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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

ハーボニー等のC型肝炎治療薬、併用する「ワルファリンや糖尿病治療薬等」の用量調整が必要な可能性も―厚労省

2020.2.27.(木)

画期的なC型肝炎治療薬のハーボニー配合錠やソバルディ錠などにおいては、使用中の「併用薬」(とくにワルファリン、タクロリムスなどの「肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤」や糖尿病治療薬)の用量調節が必要になる可能性がある。これら薬剤を使用中の患者について、ハーボニー錠などを用いてC型肝炎治療等を行う場合には、原則、処方医に連絡するとともに、PT-INRや血中薬物濃度、血糖値のモニタリングを頻回に行うなど患者の状態を十分に観察する必要がある―。

厚生労働省は2月25日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした点について製薬メーカーに改訂を指示するとともに、医療現場に対し注意喚起を行いました(厚労省のサイトはこちら)。

今回、使用上の注意改定が指示されたのは、次の9医薬品です。薬剤部から診療部・看護部等への十分な情報提供を行い、患者の状態確認などを適切に実施することが求められます。また、場合によっては近隣薬局やクリニック等への情報提供も必要となってくるでしょう。



(1)抗パーキンソン剤の「ロチゴチン」(販売名:ニュープロパッチ2.25mg、同4.5mg、同9mg、同13.5mg、同18mg)

▽新たな【重大な副作用】:横紋筋融解症(▼筋肉痛▼脱力感▼CK(CPK)上昇▼血中・尿中ミオグロビン上昇―を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあり、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意する)



(2)痛風治療剤の「アロプリノール」(販売名:ザイロリック錠100、同錠50、ほか後発品極めて多数)

▽新たな【重大な副作用】:無菌性髄膜炎(▼項部硬直▼発熱▼頭痛▼悪心・嘔吐▼意識障害―などの症状を伴う無菌性髄膜炎が現れることがある。本剤投与後「数時間」で発症した例も報告されている)



(3)再発または難治性の急性前骨髄球性白血病治療に用いる「三酸化二ヒ素」(販売名:トリセノックス注10mg)

▽新たな【重大な副作用】:ウェルニッケ脳症(観察を十分に行い、▼意識障害▼運動失調▼眼球運動障害―などの症状が認められた場合には、ビタミンB1の測定、MRIによる画像診断等を行うとともに、「ビタミンB1投与」「本剤中止」などの適切な処置を行う)



(4)C型慢性肝炎・C型代償性肝硬変の治療に用いる「アスナプレビル」(販売名:スンベプラカプセル100mg)、「グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル」(販売名:マヴィレット配合錠)、「ソホスブビル」(販売名:ソバルディ錠400mg)、「ダクラタスビル塩酸塩」(販売名:ダクルインザ錠60mg)、「レジパスビルアセトン付加物・ソホスブビル」(販売名:ハーボニー配合錠)

▽【重要な基本的注意】の項に、「薬剤投与開始後、『ワルファリン(ワーファリン錠などの血栓塞栓症の治療・予防薬)やタクロリムス(プログラフなどの免疫抑制剤)の増量』、『低血糖によるインスリン等の糖尿病治療薬の減量』が必要となった症例が報告されており、本剤による抗ウイルス治療に伴い、使用中の『併用薬の用量調節』が必要になる可能性がある。特にワルファリン、タクロリムスなどの肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤や糖尿病治療薬を使用している患者に本剤を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、PT-INRや血中薬物濃度、血糖値のモニタリングを頻回に行うなど患者の状態を十分に観察する」旨を追記する



(5)C型慢性肝炎・C型代償性肝硬変の治療に用いる「エルバスビル」(販売名:エレルサ錠50mg)、「グラゾプレビル水和物」(販売名:グラジナ錠50mg)

▽【重要な基本的注意】の項に、「薬剤投与開始後、『ワルファリン(ワーファリン錠などの血栓塞栓症の治療・予防薬)やタクロリムス(プログラフなどの免疫抑制剤)の増量』、『低血糖によるインスリン等の糖尿病治療薬の減量』が必要となった症例が報告されており、本剤による抗ウイルス治療に伴い、使用中の『併用薬の用量調節』が必要になる可能性がある。特にワルファリン、タクロリムスなどの肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤や糖尿病治療薬を使用している患者に本剤を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、PT-INRや血中薬物濃度、血糖値のモニタリングを頻回に行うなど患者の状態を十分に観察する」旨を追記する



(6)C型慢性肝炎・C型代償性肝硬変の治療に用いる「ソホスブビル・ベルパタスビル」(販売名:エプクルーサ配合錠)

▽【重要な基本的注意】の項に、「薬剤投与開始後、『ワルファリン(ワーファリン錠などの血栓塞栓症の治療・予防薬)やタクロリムス(プログラフなどの免疫抑制剤)の増量』、『低血糖によるインスリン等の糖尿病治療薬の減量』が必要となった症例が報告されており、本剤による抗ウイルス治療に伴い、使用中の『併用薬の用量調節』が必要になる可能性がある。特にワルファリン、タクロリムスなどの肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤や糖尿病治療薬を使用している患者に本剤を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、PT-INRや血中薬物濃度、血糖値のモニタリングを頻回に行うなど患者の状態を十分に観察する」旨を追記する



(7)C型慢性肝炎・C型代償性肝硬変の治療に用いる「ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル・ベクラブビル塩酸塩」(販売名:ジメンシー配合錠)

▽【重要な基本的注意】の項に、「薬剤投与開始後、『ワルファリン(ワーファリン錠などの血栓塞栓症の治療・予防薬)やタクロリムス(プログラフなどの免疫抑制剤)の増量』、『低血糖によるインスリン等の糖尿病治療薬の減量』が必要となった症例が報告されており、本剤による抗ウイルス治療に伴い、使用中の『併用薬の用量調節』が必要になる可能性がある。特にワルファリン、タクロリムスなどの肝臓で代謝される治療域の狭い薬剤や糖尿病治療薬を使用している患者に本剤を開始する場合には、原則、処方医に連絡するとともに、PT-INRや血中薬物濃度、血糖値のモニタリングを頻回に行うなど患者の状態を十分に観察する」旨を追記する



(8)皮膚糸状菌(トリコフィトン属)による爪白癬の治療に用いる「ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物」(販売名:ネイリンカプセル100mg)

▽新たな【重大な副作用】:多形紅斑



(9)悪性神経膠腫の腫瘍摘出術中における腫瘍組織の可視化に用いる「アミノレブリン酸塩酸塩」(販売名:アラベル内用剤1.5g)、経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱がんの可視化に用いる「アミノレブリン酸塩酸塩」(販売名:アラグリオ顆粒剤分包1.5g)

▽新たな【重大な副作用】:低血圧(手術後も低血圧が遷延し、昇圧剤の持続投与が必要な症例も報告されている)



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