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新型コロナ対策 症例Scope

妊娠高血圧腎症の発症予測補助、赤痢アメーバ感染の診断補助を行う新検査法を保険適用―厚労省

2021.7.2.(金)

妊娠高血圧腎症(PE)の発症予測を補助する新検査法、赤痢アメーバ抗原を検出する新検査法を保険適用し、それぞれを保険診療の中で行うに当たっての留意事項を整理する―。

厚生労働省は6月30日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。7月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

妊娠高血圧腎症(PE)の発症予測を補助する新検査法を保険適用

初産年齢の高齢化・産婦の高齢化に伴い、基礎疾患や精神疾患等をもつ妊婦(いわゆるハイリスク妊婦)が増加しています。日本産科婦人科学会の調査によれば、妊娠しておらずとも発症する「偶発合併症」を持つ妊産婦が増加しており、2010年には全妊産婦の32.2%を占めており、▼妊娠高血圧症▼妊娠糖尿病▼呼吸器疾患▼甲状腺疾患▼精神疾患―などが多いようです。

こうしたハイリスク妊婦を早期に鑑別し、適切な処置・指導等を行うことで安全な分娩につなげることが可能です。診療報酬でも、入院基本料等加算の中にA236-2【ハイリスク妊娠管理加算】やA237【ハイリスク分娩管理加算】が整備されるなど、医療保険でもハイリスク妊婦に対する配慮が行われています。

ところで、ハイリスク妊婦における疾患の中に「妊娠高血圧腎症」(PE)があります。発症から増悪までの期間が短く、高確率で母児ともに重篤な合併症(呼吸窮迫症候群など)を引き起こすため、「早期の鑑別→入院管理」となる必要な疾患です。

この点、当該疾患の発症に先立って、▼血清中に「可溶性fms様チロシンキナーゼ1」(sFlt-1)という物質が過剰産生される▼血清中の「胎盤増殖因子(PlGF)」産生が抑制される―という特徴があることが判明。つまり、「前者/後者」の比が大きくなった後にPE発症となるのです。

この点、新たに血清中の両物質を測定し、その比から「ハイリスク妊婦における妊娠高血圧腎症」が発症することを予測補助できる検査方法が開発されました。6月23日の中央社会保険医療協議会では、この検査の有用性が高く評価され、保険適用を行うことが了承されています。

これを受け今般、厚労省が同検査を保険診療の中で行うに当たっての留意事項を整理しました。

まず、検査の対象は、次のリスク因子いずれか1つを有する「妊娠18-36週未満の妊娠高血圧腎症が疑われる妊婦」が原則となります。リスク因子が2つ以上ある妊婦には、原則として本検査実施できず、「医学的な必要性がある」場合にのみ可能です。
▼収縮期血圧が130mmHg 以上、または拡張期血圧が80mmHg以上
▼タンパク尿
▼妊娠高血圧腎症を疑う臨床症状または検査所見
▼子宮内胎児発育遅延
▼子宮内胎児発育遅延を疑う検査所見

この要件に合致する妊婦に対して、妊娠高血圧腎症の発症予測を行うために、血清を検体として、ECLIA法により、▼可溶性fms様チロシンキナーゼ1(sFlt-1)▼胎盤増殖因子(PlGF)—を測定し、「sFlt-1/PlGF比」を算出した場合に、D008【内分泌学的検査】の「31 副甲状腺ホルモン(PTH)」(170点)の2回分を合算した点数(つまり340点)を一連の妊娠につき1回に限って、算定することができます(ただし、医学的な必要性から一連の妊娠につき「2回以上」算定することも可能)。

この場合、D008【内分泌学的検査】の注にある「D008【内分泌学的検査】を3項目以上行った場合の算定点数(3-5項目では410点、6・7項目で623点、8項目以上では900点)
ハ 8項目以上 900点)」に関する規定は適用されません(本検査では、上記点数を算定できる)。

なお、本検査を保険診療の中で行う場合には、▼上記のリスク因子のいずれに該当するかをレセプトの摘要欄に記載する▼「妊娠高血圧腎症を疑う臨床症状または検査所見」または「子宮内胎児発育遅延を疑う検査所見」に該当する場合は、その医学的根拠も併せて記載する―ことが求められます。

さらに、医学的な必要性から▼「リスク因子が2つ以上の妊婦」で本検査を算定する▼一連の妊娠につき「2回以上」算定する―場合には、レセプトの摘要欄に「その詳細な理由」を記載することが求められます。

「赤痢アメーバ抗原」を迅速に検出可能な新検査を保険適用

また6月23日の中医協総会では、糞便中の赤痢アメーバ抗原を鑑別かつ迅速に検出できる新検査手法の保険適用も了承されました。早期診断・早期対処を可能とするものです。

これを受け、同検査を保険診療の中で行うに当たっての留意事項も整理されています。

具体的には、腸管アメーバ症の症状を呈する患者に対して、アメーバ赤痢の診断を目的に、酵素免疫測定法(定性)によって「糞便中の赤痢アメーバ抗原」を測定した場合に、D012【感染症免疫学的検査】の「42 赤痢アメーバ抗体半定量」(223点)を準用して算定することが可能となります。

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