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卵巣がんの診断を補助する新検査「血清中TFPI2測定」を4月1日から保険適用―厚労省

2021.4.2.(金)

卵巣がんの診断を補助する新検査「組織因子経路インヒビター2(TFPI2)」を保険適用する—。

厚生労働省は3月31日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を示し、こうした点を明確にしました。4月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

卵巣がんの診断を的確に補助する新検査「血清中TFPI2測定」を保険適用

卵巣がんの診断を補助する腫瘍マーカーとして「血清中TFPI2測定」が開発されました。従前から使用されている腫瘍マーカー「CA125」と比べて、卵巣に生じた腫瘍が「良性であるのか、悪性であるのか」を判断する性能が同程度です。

また、「血清中TFPI2測定」を、既存の腫瘍マーカーである「CA125」や「CA19-9」「HE4」などと組みわせることで、「卵巣の悪性腫瘍」をより的確に検出することが可能です。例えば、▼TFPI2▼CA125▼CA19-9—という3種の腫瘍マーカーを組みわせると、「CA125」単独に比べて12.2ポイントも高い「陽性」検出率を得ることが可能です。

あわせて、進行した場合に予後が芳しくない「卵巣明細胞がん」に関して、既存の「CA125」では、特異度(「がんでない」患者を正しく「がんでない」と鑑別できる割合)が25%にとどまるのに対し、「TFPI2」では80%と非常に高いことも分かっています。

卵巣がん診断補助を的確に行える新検査TFPI2が保険適用される(中医協総会 210324)



こうした優れた性能が3月24日の中央社会保険医療協議会・総会で評価され、保険適用することが承認されました。

今般、この新検査手法が保険適用されることを踏まえ、「保険診療の中で、この新検査手法を実施する場合の診療報酬算定上の留意事項」が整理されたものです。

具体的には、卵巣がんが強くtわれる患者に対し、EIA法によって「組織因子経路インヒビター2(TFPI2)」を測定した場合に、D009【腫瘍マーカー】の「23 CA602」(190点)を準用して算定することができます。

【腫瘍マーカー】にかかる次の規定も適用されます。

▽診療・腫瘍マーカー以外の検査結果から「悪性腫瘍の患者である」ことが強く疑われる者に対して、腫瘍マーカー検査を行った場合に、1回に限り算定する

▽B001【特定疾患治療管理料】の「3 悪性腫瘍特異物質治療管理料」を算定している患者については、【腫瘍マーカー】の点数は算定できない

▽患者から1回に採取した血液等を用いて、「尿中BTA」以外の腫瘍マーカー検査を2項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず、▼2項目の場合には230点▼3項目の場合には290点▼4項目以上の場合には408点―を算定する



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