Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

安全・適正にオンライン診療・遠隔診療を推進している「実例」集の第2弾を厚労省が公表

2024.4.25.(木)

厚生労働省は4月19日に「オンライン診療その他の遠隔医療に関する事例集」(令和6年4月版)を公表しました(厚労省サイトはこちら)。

安全性・適正性を確保したうえでのオンライン診療・遠隔診療「推進」事例が整理されており、これらを各医療機関・自治体で参考にすることが期待されます。

安全性の確保、適正性の確保を前提として「オンライン診療等の遠隔医療」を推進

Gem Medでも報じているとおり、オンライン診療を含めた「遠隔医療」について、適正性を確保しながら推進を図っていくための基本方針策定論議が昨年(2023年)6月に公表されました。

基本方針

基本方針では、遠隔医療を次の2つに区分けし、それぞれについて安全性・適正性を確保したうえでの「推進」方針を示しています(関連記事はこちら)。
(1)オンライン診療等(医師と患者間での遠隔医療)
(2)医師等医療従事者間での遠隔医療

あわせて厚労省は、安全性・適正性を確保したうえで実施されているオンライン診療等の事例集も公表。オンライン診療に取り組む医療機関が「どのような形態のオンライン診療を行っているのか」「どのようなシステムを導入しているのか(費用面も含めて)」「どのような患者がオンライン診療を利用しているのか」「オンライン診療の課題は何か」「オンライン診療の効果はどのようなものか」などを整理しています。



さらに今般、新たな事例集を公表し、▼クリニック:10件▼病院:5件—において、オンライン診療の取り組み状況を共有しています。

病院事例を眺めてみると、▼小児診療においてオンライン診療を活用し「感染症への不安を軽減」しながら診療を継続する、医師事務作業補助者がオンライン診療診察室の開室・PC接続・患者への連絡などの調整を行い、医師の負担を軽減する(あいち小児保健医療総合センター:愛知県大府市)▼オンライン診療の実施に必要なアプリ等の設定を事務スタッフ等がサポートし、医師の負担を軽減する。定期的に患者アンケートを実施し、オンライン診療の効果を把握・評価する(織田病院:佐賀県鹿島市)▼時間外を含めた小児患者のトリアージを目的にオンライン診療を活用している(大分こども病院:大分県大分市)—などの取り組みが目を引きます。

またクリニック事例を眺めると、▼頭痛専門医が少なく、県内の遠方から通院していた患者の通院負担を軽減するためにオンライン診療を活用している(大林クリニック:栃木県宇都宮市)▼訪問診療・往診の患者に対して、訪問日程の合間にオンライン診療を実施し状況確認を行っている(なおこ皮膚科クリニック:東京都世田谷区)▼安全・安心にオンライン診療を実施するため、「通院歴のある再診の患者」を対象にオンライン診療を実施している(新中野皮膚科クリニック:東京都中野区)▼家庭内で子どもに生じる種々の事象の相談や、疑問・質問への対応にオンライン診療を活用している(かねここどもクリニック:愛知県北名古屋市)▼近隣の薬局とも連携し「離島も含めた遠方の患者」へもオンライン診療を活用して対応している(迫田晃郎クリニック:鹿児島県鹿児島市)—などの取り組みが目立ちます。



さらに、鳥取県の地域医療連携ネットワーク「おしどりネット」では、参加病院で診療情報(電子カルテ情報、画像情報など)を共有し、効果的かつ効率的な医療提供体制を構築していることも参考情報として掲載されています。

鳥取県の「おしどりネット」の概要



こうした事例も参考に、安全性・適正性を確保したうえで、オンライン診療や遠隔診療を推進していくことが期待されます。



診療報酬改定セミナー2024MW_GHC_logo

【関連記事】

オンライン初診では麻薬や抗がん剤、糖尿病薬などの処方不可、オンライン診療の情報を「過去の診療情報」と扱うことも不可—厚労省
「学校やデイサービス事業所」等でもオンライン診療を受けられるが、事業所自らオンライン診療を行う場合は診療所開設が必要—厚労省
無理筋な「オンライン診療の拡大」要請に社保審・医療部会委員が冷静に反論、医療提供の根幹は「安全」である
初診からの向精神薬処方など「不適切なオンライン診療」を是正、D to Pwith N・D to Pwith Dを適切に推進—中医協総会(2)
へき地等で医療アクセス確保のための「医師が常駐しないオンライン診療のための診療所」、詳細を明確化—厚労省
一部に「歪んだオンライン診療」、適切な形でのオンライン診療推進を目指せ!D to P with Nの量・質の拡充を―入院・外来医療分科会(4)
安全・適正にオンライン診療等を推進するための基本方針、対面診療との適切な組み合わせが重要—厚労省
患者・一般国民の多くはオンライン診療よりも対面診療を希望、かかりつけ医機能評価する診療報酬の取得は低調―入院・外来医療分科会(5)
オンライン診療「推進基本方針」を近く取りまとめ!都市部で「オンライン診療のためのクリニック」認めるか?—社保審・医療部会(1)
へき地等での医療確保に向け、「医師が常駐しないオンライン診療のための診療所」を特例的に認める—厚労省
オンライン診療指針を改訂!「得られる情報が少ない」点を強調するとともに、過重なセキュリティ対策規定を見直し!―厚労省
オンライン診療指針を改訂!「得られる情報が少ない」点を強調するとともに、過重なセキュリティ対策規定を見直し!―厚労省
糖尿病治療薬を「ダイエット薬」等として処方する不適切なオンライン診療が散見、指針を見直し、国民にも周知を—社保審・医療部会(2)
「かかりつけ医機能」持つ医療機関の情報を国民に分かりやすく提示し、地域で機能充実論議を進める—社保審・医療部会(1)

通所介護事業所等でオンライン診療を受けられないか、有料老人ホームの人員配置緩和ができないか―規制改革推進会議

オンライン診療指針を改正し「初診からのオンライン診療」を制度化、かかりつけの医師によることが原則―厚労省
オンライン診療前に医学的情報把握する「オンライン相談」、医師がリアルタイムで診療と別に実施を―オンライン診療指針見直し検討会
電話・オンライン診療のコロナ特例、実施件数は横ばいから微減で適正実施が進む―オンライン診療指針見直し検討会(2)
完全初診患者へのオンライン診療、どういった仕組みで安全性など担保し、費用負担はどうすべきか―オンライン診療指針見直し検討会(1)
オンライン初診の制度化に向けた大枠固める、2021年秋の指針改定に向けて詳細をさらに詰める―オンライン診療指針見直し検討会
診療情報提供等ない初診患者、「事前のオンライン相談等で情報把握」しオンライン診療可能とせよ―規制改革実施計画

オンライン初診が適さない症状などを整理、「問診と動画のみで診断確定できる疾患」はほぼない―日本医学会連合

電話・オンライン診療の件数横ばい、不適切処方を繰り返す医療機関と新規医療機関が混在—オンライン診療指針見直し検討会(2)
「オンライン初診」の前提となる医学的情報把握、「医師の裁量」認めるべきでは―オンライン診療指針見直し検討会(1)
電話・オンライン診療、不適切事例は一部あるが減少傾向、臨時特例措置を当面「継続」―オンライン診療指針見直し検討会
オンライン診療予約から受診までの数時間で重篤化する危険も、事前トリアージを実施しては―オンライン診療指針見直し検討会
完全初診でも、予防接種や健診で患者情報を把握できればオンライン初診を認めて良いか―オンライン診療指針見直し検討会
初診含めたオンライン診療の恒久化論議開始、「完全初診」除外せよとの意見多数―オンライン診療指針見直し検討会(1)
初診からのオンライン診療解禁方針をトップダウンで決定、ただし電話初診は認めず—厚労省
2020年度の医療機関立入検査、オンライン診療や電話等診療が適正に実施されているかを重視―厚労省
完全初診患者への電話等診療、「ハイリスク薬の投与禁止」「処方日数7日まで」等のルールを遵守せよ―厚労省
「電話での湿疹治療」や「発熱患者に対面受診勧奨をしない」など、電話・オンライン診療の拡大に課題も浮上―オンライン診療指針見直し検討会
新型コロナ対策、臨時特例的に電話等での初診を認め、214点に設定―厚労省
新型コロナ感染防止のため、臨時・特例的に「初診からのオンライン診療」認める―オンライン診療指針見直し検討会
新型コロナ感染防止のための電話等用いた診療、「情報通信機器を用いる医学管理料」算定の考え明確化―厚労省
新型コロナ対策の臨時特例的なオンライン診療の拡大、診療報酬上も「柔軟な対応」を認める―厚労省
新型コロナ感染避けるため、慢性疾患患者の「予測される症状変化に対する医薬品」処方を電話等で可能に―厚労省
新型コロナ感染防止のため、「オンライン診療・医薬品処方が可能な範囲」を特例的・臨時的に拡大―オンライン診療指針見直し検討会
新型コロナ感染対策のための電話等による診療や薬剤処方、【電話等再診料】や【処方箋料】を算定―厚労省
基礎疾患持つ患者の新型コロナ感染避けるため、電話等による診療・処方、処方箋のFAX送信ルール明確化―厚労省