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【2020年度診療報酬改定答申4】リハビリが必要な患者に適切なリハが実施されるよう、回復期リハ病棟入院料や疾患別リハ料見直し

2020.2.12.(水)

Gem Medでお伝えしているとおり、2020年度診療報酬改定の答申が2月7日の中央社会保険医療協議会・総会で行われました。Gem Medでは、何回かに分けて新点数や施設基準・算定要件などを探っていきます(2020年度診療報酬改定答申の関連記事はこちら(地域包括ケア病棟)こちら(働き方改革関連)こちら(急性期一般病棟入院料関連))。

本稿では、「回復期リハビリ病棟入院料」に焦点を合わせ、関連して疾患別リハビリテーション料の見直しにも触れることとします。

2月7日に開催された第451回中央社会保険医療協議会・総会で、田辺国昭会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授、中央左側)から小島敏文・厚生労働大臣政務官(中央右側)に2020年度診療報酬改定の答申書が手渡された。

リハビリ実績指数の基準値を、入院料1で40、入院料3で35に引き上げ

回復期リハビリテーション病棟入院料については、次のような見直しが行われます(関連記事はこちら)。

(1)入院料1・入院料3におけるリハビリテーション実績指数の基準値を引き上げる(入院料1:37→40、入院料3:30→35)
(2)リハビリテーション実績指数のベースとなるFIMについて、入院時・目標・退院時のそれぞれで「リハビリテーション実施計画書」を用いて説明し、計画書を交付する
(3)重症者の定義として、日常生活機能評価に代えてFIM総得点を用いてもよいこととする
(4)入院料1では常勤の管理栄養士1名を専任配置とし、入院料2-6では常勤の管理栄養士1名の配置が「望ましい」との施設基準を追加する

回復期リハビリ病棟については、▼重症者の受け入れ状況(日常生活機能評価)▼リハビリの効果―の2軸で6種類の入院料が設定されています(入院料1-6)。後者のリハビリの効果は、「入棟時のADL状況(FIM評価)と退棟時のADL状況(FIM評価)との差(FIM利得)」をベースにした「リハビリテーション実績指数」として把握します(リハビリ実績指数の値が低い場合、「効果の低いリハビリを漫然と続けている」と判断される)。

このリハビリ実績指数の基準値について、「緩やかすぎてカットオフ値機能を果たしていない」「入院料3と5で同じ値となっている」という問題的が指摘され、次のような厳格化が行われます。現場では「入院料3の引き上げが厳しいのではないか」と見ており、今後の動向を注意深く見ていく必要があるでしょう。
▽入院料1:(現行)37 → (改定後)40
▽入院料3:(現行)30 → (改定後)35

また、リハビリ実績指数のベースとなるFIM評価について、一部に「不適切な操作」(例えば入院時のFIM評価を実際よりも低く記録するなど)があると見られており、(2)のような説明等義務が課されることになりました。患者や家族が「先生、記録では『〇〇ができない』となっていますが、私はできます」などとチェックすることで、記録の正確性確保を狙うものです。

さらに、現場の▼重症者の受け入れ状況を「日常生活機能評価」で評価する▼リハビリの効果をFIMで評価する―という負担を軽減するために、重症者の受け入れ状況を「FIM」を用いて評価することも可能となります。

疾患別リハビリ料、「リハ実施から計画作成までの間隙」をなくす

関連して、疾患別リハビリテーション料などについて次のような見直しが行われます(関連記事はこちらこちら)。

▽疾患別リハビリ実施から原則7日以内、遅くとも14日以内に「リハビリテーション実施計画」(ADL項目にはBIまたはFIMを用いる)を作成することとし、作成前のリハビリ実施は、「医師の具体的な指示の下で行われる場合」に限って疾患別リハビリテーション料を算定できることを明確化するとする(現在は、医師による指示でリハビリが開始されるが、リハビリ実施計画作成までは、厳密には疾患別リハビリ料が算定できないという「間隙」が生じてしまっている)。

▽呼吸器リハビリテーション料について、嚥下機能の低下した患者等に十分なリハビリが行えるよう、「言語聴覚士」(ST)でも実施可能なように改める

▽難病患者リハビリテーション料の施設基準に言語聴覚士を追加する

▽脳血管疾患等リハビリテーション料(II)の施設基準に「言語聴覚療法のみを実施する場合」の規定を設ける

▽外来リハビリテーションを実施している患者に、医師によるリハビリに関する包括的診察を実施しやすくするため、算定要件にある「医師とリハビリスタッフによるカンファレンス」について、「リハビリスタッフから医師への報告」に代えることを可能とする

▽がん患者リハビリテーション料の算定対象患者について、現在は「対象疾患」等で区分しているが、リハビリが必要ながん患者にもれなくリハビリが提供されるように、「実施される治療」等による区分に見直す

▽リンパ浮腫指導管理料・リンパ浮腫複合的治療料の算定対象患者について、最新の学術研究結果を踏まえて「鼠径部、骨盤部もしくは腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍に対する手術を行った患者」または「原発性リンパ浮腫と確定診断された患者」に変更する。また、リンパ浮腫複合的治療料「1」の「重症の場合」の対象患者について、病期分類II期以降の患者に変更する

▽摂食機能療法の経口摂取回復促進加算について、多職種チームによる介入を評価できるよう、▼名称の変更(【経口摂取回復機能加算】→【摂食嚥下支援加算】)▼要件の変更(摂食機能療法を算定し、摂食嚥下の専門知識を有する多職種チーム(摂食嚥下支援チーム)の介入で摂食嚥下機能の回復が見込まれる患者に対し、多職種共同で必要な指導管理を行う)▼評価の変更(現行の加算1(185点)・加算2(20点)を「加算」(200点)に組み替える)



より現場の実態を踏まえ、「リハビリが必要な患者に、適切なリハビリが提供される」ことを目指すものです。


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遺伝子パネル検査の保険収載に向けた検討進む、C-CATへのデータ提出等を検査料の算定要件に―中医協総会(1)
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2020年度改定論議スタート、小児疾患の特性踏まえた診療報酬体系になっているか―中医協総会(1)
2020年度診療報酬改定に向け、「医師働き方改革」等のテーマ別や患者の年代別に課題を議論―中医協総会



中医協・基本小委、支払側が「看護必要度や地域包括ケア病棟などの厳格化」を強く要望
2020年度診療報酬改定に向け、「看護必要度」「地域包括ケア病棟」などの課題を整理―入院医療分科会
ICU、看護必要度とSOFAスコアを組み合わせた「新たな患者評価指標」を検討せよ―入院医療分科会(2)
A項目1点・B項目3点のみ患者、療養病棟で該当患者割合が高いが、急性期の評価指標に相応しいか―入院医療分科会(1)
病院病棟への「介護福祉士配置とその評価」を正面から検討すべき時期に来ている―入院医療分科会(3)
ICUの「重症患者」受け入れ状況、どのように測定・評価すべきか―入院医療分科会(2)
DPC病棟から地域包括ケア病棟への転棟、地ケア病棟入院料を算定すべきか、DPC点数を継続算定すべきか―入院医療分科会(1)
総合入院体制加算、地域医療構想の実現や病床機能分化を阻害していないか?―入院医療分科会(3)
救命救急1・3は救命救急2・4と患者像が全く異なる、看護必要度評価をどう考えるべきか―入院医療分科会(2)
「急性期一般2・3への移行」と「看護必要度IIの義務化」を分離して進めてはどうか―入院医療分科会(1)
【短期滞在手術等基本料3】、下肢静脈瘤手術などは外来実施が相当数を占める―入院医療分科会(4)
診療データ提出を小規模病院にも義務化し、急性期病棟にも要介護情報等提出を求めてはどうか―入院医療分科会(3)
資源投入量が少なく・在院日数も短いDPC病院、DPC制度を歪めている可能性―入院医療分科会(2)
看護必要度の「A1・B3のみ」等、急性期入院医療の評価指標として妥当か―入院医療分科会(1)
回復期リハ病棟でのFIM評価、療養病棟での中心静脈栄養実施、適切に行われているか検証を―入院医療分科会(2)
入院で実施されていない「免疫抑制剤の内服」「膀胱脱手術」など、看護必要度の評価対象から除くべきか―入院医療分科会(1)
回復期リハビリ病棟から退棟後の医療提供、どのように評価し推進すべきか―入院医療分科会(3)
地域包括ケア病棟の実績評価要件、在宅医療提供の内容に大きな偏り―入院医療分科会(2)
点数が「DPC<地域包括ケア」時点にDPC病棟からの転棟が集中、健全なのか―入院医療分科会(1)
療養病棟に入院する医療区分3の患者、退院患者の8割弱が「死亡」退院―入院医療分科会(2)
入退院支援加算1の「病棟への入退院支援スタッフ配置」要件、緩和すべきか―入院医療分科会(1)
介護医療院の整備など進め、患者・家族の「退院後の介護不安」解消を図るべき―入院医療分科会(2)
急性期一般1では小規模病院ほど認知症入院患者が多いが、看護必要度への影響は―入院医療分科会(1)
看護必要度IとIIとで重症患者割合に大きな乖離、要因を詳しく分析せよ―中医協・基本小委
自院の急性期患者の転棟先として、地域包括ケア病棟を選択することは「問題」なのか―入院医療分科会(2)
7対1から急性期2・3への移行は3%強にとどまる、看護必要度IIの採用は2割弱―入院医療分科会(1)
2020年度改定、入院医療では「救急」や「認知症対策」なども重要論点に—入院医療分科会(2)
DPC対象病院の要件を見直すべきか、入院日数やDPC病床割合などに着目して検討―入院医療分科会(1)
2018年度改定で新設された【急性期一般入院料1】を選択する理由はどこにあるのか―入院医療分科会
2020年度の次期診療報酬改定に向け、急性期一般入院料や看護必要度などを調査―入院医療分科会



2020年度に「稼働病床数を1割以上削減」した病院、国費で将来の期待利益を補助―厚労省



医師働き方改革、「新たな医療提供体制に向かうチャンス」の可能性も―社保審・医療部会
2020年度診療報酬改定に向け、「入院時食事療養費」の引き上げを求める声も―社保審・医療部会
「医師の働き方改革」を診療報酬でどうサポートするか、基本方針策定段階でも激論―社保審・医療部会
2020年度診療報酬改定「基本方針」論議始まる、病院薬剤師の評価求める声多数―社保審・医療部会



2020年度診療報酬改定を了承、「医師の働き方改革推進」を重点課題に据える―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「医師の働き方改革」だけでなく「制度の持続可能性」も重点課題とせよ―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「医師働き方改革」だけでなく「効率化」や「機能分化」なども重点課題ではないか―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「効率化・合理化の視点」「働き方改革の推進」「費用対効果評価」なども重要視点―社保審・医療保険部会



医師の働き方改革は「勤務医の負担軽減」のアウトカムに着目せよ、フォーミュラリは医師の処方権を侵害するものでない―中医協・支払側
「病院」単位の機能分化を進める診療報酬改定、働き方改革支援する【地域医療体制確保加算】新設に期待―四病協・日医