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新設される「がんゲノム医療拠点病院」、初回の申請は8月14日まで―厚労省

2019.7.30.(火)

 がん患者の遺伝子変異情報を解釈する専門家会議(エキスパートパネル)を設置して、適切な抗がん剤選択を行うなど、自院でがんゲノム医療を完結する機能を有した「がんゲノム医療拠点病院」を新設する。指定を希望する病院は、8月14日(2019年8月14日)までに所定の申請書等を提出してほしい―。

 厚生労働省は7月24日に通知「がんゲノム医療拠点病院の新規指定申請について」を発出し、こうした点を都道府県やがんゲノム医療中核拠点病院に呼びかけました(厚労省のサイトはこちら

ゲノム医療を完結できる「がんゲノム医療拠点病院」を新設

 ゲノム(遺伝情報)解析技術が急速に進み、「Aという遺伝子変異の生じているがん患者にはαという抗がん剤投与が効果的である、Bという遺伝子変異のある患者にはβとγという抗がん剤の併用投与が効果的である」などといった情報が明らかになってきています。こうしたゲノム情報に基づいた治療法を選択することにより、個々のがん患者に対し「効果の低い治療法を避け、効果の高い、最適な治療法を優先的に実施する」(▼治療成績の向上▼患者の経済的・身体的負担の軽減▼医療費の軽減―)ことが実現できます。

 我が国では、産学官が一体的に「がんゲノム医療」を推進すべく「がんゲノム医療推進コンソーシアム」(共同体)を構築。▼患者の同意を得た上で、患者の遺伝子情報・臨床情報を、「がんゲノム情報管理センター」(C-CAT、国立がん研究センターに設置)に送付する → ▼C-CATでがんゲノム情報のデータベース(がんゲノム情報レポジトリー・がん知識データベース)に照らし、当該患者のがん治療に有効と考えられる抗がん剤候補や臨床試験・治験などの情報整理する → ▼専門家会議(エキスパートパネル)において、C-CATの情報を踏まえて当該患者に最適な治療法を選択し、これに基づいた医療を提供する―という流れで、がんゲノム医療が提供されます。
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 これまでに、専門家会議(エキスパートパネル)を設置して自らがんゲノム医療を完結でき、かつ人材育成等の役割を持つ「がんゲノム医療中核拠点病院」の設置(▼北海道大学病院▼東北大学病院▼国立がんセンター東病院▼国立がんセンター中央病院▼慶應義塾大学病院▼東京大学医学部附属病院▼名古屋大学医学部附属病院▼京都大学医学部附属病院▼大阪大学医学部附属病院▼岡山大学病院▼九州大学病院―の11か所、関連記事はこちら)や、複数の遺伝子変異を一括して検出する「遺伝子パネル検査」の保険収載(▼FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル▼OncoGuide NCC オンコパネル システム―の2種類が2019年7月までの保険収載、関連記事はこちらこちらこちら)など、がんゲノム医療の提供に向けた体制が着々と準備されてきています。

 ところで、遺伝子パネル検査を保険診療で受けられるようになれば、必然的に症例数も増加し、ピーク時には2つの遺伝子パネル検査を約2万6000人が受けると想定されています(2019年7月時点では、遺伝子パネル検査は標準治療を終了するなどした固形がん患者に限定)。一方、11のがんゲノム医療中核拠点病院におけるエキスパートパネルでの遺伝子情報解釈は、昨秋(2018年)時点で「年間4000-5000症例」にとどまっており、がんゲノム医療のニーズに対応しきれない可能性が出てきます。

 そこで厚労省は、新たに、エキスパートパネル設置など、がんゲノム医療を自院で「完結」できる【がんゲノム医療拠点病院】を整備することを決定。「診療体制等については中核病院並み」とし(エキスパートパネルを設置し、がんゲノム医療を完結する必要があるため)、「人材育成や治験・先進医療については連携病院並み」とする(人材育成機能等はもっぱら中核病院が担うため)との考えに沿って、指定要件を固めました。例えば、次のような診療体制等を敷くことが求められます(厚労省のサイトはこちら(通知「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について」、2019年7月19日改訂))(関連記事はこちらこちら)。

▼第三者認定を受けた、がん遺伝子パネル検査を実施するための臨床検査室・病理検査室等を有する

▼遺伝カウンセリング部門を設置し、複数の診療科と連携可能な体制が整備する

▼エキスパートパネルを月1回以上開催し、「がん薬物療法に関する専門的な知識・技術を持つ、診療領域の異なる複数の常勤医師」や「遺伝医学に関する専門的な知識・技術を持つ医師」などが参画する

▼「がんゲノム医療に関するデータ」(遺伝子パネル検査の結果や臨床情報など)を管理する部門を設け、患者の同意の下で、適切にC-CATにデータ登録できる体制などを整えている

▼がんゲノム医療の統括部門を設置し、患者・家族に適切に情報提供できる体制などを整えている

▼未承認薬・適応拡大に関するがん薬物療法の企業治験、医師主導治験 先進医療Bにおいて、新規の患者を、申請時点前3年の間に、合計100人以上登録した実績があることが望ましい
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 新たな「がんゲノム医療拠点病院」は9月に指定される予定で、そこから「厚労省検討会での要件チェック」などの時間を考慮し、厚労省は「2019年8月14日までに申請を行う」ことを求めています。主にがんゲノム医療中核拠点病院と連携してがんゲノム医療を実施する「がんゲノム医療連携病院」からの申請が有力視されていますが、「がんゲノム医療連携病院」でなくとも、要件を満たしていれば「がんゲノム医療拠点病院」となることはもちろん可能です。

 申請に当たっては、▼診療機能(遺伝子パネル検査の実施体制など)▼診療従事者▼診療実績▼エキスパートパネルの開催見込み回数▼病理医や遺伝カウンセラー等の詳細―などを記載した書面およびCD-R等を提示することが求められ、これら書類は「公表」される可能性もあります(検討会等での要件チェックに当たり資料が公表される)((厚労省のサイトはこちら(がん診療連携拠点病院等、ページ中段の「がんゲノム医療拠点病院様式[ZIP形式:79KB]」で、申請書類等の様式(様式1・2)をダウンロード可能))。

 9月予定の初回指定の有効期間は「2022年3月31日」までとなります。
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