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医師の働き方改革は「勤務医の負担軽減」のアウトカムに着目せよ、フォーミュラリは医師の処方権を侵害するものでない―中医協・支払側

2020.2.10.(月)

2月7日に中央社会保険医療協議会・総会が2020年度の次期診療報酬改定に向けて答申を行いました(関連記事はこちらこちらこちら)。これを受け、健康保険組合連合会や全国健康保険協会など「支払側」も見解を示しています(診療側会見の模様はとこちら))。

2020年度診療報酬改定を受け、支払側も2月7日に記者会見を実施。写真向かって左から、染谷絹代委員(静岡県島田市長)、宮近清文委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会部会長代理)、吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)、佐保昌一委員(日本労働組合総連合会総合政策推進局長)、間宮清委員(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)、松浦満晴委員(全日本海員組合組合長代行)



まず支払側の統一見解として幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、次のような点を示しました。
▽医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価、外来医療の機能分化などが一歩前進した

▽「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」について、急性期入院医療の患者の指標に相応しい評価に見直すとともに、急性期一般入院料1の重症患者割の基準値が厳格化(数字だけを見ても30%→31%となり、項目・定義も見直し)されたことは、医療機能の分化・強化、連携の推進に資する見直しの第一歩である

▽紹介状なし外来患者への定額負担徴収義務対象の範囲拡大は、外来医療機器の役割分担を図る見直しとして評価できる

▽機能強化加算の要件見直しは、かかりつけ医機能の普及に向けて半歩前進したが、医療機能情報提供制度整備や、患者視点に立った分かりやすい文書作成を求める

▽医師等の働き方改革については、三位一体改革(働きた改革、地域医療構想、医師偏在対策)の進捗状況を踏まえつつ、新設される地域医療体制確保加算の要件となる「病院勤務医の負担軽減・処遇改善計画」に基づくアウトカム評価の導入も含めて引き続き検討していく必要がある

▽2022年度の次期改定に向けて、団塊の世代が後期高齢者になり始める時期であり「国民皆保険制度の堅持」を最大目標的として、▼医療機能の分化・強化、連携の推進▼効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上―などを中心に検討していくべきである



こうした統一見解をベースとしたうえで、幸野委員は「2018年度の前回診療報酬改定に比べて『医療保険制度改革』に大きな道筋をつけるテーマがなかった」「急性期一般1からの転換に期待している」「医療従事者の働き方改革については、『財源ありき』ではなく、まず病院のマネジメント・意識改革やタスク・シフティングなどの環境整備を進めるべきで、今後、アウトカムをしっかり確認していくことを求める」「『保険給付の在り方』に関する議論が十分になされなかった点が残念だ。中医協でも議論できる部分があるはずである」との見解を表明。



また、吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は「総論では『世代別の医療課題』について議論を行ったが、消化不良である。小児や高齢者の医療以外にも論点がなかったのか、検証していきたい」「かかりつけ医機能の推進については半歩前進したが、そもそもの『かかりつけ医機能とは何か、その在り方はどのようなものか』を根本から議論する必要がある」「もちろん、保険者としても被保険者をはじめとする加入者に、上手な医療のかかり方を理解してもらうように取り組んでいく」「フォーミュラリは推進していくべきだが、診療報酬での評価については、しっかりと論点を定めて議論していく必要がある」などの見解を述べています。

とくにフォーミュラリの推進について吉森委員は、「診療側委員は『医師から処方権をとりあげるもの』という誤解をされているようだ。海外ではフォーミュラリが一般的となり、我が国でも一部病院や一部地域では導入されている。フォーミュラリは、医師の処方権を侵害するものではない、という点を十分に認識していただき、そこから議論を詰めていく必要がある」との考えを強調しています。

フォーミュラリとは、医療機関等が作成した「医学的妥当性や経済性などを踏まえた医薬品使用方針」のことで、「●●疾患には第1選択としてA医薬品(特定の銘柄や成分)を使用する」といったリストのイメージです。採用医薬品を集約化することで「経営の質」が向上する(医薬品の購入コストを抑えることが可能)ことはもちろん、何よりも「医療の標準化」→「医療の質」向上という大きな効果が期待されます。2020年度診療報酬改定に向けて「特定機能病院におけるフォーミュラリ導入の評価」が検討されましたが、時期尚早との声が強く見送られた格好です。

この点について、「フォーミュラリの作成→使用医薬品の制限」というネガティブな捉え方をするのではなく、「医療の標準化→医療の質向上、経営の質向上」というポジティブな視点での議論が行われることに期待が集まります。


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夜間看護体制加算等の「看護師負担軽減」、早出・遅出やIoT導入など効果ある取り組みを―中医協総会(2)
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小児抗菌薬適正使用支援加算、算定対象を3歳以上にも広める一方で算定要件厳格化を模索―中医協総会(2)
急性期一般1の「重症患者30%以上」等の施設基準、中医協の支払側委員は「低すぎる」と強調
「医師働き方改革」に向けたマネジメントコスト、診療報酬で評価すべきか否かで激論―中医協総会(1)
慢性腎疾患患者への「腎移植の選択肢もある」などの情報提供を促進せよ―中医協総会(2)
緩和ケア病棟入院料を厳格化、「緩和ケアチームによる外来・在宅医療への関与」求めてはどうか―中医協総会(1)
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「働き方改革」への診療報酬でのサポート、人員配置要件緩和を進める方向は固まるが・・・―中医協総会(1)
リンパ浮腫指導管理料等、2020年度改定に向け「算定対象の拡大」を検討―中医協総会(2)
入院患者のポリファーマシー対策、減薬の成果だけでなく、減薬に向けた取り組みも評価してはどうか―中医協総会(1)
かかりつけ医機能を評価する【機能強化加算】、要件を厳格化すべきか―中医協総会
小規模な急性期一般1で認知症患者が多い背景、回復期リハの実績評価の妥当性など検討を―中医協・基本小委
2020年度診療報酬改定に向けた議論整理、地域医療構想の実現・働き方改革・オンライン診療などで意見対立―中医協総会
スタッフの8割以上が理学療法士の訪問看護ステーション、健全な姿なのか―中医協総会
2040年にかけて人口が70%減少する地域も、医療提供体制の再構築に向け診療報酬で何ができるのか―中医協総会
CT・MRIの共同利用、医療被曝防止に向けたガイドライン活用などを診療報酬でどう進めるか―中医協総会(2)
ポリファーマシー対策を診療報酬でどう進めるか、フォーミュラリの報酬評価には慎重意見―中医協総会(1)
新規の医療技術、安全性・有効性のエビデンス構築を診療報酬で促し、適切な評価につなげよ―中医協総会(2)
オンライン診療、「有効性・安全性のエビデンス」に基づき算定要件などを議論―中医協総会(1)
医師の働き方改革、入院基本料や加算の引き上げなどで対応すべきか―中医協総会(2)
がんゲノム医療の推進に向け、遺伝子パネル検査を6月から保険収載―中医協総会(1)
外来医療の機能分化に向け、「紹介状なし患者の定額負担」「かかりつけ医機能の評価」など議論―中医協総会(2)
画期的な白血病治療薬「キムリア」を保険収載、薬価は3349万円―中医協総会(1)
高齢者へのフレイル・認知症・ポリファーマシ―対策、診療報酬でどうサポートすべきか―中医協総会(3)
診療報酬で生活習慣病の重症化予防、治療と仕事の両立をどう進めていくか―中医協総会(2)
遺伝子パネル検査の保険収載に向けた検討進む、C-CATへのデータ提出等を検査料の算定要件に―中医協総会(1)
「院内助産」「外来での妊産婦対応」を診療報酬でどう支援していくべきか―中医協総会(2)
2020年度改定論議スタート、小児疾患の特性踏まえた診療報酬体系になっているか―中医協総会(1)
2020年度診療報酬改定に向け、「医師働き方改革」等のテーマ別や患者の年代別に課題を議論―中医協総会



中医協・基本小委、支払側が「看護必要度や地域包括ケア病棟などの厳格化」を強く要望
2020年度診療報酬改定に向け、「看護必要度」「地域包括ケア病棟」などの課題を整理―入院医療分科会
ICU、看護必要度とSOFAスコアを組み合わせた「新たな患者評価指標」を検討せよ―入院医療分科会(2)
A項目1点・B項目3点のみ患者、療養病棟で該当患者割合が高いが、急性期の評価指標に相応しいか―入院医療分科会(1)
病院病棟への「介護福祉士配置とその評価」を正面から検討すべき時期に来ている―入院医療分科会(3)
ICUの「重症患者」受け入れ状況、どのように測定・評価すべきか―入院医療分科会(2)
DPC病棟から地域包括ケア病棟への転棟、地ケア病棟入院料を算定すべきか、DPC点数を継続算定すべきか―入院医療分科会(1)
総合入院体制加算、地域医療構想の実現や病床機能分化を阻害していないか?―入院医療分科会(3)
救命救急1・3は救命救急2・4と患者像が全く異なる、看護必要度評価をどう考えるべきか―入院医療分科会(2)
「急性期一般2・3への移行」と「看護必要度IIの義務化」を分離して進めてはどうか―入院医療分科会(1)
【短期滞在手術等基本料3】、下肢静脈瘤手術などは外来実施が相当数を占める―入院医療分科会(4)
診療データ提出を小規模病院にも義務化し、急性期病棟にも要介護情報等提出を求めてはどうか―入院医療分科会(3)
資源投入量が少なく・在院日数も短いDPC病院、DPC制度を歪めている可能性―入院医療分科会(2)
看護必要度の「A1・B3のみ」等、急性期入院医療の評価指標として妥当か―入院医療分科会(1)
回復期リハ病棟でのFIM評価、療養病棟での中心静脈栄養実施、適切に行われているか検証を―入院医療分科会(2)
入院で実施されていない「免疫抑制剤の内服」「膀胱脱手術」など、看護必要度の評価対象から除くべきか―入院医療分科会(1)
回復期リハビリ病棟から退棟後の医療提供、どのように評価し推進すべきか―入院医療分科会(3)
地域包括ケア病棟の実績評価要件、在宅医療提供の内容に大きな偏り―入院医療分科会(2)
点数が「DPC<地域包括ケア」時点にDPC病棟からの転棟が集中、健全なのか―入院医療分科会(1)
療養病棟に入院する医療区分3の患者、退院患者の8割弱が「死亡」退院―入院医療分科会(2)
入退院支援加算1の「病棟への入退院支援スタッフ配置」要件、緩和すべきか―入院医療分科会(1)
介護医療院の整備など進め、患者・家族の「退院後の介護不安」解消を図るべき―入院医療分科会(2)
急性期一般1では小規模病院ほど認知症入院患者が多いが、看護必要度への影響は―入院医療分科会(1)
看護必要度IとIIとで重症患者割合に大きな乖離、要因を詳しく分析せよ―中医協・基本小委
自院の急性期患者の転棟先として、地域包括ケア病棟を選択することは「問題」なのか―入院医療分科会(2)
7対1から急性期2・3への移行は3%強にとどまる、看護必要度IIの採用は2割弱―入院医療分科会(1)
2020年度改定、入院医療では「救急」や「認知症対策」なども重要論点に—入院医療分科会(2)
DPC対象病院の要件を見直すべきか、入院日数やDPC病床割合などに着目して検討―入院医療分科会(1)
2018年度改定で新設された【急性期一般入院料1】を選択する理由はどこにあるのか―入院医療分科会
2020年度の次期診療報酬改定に向け、急性期一般入院料や看護必要度などを調査―入院医療分科会



2020年度に「稼働病床数を1割以上削減」した病院、国費で将来の期待利益を補助―厚労省



医師働き方改革、「新たな医療提供体制に向かうチャンス」の可能性も―社保審・医療部会
2020年度診療報酬改定に向け、「入院時食事療養費」の引き上げを求める声も―社保審・医療部会
「医師の働き方改革」を診療報酬でどうサポートするか、基本方針策定段階でも激論―社保審・医療部会
2020年度診療報酬改定「基本方針」論議始まる、病院薬剤師の評価求める声多数―社保審・医療部会



2020年度診療報酬改定を了承、「医師の働き方改革推進」を重点課題に据える―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「医師の働き方改革」だけでなく「制度の持続可能性」も重点課題とせよ―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「医師働き方改革」だけでなく「効率化」や「機能分化」なども重点課題ではないか―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「効率化・合理化の視点」「働き方改革の推進」「費用対効果評価」なども重要視点―社保審・医療保険部会



外来から患者の入退院を支援するPatient Flow Management(PFM)が急性期病院の将来を救う