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GemMed塾 2024年度版ぽんすけリリース

有床診療所、ついに集計結果でも10万床を割る―医療施設動態調査(2017年8月)

2017.11.2.(木)

 今年(2017年)7月末から8月末にかけて、病院の一般病床数は397床、療養病床では257床の減少となった。また有床診療所数は21施設・282床減少し、7342施設・9万9737床となり、集計結果でもついに10万床を切ってしまった―。

 このような状況が、厚生労働省が10月31日に公表した医療施設動態調査(2017年8月末概数)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

前月(2017年7月末)に比べて、病院の一般病床は397床減少、療養病床は257床の減少となった。有床診のベッド数はついに10万床を切ってしまった

前月(2017年7月末)に比べて、病院の一般病床は397床減少、療養病床は257床の減少となった。有床診のベッド数はついに10万床を切ってしまった

有床診、来年(2018年)9-10月に7000施設を割る可能性大

 厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています(前月の状況はこちら、前々月の状況はこちら、さらにその前の月の状況はこちら)。今年(2017年)8月末の状況を見ると、医療施設総数は全国で17万9286施設となり、前月に比べて66施設増加しました。主に無床の一般診療所の増加によるものです。

 このうち病院の施設数は、前月に比べて7施設減少し8425施設となりました。種類別に見ると、▼一般病院が7357施設(前月に比べて8施設減少)▼精神科病院は1061施設(同1施設増加)―という状況です。一般病院の中で「療養病床を持つ病院」は3799施設(同2施設減少)、「地域医療支援病院」は552施設(同4施設増加)となりました。

 診療所のうち有床診療所は7342施設で、前月から21施設減少しました。2年前の2015年8月末には7990施設(厚労省のサイトはこちら)、1年前の2016年8月末には7656施設(厚労省のサイトはこちら)でしたので、一昨年(2015年)8月末から昨年(16年)8月末までの1年間で334施設、さらに今年(17年)8月末までの1年間で314施設減少しています。昨年(2016年)8月末以降、有床診施設数は以下のように推移しています。

▼2016年8月末:7656施設

 ↓(27施設減)

▼2016年9月末:7629施設

 ↓(24施設減)

▼2016年10月末:7605施設

 ↓(30施設減)

▼2016年11月末:7575施設

 ↓(25施設減)

▼2016年12月末:7550施設

 ↓(27施設減)

▼2017年1月末:7523施設

 ↓(38施設減)

▼2017年2月末:7485施設

 ↓(21施設減)

▼2017年3月末:7464施設

 ↓(38施設減)

▼2017年4月末:7426施設

 ↓(29施設減)

▼2017年5月末:7397施設

 ↓(17施設減)

▼2017年6月末:7380施設

 ↓(17施設減)

▼2017年7月末:7363施設

 ↓(21施設減)

▼2017年8月末:7342施設

 この1年間、「1か月当たり26施設強」のペースで減少が続いています。このペースが続けば、来年(2018年)9月から10月には7000施設を割ってしまう見込みです。

有床診の診療報酬、2018年度改定でどう手当てされるのか

 病床数に目を移してみると、今年(2017年)8月末の全病床数は165万7046床で、前月に比べて997床減少しました。このうち病院の病床数は155万7243床で、前月に比べて715床減少しました。病床種類別に見ると、▼一般病床は89万1255床(前月から397床減少)▼療養病床は32万6394床(同257床減少)▼精神病床は33万2486床(同51床減少)—などとなっています。

 有床診療所の病床数は、前月から282床減少して9万9737床となり、ついに10万床を切ってしまいました。2年前の2015年8月末には10万7929床(厚労省のサイトはこちら)、1年前の2016年8月末には10万3786床(厚労省のサイトはこちら)でしたので、一昨年(2015年)8月末から昨年(16年)8月末までの1年間で4143床、そこから今年(17年)8月末までの1年間で4049床減少しています。昨年(2016年)8月末以降、有床診のベッド数の推移は次のようになっています。

▼2016年8月末:10万3786床

 ↓(335床減)

▼2016年9月末:10万3451床

 ↓(347床減)

▼2016年10月末:103104床

 ↓(367床減)

▼2016年11月末:10万2737床

 ↓(287床減)

▼2016年12月末:10万2450床

 ↓(305床減)

▼2017年1月末:10万2145床

 ↓(448床減)

▼2017年2月末:10万1697床

 ↓(335床減)

▼2017年3月末:10万1362床

 ↓(489床減)

▼2017年4月末:10万873床

 ↓(407床減)

▼2017年5月末:10万466床

 ↓(226床減)

▼2017年6月末:10万240床

 ↓(221床減)

▼2017年7月末:10万19床

 ↓(282床減)

▼2017年8月末:9万9737床

 直近1年間では「1か月当たり345床強」のペースで減少しています。今後、減少ペースが鈍化するか、あるいは加速するのか、状況を注視していく必要があるでしょう。

2018年度診療報酬改定に向け、入院医療の報酬体系見直しに関する議論が診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」で進められていますが、有床診療所の経営安定化に向けた妙案はまだ探り切れていません。今後の中央社会保険医療協議会総会などにおける有床診論議に期待が集まります(関連記事はこちらこちら)。

病院病床数は、減少の一途をたどっており、減少ペースが速まったように見える

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療養病床のベッド数は、直近で減少ペースが速まっているようだ

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