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新型コロナ対策、人工呼吸器のAC電源接続を常に確認、人工鼻と加温加湿器・ネブライザの併用は禁忌―PMDA

2020.4.21.(火)

新型コロナウイルスの患者増に伴い、人工呼吸器での呼吸管理が必要なケースも増加する―。

その際には、▼AC電源供給をインジケータ表示で常に確認する▼低圧アラーム等が鳴った場合には「回路からのガス漏れ」を疑う▼「人工鼻」と「加温加湿器・ネブライザ」等とは併用禁忌である▼加温加湿によるヒヤリ・ハット事例が散発している―といった点に改めて留意してほしい―。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は4月17日に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う「PMDA医療安全情報 臨時号No.1(人工呼吸器等)」を公表。人工呼吸器等の使用に係る医療事故等の発生防止を呼び掛けています(PMDAのサイトはこちら)。

人工呼吸器、加温加湿器によるヒヤリ・ハット事例」が散発している点にも留意を

新型コロナウイルスの猛威はとどまるところを知らず、我が国でも感染患者が急増しています。安倍晋三内閣総理大臣は、感染拡大を防止し、医療提供体制を確保するために4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項に基づいて緊急事態宣言を行うとともに、「緊急経済対策」を閣議決定。さらに4月16日には緊急事態宣言の対象を、従前の7都県(▼埼玉県▼千葉県▼東京都▼神奈川県▼大阪府▼兵庫県▼福岡県―)から、全国に拡大しています。

そうした中で医薬品医療機器総合機構(PMDA)では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う「PMDA医療安全情報 臨時号」を順次公表しています。4月17日に公表した「臨時号 No.1」では、重症患者の呼吸管理に必須となる人工呼吸器等の取り扱いに関する以下4つの注意事項を整理し、医療安全の確保を呼びかけています。

(1)使用中の電源に関する注意点
(2)低圧アラーム発生時の留意点
(3)人工鼻と加温加湿器の併用禁忌
(4)繰り返し報告されている加温加湿器の事例



まず(1)「使用中の電源に関する注意点」としては、人工呼吸器を使用中には「電源プラグがコンセントに接続され、AC電源が供給されていることをインジケータなどの表示で常に確認する」ことを求めています。

人工呼吸器の電源プラグがコンセントから外れた場合、内臓バッテリによる駆動に切り替わります。その際、バッテリの充電が切れれば「換気停止」となり、大変危険であるとPMDAは訴えています。

人工呼吸器使用時は、常にAC電源供給の確認を(PMDA医療安全 臨時情報1の1 200417)



また(2)では、▼回路の破損▼回路の接続不良▼気管切開チューブ等のカフ圧不足―などによって低圧・低換気が生じることがある点への留意を求めています。低圧アラームや低換気アラームが鳴った際には「回路からのガス漏れ」を疑い、▼不確実な接続▼誤接続▼蛇管の亀裂やチャンバの破損―などがないかを注意深く確認することが必要です。

低圧アラーム等が鳴った場合には、不確実接続などによるガス漏れを疑う(PMDA医療安全 臨時情報1の2 200417)



PMDAでは、「とくにウォータートラップからのガスリーク(ガス漏れ)を見落としがちである」と指摘し、「ウォータートラップからの水抜き後、必ずカップが確実に接続されているかを確認する」よう求めています。

とりわけ「ウォーターカップからの水抜き後」に不確実な接続が生じがちである(PMDA医療安全 臨時情報1の3 200417)



一方、(3)では▼人工鼻と加温加湿器は併用しない▼人工鼻とネブライザは併用しない―ことを強く求めています(併用禁忌)。人工鼻と加温加湿器・ネブライザ等を併用した場合、「過度の吸湿により人工鼻が閉塞し、患者の換気が困難になる」危険があり、最大限の留意が必要です。

「人工鼻」と「加温加湿器・ネブライザ等」とは併用禁忌である(PMDA医療安全 臨時情報1の4 200417)



さらに(4)では、人工呼吸器に関連して「加温加湿器によるヒヤリ・ハット事例」などが数多く報告されていることを紹介。具体的には、▼温度プローブの外れ▼ヒーターワイヤの外れ▼給水忘れ▼電源の入れ忘れ―などが散発しており、例えば「複数の担当者でチェックする」「チェック表を各医療機関で準備し、指さし、声だしで確認する」ことなどの対策を考慮する必要があるでしょう。

人工呼吸器のヒヤリ・ハット事例として、加温加湿器に関連するものが多い(PMDA医療安全 臨時情報1の5 200417)



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