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病床機能報告 看護モニタリング

2019年2月の後発品割合は78.9%、前月から0.2ポイント低下―協会けんぽ

2019.7.22.(月)

 協会けんぽにおいて、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合は、今年(2019年)2月末時点で78.9%となり、前月末に比べて0.2ポイント低下。政府の第2目標「80%以上」をクリアしている自治体は▼沖縄▼鹿児島▼岩手▼宮崎▼山形▼宮城▼富山▼長野▼島根▼新潟▼佐賀▼鳥取▼熊本▼山口▼北海道▼石川▼長崎▼青森▼秋田▼福井▼群馬―の21自治体に増加した―。

 こういった状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会が7月9日に公表した医薬品使用状況から明らかになりました(協会のサイトはこちら)。

協会けんぽ全体では、後発品割合の上昇は「一休み」か

 「医療技術の高度化」や「高齢化の進展」などにより医療費が増加を続けています。2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となることから、今後、急速に医療費が増加していくと予想されます。さらに、その後2040年にかけて高齢者の増加率そのものは鈍化するものの、支え手となる現役世代人口が急速に減少していくことが分かっています。「より少ない支え手」で「より多くの高齢者」を支えなければならなくなることから、公的医療保険制度の基盤が極めて脆くなっていきます。

こうした状況の中で公的医療保険制度・国民皆保険を維持していくためには、「医療費の伸びを我々国民の負担できる水準に抑える」(適正化)ことが不可欠であり、例えば▼平均在院日数の短縮による入院医療費の適正化▼後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進による薬剤費の圧縮▼医療機能の分化と連携の強化▼地域差(ベッド数、受療率、平均在院日数など)の是正▼保健事業の充実による健康寿命の延伸―など、さまざまな角度からの取り組みが進められています。

後発品に関しては、政府が▼2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とする(第1目標)▼2020年9月に80%以上とする(第2目標)―という2段階の目標を設定し、使用推進に向けた取り組みが行われています。

 主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する「協会けんぽ」の運営者である全国健康保険協会でも、従来から積極的に後発品使用促進に取り組んでいます。医療機関を受診し、医薬品を処方された加入者個々人に宛てて「貴殿の医薬品を先発品から後発品に切り替えれば、自己負担額は○○円軽減されます」といった通知を発出したり、毎月の後発品使用割合の公表などを行っています。7月9日には、今年(2019年)2月末の後発品使用割合が公表されました(前月の状況はこちら)。

まず全体の後発品使用割合(新指標、調剤分)を見ると、今年(2019年)1月末から0.2ポイント低下し、数量ベースで78.9%となりました。昨夏から順調に後発品割合が増加していましたが、「踊り場で一休み」という状況のようです。第2目標「80%以上」達成まで「あと1.1ポイント」となっており、今後の状況を注視していく必要があります。
協会けんぽの後発品割合(2019年2月)1 190709
 
直近1年間(2018年3月から2019年2月)では、単純計算で「1か月当たり0.35ポイント」のペースで後発品割合が上昇していることになります。このペースが継続すると仮定した場合、計算上は今年(2019年)5月に第2目標「80%」をクリアできることになり、すでに現時点で第2目標が達成している可能性が伺えますが、「一休み」が続いていることも考えられ、今後の動向に要注目です。

80%以上クリアは21道県に増加

 また都道府県別に見ると後発品使用割合には、まだバラつきがあります。

 最も後発品割合が高いのは沖縄県で87.6%(前月末から0.2ポイント低下)です。

このほか、▼鹿児島県の84.6%(前月から増減なし)▼岩手県の84.3%(同0.1ポイント増加)▼宮崎県の82.2%(同0.2ポイント低下)▼山形県の82.0%(同0.3ポイント増加)▼宮城県の81.7%(同0.2ポイント増加)▼富山県の81.4%(同0.1ポイント増加)▼長野県の81.3%(同0.3ポイント増加)▼島根県の81.2%(同0.6ポイント増加)▼新潟県の81.1%(同0.2ポイント増加)▼佐賀県の80.9%(同0.4ポイント低下)▼鳥取県の80.8%(同0.4ポイント増加)▼熊本県の80.5%(同0.2ポイント低下)▼山口県の80.4%(同0.5ポイント増加)▼北海道の80.4%(同増減なし)▼石川県の80.3%(同0.1ポイント増加)▼長崎県の80.2%(同0.1ポイント増加)▼青森県の80.1%(同0.3ポイント増加)▼秋田県の80.1%(同0.1ポイント増加)▼福井県の80.1%(同0.3ポイント低下)▼群馬県の80.0%(同0.6ポイント低下)―で高くなっています。

山口県・青森県が新たに「80%クリア自治体」に入ったものの、静岡県が79.9%(前月から0.3ポイント低下)となってしまい、21自治体が第2目標クリア自治体となりました。

 最も低いのは依然として徳島県ですが、後発品割合は71.2%(前月から0.3ポイント増加)しており、第1目標「70%以上」をクリアできていない自治体は、現在は存在しません。今後、第2目標クリアに向けて、全自治体のさらなる努力に期待が集まります。
協会けんぽの後発品割合(2019年2月)2 190709

 
 
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