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高齢単独世帯の割合、男性は2020年の16.4%から2050年には26.1%へ、女性は同じく23.6%から29.3%へ増加—社人研

2024.4.17.(水)

高齢単独世帯の割合は、男性では2020年の16.4%から2050年には26.1%へ、女性は同じく23.6%から29.3%へ増加する—。

国立社会保障・人口問題研究所が4月12日に公表した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和6(2024)年推計)—令和2(2020)-32(2050)年—」から、こういった状況が明らかになりました(社人研のサイトはこちら(概要)こちら(本文))。

高齢単独世帯の増加を踏まえた「介護基盤整備」が、今後の重要な検討課題になります。

2020年の国勢調査結果をもとに、2050年までの世帯状況を推計

社人研では、5年に一度「日本の世帯数の将来推計」を行っています。今回、2020年(令和2年)の国勢調査結果をもとに、2020-50年の30年間について将来推計を実施しました。そこからは次のような状況が明らかになっています。

【一般世帯総数】(入院患者、高齢者施設などの施設等世帯を除く)
▽2020年の5570万世帯から増加し、2030年の5773万世帯(2020年比203万世帯3.6%増)でピークを迎える

▽その後、減少に転じ、2050年には5261万世帯(2020年比310万世帯・5.6%減、2030年比512万世帯・8.9%元)となる



【平均世帯人員】
▽「世帯の単独化」が一層進み、次のように減少する(2030年以降、減少スピードは鈍化)
▼2020年:2.21人

▼2033年:1.99人

▼2050年:1.92人

世帯数と世帯人員の推移(世帯数の将来推計(2024年推計)1 240412)



【世帯類型の状況】
▽「単独世帯」が一貫して増加し、「1人親+子」世帯が若干増加する
▼2020年:単独38.0%、夫婦のみ20.1%、夫婦+子25.2%、1人親+子9.0%

▼2030年:単独41.6%(2020年比3.6ポイント増)、夫婦のみ19.5%(同0.6ポイント減)、夫婦+子22.9%(同2.3ポイント減)、1人親+子9.6%(同0.6ポイント増)

▼2040年:単独43.5%(同5.5ポイント増)、夫婦のみ19.0%(同1.1ポイント減)、夫婦+子21.8%(同3.4ポイント減)、1人親+子9.4%(同0.4ポイント増)

▼2050年:単独44.3%(同6.3ポイント増)、夫婦のみ18.9%(同1.2ポイント減)、夫婦+子21.5%(同3.7ポイント減)、1人親+子9.2%(同0.2ポイント増)

▽世帯数でみると2020年よりも増加するのは「単独世帯」のみ
▼2020年:2115万世帯→2036年:2453万世帯→2050年:2330万世帯

世帯類型の状況(世帯数の将来推計(2024年推計)2 240412)



【高齢者の世帯の状況】
▽世帯主の年齢が65歳以上
→2020年の2097万世帯(全世帯に占める割合37.6%)から、2050年の2404万世帯へ307万世帯(同45.7%)・14.6%増(2020年比8.1ポイント増)

▽世帯主の年齢が75歳以上
→2020年の1067万世帯(全世帯に占める割合19.1%)から、2050年の1491万世帯へ425万世帯(同28.3%)・39.8%増(2020年比9.2ポイント増)

▽世帯主の年齢が85歳以上
→2020年の305万世帯(全世帯に占める割合5.5%)から、2050年の538万世帯へ233万世帯(同10.2%)・76.4%増(2020年比4.7ポイント増)

高齢者の世帯の状況1(世帯数の将来推計(2024年推計)3 240412)

高齢者の世帯の状況2(世帯数の将来推計(2024年推計)4 240412)

高齢者の世帯の状況3(世帯数の将来推計(2024年推計)5 240412)



【高齢単独世帯の状況】
▽男性高齢単独世帯の割合(65歳以上男性で独居)
→2020年の16.4%から、2050年には26.1%(9.7ポイント増)

▼男性高齢単独世帯に占める未婚者の割合
→2020年の33.7%から、2050年には59.7%(26.0ポイント増)

▽女性高齢単独世帯の割合(65歳以上女性で独居)
→2020年の23.6%から、2050年には29.3%(5.7ポイント増)

▼女性高齢単独世帯に占める未婚者の割合
→2020年の11.9%から、2050年には30.2%(18.3ポイント増)

単独高齢者世帯の状況1(世帯数の将来推計(2024年推計)6 240412)

単独高齢者世帯の状況2(世帯数の将来推計(2024年推計)7 240412)

単独高齢者世帯の状況3(世帯数の将来推計(2024年推計)8 240412)



なお、施設等の世帯人員割合が大きく上昇するのは、男女ともに85-89歳以降となっています。

施設等世帯の状況(世帯数の将来推計(2024年推計)9 240412)



高齢の単独世帯が増加することから、介護サービスの需要増が著しくなると予想されます。とくに、未婚者、つまり近親者のいない高齢単独世帯が急増するため、「家族介護」が期待できず、そうした点を踏まえた「今後の介護基盤整備」が今後の重要な検討課題となります。



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