議で、重症患者割合をどの程度に設定するのかが詰められていきます。



なお、全世代型社会保障検討会議の中間報告で「大病院における「紹介状なし外来受診患者」に対する特別負担の金額について、現在の初診時5000円・再診時2500円を増額するとともに、徴収義務対象を『200床以上の一般病院』に拡大し、外来医療の機能分化を促す」方向が示されたが、これに対し日病協代表者会議では「大病院の定義も含めてきちんと夏までかけて議論する必要がある。拙速に決めることではない」との見解で一致したことが長瀬輝諠議長(日本精神科病院協会副会長)と相澤副議長から報告されています。

1月20日に開催された社会保障審議会・医療部会でも、このテーマについて議論を行い、▼医療部会で、ベースとなる「外来医療の機能分化」「かかりつけ医機能の推進」に関する議論を行う▼医療保険部会や中央社会保険医療協議会で「対象病院」や「金額」「医療保険の負担を軽減する仕組み」などを議論する―という2つのレールで並行して制度設計論議をしていくことが厚生労働省医政局の吉田学局長から示されました。

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中医協・基本小委、支払側が「看護必要度や地域包括ケア病棟などの厳格化」を強く要望
2020年度診療報酬改定に向け、「看護必要度」「地域包括ケア病棟」などの課題を整理―入院医療分科会
ICU、看護必要度とSOFAスコアを組み合わせた「新たな患者評価指標」を検討せよ―入院医療分科会(2)
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総合入院体制加算、地域医療構想の実現や病床機能分化を阻害していないか?―入院医療分科会(3)
救命救急1・3は救命救急2・4と患者像が全く異なる、看護必要度評価をどう考えるべきか―入院医療分科会(2)
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【短期滞在手術等基本料3】、下肢静脈瘤手術などは外来実施が相当数を占める―入院医療分科会(4)
診療データ提出を小規模病院にも義務化し、急性期病棟にも要介護情報等提出を求めてはどうか―入院医療分科会(3)
資源投入量が少なく・在院日数も短いDPC病院、DPC制度を歪めている可能性―入院医療分科会(2)
看護必要度の「A1・B3のみ」等、急性期入院医療の評価指標として妥当か―入院医療分科会(1)
回復期リハ病棟でのFIM評価、療養病棟での中心静脈栄養実施、適切に行われているか検証を―入院医療分科会(2)
入院で実施されていない「免疫抑制剤の内服」「膀胱脱手術」など、看護必要度の評価対象から除くべきか―入院医療分科会(1)
回復期リハビリ病棟から退棟後の医療提供、どのように評価し推進すべきか―入院医療分科会(3)
地域包括ケア病棟の実績評価要件、在宅医療提供の内容に大きな偏り―入院医療分科会(2)
点数が「DPC<地域包括ケア」時点にDPC病棟からの転棟が集中、健全なのか―入院医療分科会(1)
療養病棟に入院する医療区分3の患者、退院患者の8割弱が「死亡」退院―入院医療分科会(2)
入退院支援加算1の「病棟への入退院支援スタッフ配置」要件、緩和すべきか―入院医療分科会(1)
介護医療院の整備など進め、患者・家族の「退院後の介護不安」解消を図るべき―入院医療分科会(2)
急性期一般1では小規模病院ほど認知症入院患者が多いが、看護必要度への影響は―入院医療分科会(1)
看護必要度IとIIとで重症患者割合に大きな乖離、要因を詳しく分析せよ―中医協・基本小委
自院の急性期患者の転棟先として、地域包括ケア病棟を選択することは「問題」なのか―入院医療分科会(2)
7対1から急性期2・3への移行は3%強にとどまる、看護必要度IIの採用は2割弱―入院医療分科会(1)
2020年度改定、入院医療では「救急」や「認知症対策」なども重要論点に—入院医療分科会(2)
DPC対象病院の要件を見直すべきか、入院日数やDPC病床割合などに着目して検討―入院医療分科会(1)
2018年度改定で新設された【急性期一般入院料1】を選択する理由はどこにあるのか―入院医療分科会
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