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新型コロナ対応に係る、介護報酬・人員配置基準等の「柔軟な取り扱い」を整理―厚労省

2020.4.22.(水)

新型コロナウイルスの猛威はとどまるところを知らず、我が国でも感染患者が急増しています。安倍晋三内閣総理大臣は、感染拡大を防止し、医療提供体制を確保するために4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項に基づいて緊急事態宣言を行うとともに、「緊急経済対策」を閣議決定。さらに4月16日には緊急事態宣言の対象を、従前の7都県(▼埼玉県▼千葉県▼東京都▼神奈川県▼大阪府▼兵庫県▼福岡県―)から、全国に拡大しています。

そうした中で介護事業所・施設には、「スタッフが新型コロナウイルスに感染し、あるいは濃厚接触者と判断され出勤ができない。その場合、人員配置基準を満たすことが難しくなるが、介護報酬はどうなるのか」「訪問サービスにおいて、新型コロナウイルス感染を防止するために必要最低限のサービス提供とした場合、介護報酬で定められた時間を満たせなくなるが、介護報酬はどうなるのか」「介護サービス提供にあたり、多職種が会議等を行うことが求められているが、新型コロナウイルス感染防止のために会議開催は控えたい。どのように考えればよいか」などの様々な疑問が生じています。

厚生労働省は順次、こうした疑問に応えるための「柔軟な対応」に関する事務連絡を示していますが、4月20日の事務連絡「『新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて』のまとめについて」において、これらを再整理し、介護報酬算定等にかかる「柔軟な取り扱い」を明確にしました(厚労省のサイトはこちら(厚労省のまとめサイト))。

以下、「柔軟な取り扱い」の中から目立つものを拾ってみましょう。

【訪問サービス】

●訪問介護
▽新型コロナウイルスの感染が疑われる者への訪問介護サービスで、利用者・家族・訪問介護員への感染リスクを下げるために訪問時間を可能な限り短くする工夫を行った結果、生活援助のサービス提供が20分未満となった場合でも、高齢者の在宅生活を支援するために必要となる最低限のサービス提供を行った場合は「生活援助中心型20分以上45分未満」の報酬を算定してよい

▽「通所介護等の利用が出来なくなった発熱等の症状のある利用者」への訪問介護の提供増加や職員の発熱などによって、人員基準上の「必要な資格を持った人員」が確保できない場合、基本的には「介護支援専門員が調整のうえ、有資格者を派遣できる訪問介護事業所からのサービス提供」が望ましい。ただし、指定等基準を満たせない場合でも「それが一時的で、かつ利用者の処遇に配慮したものであれば、柔軟な対応をする」ことが可能であり、その際、「訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事したことがあり、サービス提供に支障がないと認められる者」であれば訪問介護員として従事してよい(新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて:2月17日付事務連絡

▽訪問介護の【特定事業所加算等】(介護福祉士割合が一定以上、訪問介護員への研修実施などを満たす場合の加算)などの算定要件である「定期的な会議の開催やサービス提供前の文書による指示・サービス提供後の報告」について、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、▼電話▼文書▼メール▼テレビ会議―などの「対面を伴わない代替手段」による開催が可能である(他のサービスにおける「定期的な会議」開催についても同様に考えてよい)

▽「20分以上45分未満の生活援助」について、外出自粛要請等の影響により、例えば週末前の買い物が混雑のために時間がかかるなどして、実際の生活援助時間が45分を大きく超えた場合には、▼利用者に「『45分以上の生活援助』の報酬を算定する」旨を説明し、請求前に同意が得られる▼介護支援専門員(ケアマネジャー)が必要と認めた―ことを条件に「45分以上の生活援助」の報酬を算定することが可能である。この場合、保険者からの求めに応じて、訪問介護計画・居宅サービス計画に必要な変更を行うこと。



●訪問看護
▽新型コロナウイルスの感染が疑われる者へ訪問看護サービスを提供するにあたり、利用者・家族・訪問看護師への感染リスクを下げるため、訪問時間を可能な限り短くする工夫を行った結果、訪問看護サービスの提供が20分未満となった場合には、高齢者の療養生活を支援するために必要となる最低限の提供を行うことを条件に、「20分未満の訪問看護」の報酬を算定することが可能である



●(介護予防)訪問リハビリテーション
▽介護予防通所リハビリテーション事業所が休業し、代替サービスとして「新規に異なる介護予防訪問リハビリテーション事業所が、サービス提供を行う」場合には、介護予防訪問リハビリテーションの基本サービス費を算定する

▽介護予防通所リハビリテーション事業所が休業し、代替サービスとして「既に計画上サービス提供を行うこととされていた介護予防訪問リハビリテーション事業所が、当初計画されていたサービスに上乗せしてサービス提供を行う」場合には、代替サービス分を別途、介護予防訪問リハビリテーションとして算定する



【福祉用具】
▽特定(介護予防)福祉用具販売について、年度内に福祉用具を購入しようとしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で調達が困難であることを理由に、年度内購入ができない場合には、実際の購入が次年度であったとしても、特定(介護予防)福祉用具販売計画などで年度内の購入意思が確認されれば「年度内の限度額」として保険給付することが可能である

▽福祉用具貸与計画・特定福祉用具販売計画の作成において、利用者又は家族に説明し、利用者の同意を得ることとされているが、感染拡大防止の観点から、やむを得ない理由がある場合については、対面による説明でなく、▼電話▼メール―などを活用した柔軟な対応が可能である

▽福祉用具貸与の消毒に関しては、「次亜塩素酸ナトリウム液(0.05%)で清拭後、水拭きし、乾燥させる」ことなどが考えられる(社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2):4月7日付事務連絡の2の(2)「消毒・清掃等の実施」を参照)



【通所サービス】

●通所系サービス
通所系サービス事業所が都道府県等からの要請を受けて休業(感染拡大防止の観点から自主的に休業した場合も同様)となり「事業所と異なる事業所、公民館等の場所を使用して、当該事業所が指定を受けたサービスに相当するサービスを提供した」場合、「通常提供しているサービス費と同様に、サービス提供時間等に応じ介護報酬を算定する」ことが可能

▽利用者への説明・同意を前提として、利用者・職員への感染リスクを下げるため、指定を受けたサービスの形態を維持しつつ、サービス提供時間を可能な限り短くする工夫を行った結果、サービス提供時間が短時間となった場合の取り扱いは次のとおり。
▼最低限必要なサービス提供を行った結果、「最も時間の短い報酬区分」で定められた時間を下回ったときは、当該「最も短い時間の報酬区分」で算定することが可能である
▼最低限必要なサービスを行った結果、「ケアプランで定められたサービス提供時間」を下回ったときは、「実際に提供したサービス提供時間の報酬区分」で算定する

通所系サービス事業所が都道府県等からの要請を受けて休業(感染拡大防止の観点から自主的に休業した場合も同様)となり「居宅で生活している利用者に対して、利用者からの連絡を受ける体制を整えた上で、居宅を訪問し、個別サービス計画の内容を踏まえ、できる限りのサービスを提供した」場合、提供したサービス時間の区分に対応した報酬区分(通所系サービスの報酬区分)を算定する。サービス提供時間が短時間(通所介護であれば2時間未満、通所リハであれば1時間未満)の場合は、それぞれのサービスの最短時間の報酬区分(通所介護であれば2時間以上3時間未満、通所リハであれば1時間以上2時間未満の報酬区分)で算定する。
当該利用者に、通常提供しているサービスに対応して「1日に複数回の訪問を行い、サービスを提供する」場合には、それぞれのサービス提供時間に応じた報酬区分を算定できるが、1日に算定できる報酬の上限は「居宅サービス計画書に位置付けられた提供時間に相当する報酬」とし、その場合、居宅介護サービス計画書に位置付けられた提供時間に対応した報酬区分で算定する

通所系サービス事業所が都道府県等からの要請を受けて休業した場合、利用者等の意向を確認した上で、その期間に、電話によって利用者の▼健康状態▼直近の食事の内容や時間▼直近の入浴の有無や時間▼当日の外出の有無と外出先▼希望するサービスの提供内容や頻度―などを確認した場合、あらかじめケアプランに位置付けた利用日については、1日2回まで相応の介護報酬の算定が可能である(電話により確認した事項について記録を残しておく)。また休業要請を受けていない場合でも、感染拡大防止の観点から同様の健康状態等確認を行った場合には、あらかじめケアプランに位置付けた利用日については、1日1回まで相応の介護報酬の算定が可能である



●(介護予防)通所リハビリテーション
通所リハビリ事業所・介護予防通所リハビリが都道府県等からの要請を受けて休業が都道府県等から休業要請を受けて、利用者の▼健康状態▼居宅の療養環境▼当日の外出の有無と外出先▼希望するリハビリサービスの提供内容や頻度―などについて、電話等により確認した場合、あらかじめケアプランに位置付けた利用日について、初回のみ、相応の介護報酬の算定が可能である(電話により確認した事項について記録を残しておく)



【居宅介護支援(ケアマネジメント)等】
▽新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、通所介護事業所において時間短縮や訪問サービス提供等を行った場合には、▼事前に利用者の同意を得た場合には、サービス担当者会議の実施は不要▼居宅サービス計画の記載内容見直しはサービス提供後でよい―こととする

▽居宅介護支援のサービス担当者会議について、感染拡大防止の観点から、やむを得ない理由がある場合については、「利用者の自宅以外での開催」「電話・メールなどの活用」など柔軟な対応を可能とし、また、利用者の状態に大きな変化が見られない等、居宅サービス計画の変更内容が軽微であると認められる場合は開催を不要することを認める

▽居宅介護支援のモニタリングについて、感染拡大防止の観点から「利用者の居宅を訪問できない」など、やむを得ない理由がある場合については、月1回以上の実施を必ずしもしなくともよいなどの柔軟な取扱いを可能とする

▽居宅介護支援の【退院・退所加算】(病院・介護施設を退院・退所し、在宅での生活に移行する際に、医療機関等から在宅での療養にあたっての情報共有を受けたり、新規にケアプラン作成することを評価する)や、(地域密着型)特定施設入居者生活介護の【退院・退所時連携加算】について、感染拡大防止の観点から、やむを得ない理由がある場合については、「病院・介護施設職員との面談以外での情報収集や電話・メールなどを活用する」ことで算定可能とする

▽介護支援専門員実務研修の実習については、アセスメントからモニタリングまで一連のケアマネジメントプロセスを経験することが適当だが、その目的・内容について、「介護支援専門員資質向上事業の実施について」「介護支援専門員資質向上事業の実施について」(2014年厚労省老健局長通知)・「介護支援専門員実務研修ガイドライン」(2016年厚労省老健局振興課)に沿っていれば、例えば「特定事業所算定事業所での受け入れではなく代替事業所で行う」「実習期間を短縮する」など、都道府県で柔軟に判断して差し支えない。



【施設サービス】

●介護老人保健施設
▽都道府県等が、感染拡大防止の観点等から▼入所・退所の一時停止▼併設サービス事業の全部・一部の休業―などを要請した場合、介護老人保健施設の【基本施設サービス費】【在宅復帰・在宅療養支援機能加算】の施設基準の「算定日が属する月の前6か月間」等の指標の算出に当たって使用する月数に、「当該停止・休業の期間を含む月は含めない」とすることが可能である



【その他】

●地域密着型サービス
▽(看護)小規模多機能型居宅介護において、新型コロナウイルス感染症への対策を行ったため、サービス提供が過少(登録者1人当たりの平均回数が週4回に満たない)となったとしても、▼職員が発熱等により出勤を控えたことでサービス提供体制が整わず、結果としてサービス提供が過少となった▼都道府県等の休業要請や感染防止のための自主休業などにより。通いサービス・宿泊サービスを休業した結果、過少サービスとなった―場合には、報酬の減算はせずともよい

▽通いサービス・宿泊サービスを休業した場合であっても、在宅高齢者の介護サービスを確保するため、個別サービス計画の内容を踏まえた上で、できる限り「訪問サービスを提供」してほしい

▽小規模多機能型居宅介護等の外部評価について、新型コロナウイルス感染症への対応として、その実施を延期、中止する等の柔軟な取り扱いを可能とする

▽認知症対応型共同生活介護の外部評価について「運営推進会議を過去1年間に6回以上開催している」ことが実施回数の緩和要件となっているが、新型コロナウイルス感染症の影響で運営推進会議を開催できなかった場合でも、「延期、中止などの柔軟な取り扱い」や「これまでの外部評価の実施状況」などを踏まえて、都道府県で適切に緩和の是非を判断してほしい



●地域医療介護総合確保基金
▽地域医療介護総合確保基金における「介護施設等における新型コロナウイルス感染拡大防止対策支援事業」の「介護施設等の消毒・洗浄経費支援」については、感染が疑われる者が発生した場合に施設等内で感染が拡がらないよう、利用者・従事者が触れる箇所や物品等の消毒・洗浄に必要な費用を補助するものである。消毒業務を「外部に委託」して実施する場合の費用も、補助の対象となる


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