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医療介護連携のための「総合確保方針」、都道府県と市町村の連携などを具体的に記載―医療介護総合確保促進会議

2016.11.15.(火)

 2018年度からの新たな医療計画と介護保険事業(支援)計画との整合性を図るため、都道府県と市町村の関係者などで「協議の場」を設置することや、在宅医療などのサービス必要量について整合性をとること、医療・介護連携の核となる人材を配置することなどを、総合確保方針に記載する―。

 14日に開かれた医療介護総合確保促進会議で、こういった方向性が確認されました(関連記事はこちら)。

 促進会議では年内に総合確保方針の改正案をまとめます。

11月14日に開催された、「第9回 医療介護総合確保促進会議」

11月14日に開催された、「第9回 医療介護総合確保促進会議」

都道府県と市町村で「協議の場」を設置し、医療・介護計画の整合性

 いわゆる団塊の世代(1947-49年生まれの人)がすべて75歳以上の後期高齢者となる2025年に向け、慢性期医療や介護のニーズが飛躍的に高まると予想されます。このため医療・介護連携の重要性がこれまで以上に高くなり、医療計画と介護保険事業(支援)計画の整合性確保が重要な課題となっています。

 厚生労働省は、両計画の上位指針となる「総合確保方針」についても、「より整合性を図る」視点に立った見直しが必要と考え、現在、促進会議で改正に向けた議論が進められています。14日の促進会議では、厚労省から具体的な改正案が提示されました。

 医療計画と介護保険事業支援計画は都道府県が、介護保険事業計画は市町村が作成するため、促進会議では「整合性を図るためには都道府県と市町村の担当者が協議することが必要」との意見が多数出されました。これを受け、厚労省保険局医療介護連携政策課の黒田秀郎課長は、総合確保方針の中に「関係者による協議の場」を設置し、医療計画・介護保険事業(支援)計画の作成に当たってより緊密な連携を図る体制を整備する考えを明示しています。

 「協議の場」には、専ら都道府県と市町村の担当者が集いますが、地域の実情に応じて、そこに地域の医療・介護関係者の参画も可能とするなどの柔軟性を確保することになりそうです。

 また計画の一体性・整合性をより強化するために、二次医療圏と老人福祉圏域を「可能な限り一致させる」ことも、総合確保方針に記載されます。ただし、厚労省の調べでは二次医療圏と老人福祉圏域が一致していない地域(5つの県で存在)でも、両者が包含関係にあることから、齟齬が生じることはなさそうです。

医療計画と介護保険事業(支援)計画との整合性を図るために、都道府県と市町村に「協議の場」の設置を求める

医療計画と介護保険事業(支援)計画との整合性を図るために、都道府県と市町村に「協議の場」の設置を求める

在宅医療と在宅介護の必要量、整合性を図ることが不可欠

 さらに、計画の整合性を確保するために、「サービス必要量(特に在宅医療など)の整合性を図る」という視点を、総合確保方針に明記してはどうかとの考えが、黒田医療介護連携政策課長から提案されています。「サービスの必要量」についても明確な考えを示し、その上で、前述の「協議の場」で連携を図るという、いわば二段構えの構造になっていると言えそうです。

 医療計画の一部にもなる地域医療構想では、療養病床に入院する医療区分1の患者の7割や、一般病床入院患者のうち資源投入量が175点未満の人などについて、積極的に在宅移行を進めることになっています。また、今後の医療・介護提供体制の目標となる地域包括ケアシステムは、要介護度が高くなっても、可能な限り住み慣れた地域で生活すること、つまり在宅介護を推進することとしています。このため、在宅医療提供体制と在宅介護提供体制を並行して充実していく必要があり、両者の整合性が極めて重要になってくるのです。

 なお、第7次医療計画の基本指針について議論する「医療計画の見直し等に関する検討会」や下部組織である「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」では、在宅医療と介護保険施設が相補関係にあり、介護保険施設などの整備状況が地域で異なることから「在宅医療の整備に向けた一律の計算式などは示さない」ことになっていますが(関連記事はこちら)、これは地域の実情を踏まえて柔軟性のある整備を可能とするもので、全くのフリーハンドを認めるものではない点に留意が必要です(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

予め、在宅医療の必要量と在宅介護の必要量について、整合性を図って推計できるようにしておくことが重要となる

予め、在宅医療の必要量と在宅介護の必要量について、整合性を図って推計できるようにしておくことが重要となる

 このように在宅医療・在宅介護との十分な連携を実効性のあるものとするために、黒田医療介護連携政策課長は、総合確保方針を次のように見直す考えも示しています。

▼都道府県が策定する医療計画と介護保険事業支援計画に、市町村が行う在宅医療・介護連携推進事業への都道府県の支援を盛り込む

▼市町村が単独では実施困難な事業や複数の市町村にまたがる調整について、都道府県が広域的な支援を行うことを盛り込む

在宅医療と在宅介護の連携を図る為、都道府県が市町村の支援を行うことが重要となる

在宅医療と在宅介護の連携を図る為、都道府県が市町村の支援を行うことが重要となる

▼行政(市町村)の役割に、2018年度から全市町村で行う在宅医療・介護連携推進事業の実施、在宅医療等に関する普及・啓発を明記する

▼サービス提供者など(サービス提供者と、医師会などの職能団体)の役割に、切れ目の無い医療・介護の連携の一般的な記載にとどまらず、具体的な場面(入退院支援、日常の療養支援、急変時の対応、看取りなど)に応じた医療関係者と介護関係者の連携、在宅医療等に関する普及・啓発を明記する

▼サービス利用者の役割に、在宅医療等への理解を深めてもらうことを明記する

サービス提供者や職能団体も、在宅医療・介護連携においてさらなる連携を図ることが期待される

サービス提供者や職能団体も、在宅医療・介護連携においてさらなる連携を図ることが期待される

 都道府県による市町村の支援は、介護保険制度改革を論議する社会保障審議会・介護保険部会でも議論されたテーマです(関連記事はこちら)。小規模の市町村ではマンパワー不足もあり、在宅医療・介護連携推進事業を十分に進められないことから、都道府県による支援が不可欠となります。この点について、荒井正吾構成員(奈良県知事)の代理として出席した林修一郎参考人(奈良県医療政策部長)は「都道府県の役割が重くなることを踏まえ、国よる都道府県への支援も充実してほしい」と要望しています。

 また、菊池令子委員(日本看護協会副会長)や馬袋秀男委員(民間介護事業推進委員会代表委員)は、サービス提供者などの役割に、『重症化予防』や『重度化予防』の視点を盛り込むことを要望。白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)は「在宅医療・介護連携の要である『訪問看護』の充実を明記してはどうか」と提案しています。

 なお西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)は「総合確保方針の中に医療保険者の役割を記載すべきではないか」と提案しましたが、白川委員は「保険者にはさまざまあり、総合確保方針への記載は難しい。記載せずとも重症化予防などに取り組んでいる」と難色を示しています。保険者の機能は、専ら医療・介護保険のファイナンスにあり、医療・介護提供体制における直接的な責務などを記載することは困難なようです。

 また樋口恵子委員(高齢社会をよくする女性の会理事長)や馬袋委員は、「医療・介護連携が重要となる分野の1つに認知症があり、その点を記載してほしい」と要望。これに対し黒田医療介護連携政策課長は「総合確保方針ではこれまで個別疾病に対する記載をしていないが、認知症施策についてどのように盛り込めるか工夫したい」との見解を示しています。

医療・介護連携の要は「人材」、両分野に精通する人材の確保が必要

 医療・介護連携を進めるためには、両者をよく知り、コーディネートできる「人材」が不可欠です。そこで黒田医療介護連携政策課長は、▼医療と介護の両分野に精通している▼各場面における連携を促進できる―ような、医療・介護連携の「核」となる人材について総合確保方針に明記する考えも示しています。

 この点に関連して、武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は「ケアマネジャー資格を持つ看護師」に注目。2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定において「ケアマネ資格を持つ看護師の配置を、報酬上で評価すべき」と提案しました。支払側となる白川委員もこの提案に一定の理解を示しています。

医療・介護連携の要はなんといっても「人材」であり、その確保が今後、ますます重要となる

医療・介護連携の要はなんといっても「人材」であり、その確保が今後、ますます重要となる

住宅施策や居住施策も、総合確保方針に記載されることになる

住宅施策や居住施策も、総合確保方針に記載されることになる

 

 改正総合確保方針は、年内にまとめられる予定です。医療計画の作成指針については、前述のように並行して議論が進んでおり、今年度内に告示や関連通知の発出がなされる見込みです。

 一方、介護保険事業(支援)計画については、現在、介護保険制度改革の議論も進んでいることから、今年度内に「計画策定ポイントの大枠」が、介護保険制度改正案成立後に「詳細」が示される見込みです。

 

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