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急性期一般等の看護必要度、C項目に乳腺悪性腫瘍手術や観血的関節固定術など追加し、6日間カウント認める―厚労省

2020.3.5.(木)

【お詫びと訂正】急性期一般2・3の届け出について誤った情報を掲載しておりました。誠に申し訳ございません。お詫びして訂正いたします。急性期一般2・3の届け出には、従前どおり3か月以上の「急性期一般2では急性期一般1」・「急性期一般3では急性期一般1・2」の算定期間が必要となります(記事は訂正済です)。



厚生労働省は3月5日に、2020年度診療報酬に関する関係告示の交付・通知の発出を行いました。なお地方厚生(支)局等向けに開催している説明会については、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するために中止。代替として改定内容説明動画が配信されています。

Gem Medでは、順次、告示・通知内容をお伝えしていきます。今回は、まず急性期入院医療に関連する事項についてご紹介しましょう。

2020年度診療報酬改定に関する厚労省サイトはこちら(告示・通知・関係資料などが無料でダウンロードできます)

看護必要度の項目や基準値を見直し、C項目に追加される検査・手術を明確化

すでに明らかにされているとおり、急性期一般入院基本料については、実績評価指標である「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)について、項目や基準値の見直しが行われます。

項目の見直しについては、▼A項目:看護必要度Iの「救急搬送後の入院」について評価期間を入院後2日間から5日間に見直し、看護必要度Ⅱにおいて、救急医療管理加算1・2または夜間休日救急搬送医学管理料算定患者を入院後5日間評価対象とする▼B項目:「患者の状態」と「介助の実施」に分けた評価とし、根拠記録を不要とする▼C項目:評価期間を延長し(例えば開頭手術は7日間→13日間、開腹手術は7日間→12日間)、入院実施割合が9割以上かつ2万点以上の手術、入院実施割合が9割以上の手術を対象項目に追加する―などのほか、さらに重症患者(看護必要度を満たす患者)のカウント対象から、「『A1点以上・B3点以上』で、『診療・療養上の指示が通じる』『危険行動』のいずれかに該当する患者」(いわゆる基準2)が除外されます。

今般、C項目に追加される検査(2日間カウント)として▼経皮的針生検法▼EUS-FNA▼縦隔鏡▼腹腔鏡▼胸腔鏡▼関節鏡▼心カテ(右心・左心)―が、手術(6日間カウント)として▼眼窩内異物除去術▼鼓室形成術▼上・下顎骨形成術▼上咽頭悪性腫瘍手術▼甲状腺悪性腫瘍手術▼舌悪性腫瘍手術▼乳腺悪性腫瘍手術▼観血的関節固定術―などが明らかにされました。

看護必要度の見直し概要1(2020年度改定告示・通知(1)2 200305)

看護必要度の見直し概要2(2020年度改定告示・通知(1)2 200305)



あわせて、医療現場の実態や医療保険財政への影響なども踏まえた、重症患者割合(看護必要度を満たす患者の割合)の基準値についても、次のような見直しが行われます。

【急性期1】:看護必要度I・31%、看護必要度II・29%
【急性期2】:看護必要度I・28%(200床未満で現に急性期1・2を届け出ている場合には26%)、看護必要度II・26%(同24%)
【急性期3】:看護必要度I・25%(200床未満で現に急性期1・2・3を届け出ている場合には23%)、看護必要度II・23%(同21%)
【急性期4】:看護必要度I・22%(200床未満で現に急性期4を届け出ている場合には20%)、看護必要度II・20%(同18%)
【急性期5】:看護必要度I・20%、看護必要度II・18%
【急性期6】:看護必要度I・18%、看護必要度II・15%
【特定機能】:看護必要度I・-(後述するように不可)、看護必要度II・28%
【専門病院】:看護必要度I・30%、看護必要度II・28%

ただし、病院サイドの対応時間等も考慮し、「2020年9月30日までの半年間の経過措置」(ただし急性期4については1年間(2021年3月31日まで)、許可病床数200床未満の病院については2年間(2022年3月31日まで))が設けられています。極論すれば「経過措置期間中は重症患者割合がゼロ%であってもよい」ことを意味しますが、急性期病棟が本来果たすべき機能・役割に鑑みて、経過措置期間中から積極的な重症患者の確保に努めることが求められます。

重症患者割合の基準値の見直し概要(2020年度改定告示・通知(1)3 200305)

400床以上の大病院では看護必要度IIを要件化、4月・10月に切り替え届け出を

また、医療現場の働き方改革にも大きく関連しますが、看護必要度の測定方法について次のような見直しが行われます。

(1)B項目について「患者の状態」と「介助の実施」に分けた評価とするため、患者の状態等が明確に把握できることから、「評価の手引き」で求めている「根拠となる記録」を不要とする

(2)A項目(専門的な治療・処置のうち薬剤を使用するもの)・C項目について、看護必要度Iでも「レセプト電算処理システム用コード」を用いた評価とする(この部分については看護必要度I・IIとも同じとなる)

(3)「看護必要度の院内研修の指導者」要件から、「所定の(院外)研修を修了したものが行うことが望ましい」旨の記載を削除する

(4)許可病床数400床以上病院の「急性期1-6」・「7対1特定機能」について、「看護必要度II」を要件化する

このうち(4)について、厚労省は「看護必要度Iで運用を行っている病院では、4月または10月に看護必要度IIへの切り替えを行う必要がある」旨をQ&Aで提示。ただし、院内のシステム整備が必要なケースもあることから「2020年3月31日時点で『急性期1-6』・『7対1特定機能』を届け出ている場合、2020年9月30日までは基準を満たすものとみなす」(つまり9月までは看護必要度Iでも良い)との経過措置が行われます。したがって、既に院内システム整備が完了している400床以上病院ではこの4月(2020年4月)に、未完了病院では9月までにシステムを整え、この10月(2020年10月)に、看護必要度IIへの切り替え届け出を行うことが求められます。



C項目の追加検査・手術等が明らかにされたことなどを踏まえ、急性期1を届け出ている病院では、自院の重症患者割合の試算を行い「急性期1を維持する」「急性期2や3へ移行するのか」(看護師確保が難しい場合に、この選択肢がとりわけ魅力的である)などを検討する必要があります。



【変更履歴】急性期一般2・3の届け出について「急性期4からダイレクトに移行できると考えられる」と記載しておりましたが、誤っておりました。誠に申し訳ございません。お詫びして訂正いたします。急性期一般2・3の届け出には、従前どおり3か月以上の「急性期一般2では急性期一般1」・「急性期一般3では急性期一般1・2」の算定期間が必要となります。

認知症ケア加算、専任医師や専門看護師等配置を要件とする加算2を新設

上述のとおり、重症患者のカウント対象から「『A1点以上・B3点以上』で、『診療・療養上の指示が通じる』『危険行動』のいずれかに該当する患者」(いわゆる基準2)が除外されますが、急性期入院医療の現場において「認知機能に問題のある高齢患者」は増加を続けます。こうした急性期病棟等の負担を考慮し、2020年度改定では▼認知症ケア加算の見直し▼せん妄ハイリスク患者ケア加算の新設―という2つの手当てが行われます。

前者の【認知症ケア加算】については、(1)「専任医師」または「専門性の高い看護師」配置等を要件とする認知症ケア加算2の新設(2)認知症ケア加算3(現行の加算2)の「研修を受けた看護師」配置の強化(1名以上から3名以上に)(3)認知症ケア加算1の医師・看護師要件の緩和―といった見直しが行われます。次のように3区分とし、病棟の実情に合わせた認知症ケア体制をとることを可能とするものと言えるでしょう。

認知症ケア加算の見直し概要1(2020年度改定告示・通知(1)4 200305)



▽加算1(14日まで160点(10点増)、15日以降30点)
→認知症ケアチーム(専任の常勤医師(精神科・神経内科3年また研修修了)、専任の常勤看護師(経験5年かつ600時間以上研修修了)、専任の常勤社会福祉士または精神保健福祉士)を設置し、認知症患者に関わる全ての病棟看護師等への研修を実施し、認知症ケアチームと連携して病棟職員全体で認知症ケアを実施する

▽(新)加算2(14日まで100点、15日以降25点)
→「専任の常勤医師」(精神科・神経内科3年また研修修了)または「専任の常勤看護師」(経験5年かつ600時間以上研修修了)を配置、さらに9時間以上の研修を受けた看護師を3名以上配置(うち1名は院内研修で可)し、定期的に認知症ケアの実施状況を把握するとともに、認知症ケアを実践する病棟看護師へ助言を行う

▽加算3(現、加算2)(14日まで40点(10点増)、15日以降10点)
→9時間以上の研修を受けた看護師を3名以上配置(うち1名は院内研修で可)し、認知症ケアを実践する

認知症ケア加算の見直し概要2(2020年度改定告示・通知(1)5 200305)



なお、認知症ケア加算2・3では、9時間以上の研修を受けた看護師を3名以上配置し、「うち1名は院内研修で可」となっていますが、この点について厚労省はQ&Aの中で「『認知症患者のアセスメントや看護方法等に係る適切な研修(9時間以上)』を受講した看護師が実施する院内研修で、認知症患者の▼アセスメント▼看護方法―などに係る内容が必須である」ことを明らかにしましたが、具体的な内容や時間等の要件は設けない考えです。

せん妄リスクの高い患者等をスクリーニングし、対策を行うことを新加算で評価

また後者の【せん妄ハイリスクケア患者】(入院中1回、100点)は、「せん妄のリスク因子確認のためのチェックリスト」「ハイリスク患者に対するせん妄対策のためのチェックリスト」を作成している一般病棟(▼急性期一般▼特定機能病院(一般病棟)▼救命救急入院料▼特定集中治療室管理料▼ハイケアユニット入院医療管理料▼脳卒中ケアユニット入院医療管理料―算定病棟)で、入院患者に対して「せん妄のリスク因子確認」「ハイリスク患者に対するせん妄対策」を行った場合に、入院料に上乗せされるものです。

せん妄ハイリスク患者ケア加算の概要(2020年度改定告示・通知(1)6 200305)



チェックリストは各医療機関で参考様式を踏まえて作成してよい(特定の様式にとらわれずに良い)ことが厚労省からQ&Aで示されています。

【更新履歴】看護必要度見直しに関するスライドについて誤りがありました(昇圧剤使用(注射剤のみ)となっていた)。正しくは「免疫抑制剤(注射剤のみ)」です。お詫びして訂正いたします。スライドは修正済です。


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診療報酬で生活習慣病の重症化予防、治療と仕事の両立をどう進めていくか―中医協総会(2)
遺伝子パネル検査の保険収載に向けた検討進む、C-CATへのデータ提出等を検査料の算定要件に―中医協総会(1)
「院内助産」「外来での妊産婦対応」を診療報酬でどう支援していくべきか―中医協総会(2)
2020年度改定論議スタート、小児疾患の特性踏まえた診療報酬体系になっているか―中医協総会(1)
2020年度診療報酬改定に向け、「医師働き方改革」等のテーマ別や患者の年代別に課題を議論―中医協総会



中医協・基本小委、支払側が「看護必要度や地域包括ケア病棟などの厳格化」を強く要望
2020年度診療報酬改定に向け、「看護必要度」「地域包括ケア病棟」などの課題を整理―入院医療分科会
ICU、看護必要度とSOFAスコアを組み合わせた「新たな患者評価指標」を検討せよ―入院医療分科会(2)
A項目1点・B項目3点のみ患者、療養病棟で該当患者割合が高いが、急性期の評価指標に相応しいか―入院医療分科会(1)
病院病棟への「介護福祉士配置とその評価」を正面から検討すべき時期に来ている―入院医療分科会(3)
ICUの「重症患者」受け入れ状況、どのように測定・評価すべきか―入院医療分科会(2)
DPC病棟から地域包括ケア病棟への転棟、地ケア病棟入院料を算定すべきか、DPC点数を継続算定すべきか―入院医療分科会(1)
総合入院体制加算、地域医療構想の実現や病床機能分化を阻害していないか?―入院医療分科会(3)
救命救急1・3は救命救急2・4と患者像が全く異なる、看護必要度評価をどう考えるべきか―入院医療分科会(2)
「急性期一般2・3への移行」と「看護必要度IIの義務化」を分離して進めてはどうか―入院医療分科会(1)
【短期滞在手術等基本料3】、下肢静脈瘤手術などは外来実施が相当数を占める―入院医療分科会(4)
診療データ提出を小規模病院にも義務化し、急性期病棟にも要介護情報等提出を求めてはどうか―入院医療分科会(3)
資源投入量が少なく・在院日数も短いDPC病院、DPC制度を歪めている可能性―入院医療分科会(2)
看護必要度の「A1・B3のみ」等、急性期入院医療の評価指標として妥当か―入院医療分科会(1)
回復期リハ病棟でのFIM評価、療養病棟での中心静脈栄養実施、適切に行われているか検証を―入院医療分科会(2)
入院で実施されていない「免疫抑制剤の内服」「膀胱脱手術」など、看護必要度の評価対象から除くべきか―入院医療分科会(1)
回復期リハビリ病棟から退棟後の医療提供、どのように評価し推進すべきか―入院医療分科会(3)
地域包括ケア病棟の実績評価要件、在宅医療提供の内容に大きな偏り―入院医療分科会(2)
点数が「DPC<地域包括ケア」時点にDPC病棟からの転棟が集中、健全なのか―入院医療分科会(1)
療養病棟に入院する医療区分3の患者、退院患者の8割弱が「死亡」退院―入院医療分科会(2)
入退院支援加算1の「病棟への入退院支援スタッフ配置」要件、緩和すべきか―入院医療分科会(1)
介護医療院の整備など進め、患者・家族の「退院後の介護不安」解消を図るべき―入院医療分科会(2)
急性期一般1では小規模病院ほど認知症入院患者が多いが、看護必要度への影響は―入院医療分科会(1)
看護必要度IとIIとで重症患者割合に大きな乖離、要因を詳しく分析せよ―中医協・基本小委
自院の急性期患者の転棟先として、地域包括ケア病棟を選択することは「問題」なのか―入院医療分科会(2)
7対1から急性期2・3への移行は3%強にとどまる、看護必要度IIの採用は2割弱―入院医療分科会(1)
2020年度改定、入院医療では「救急」や「認知症対策」なども重要論点に—入院医療分科会(2)
DPC対象病院の要件を見直すべきか、入院日数やDPC病床割合などに着目して検討―入院医療分科会(1)
2018年度改定で新設された【急性期一般入院料1】を選択する理由はどこにあるのか―入院医療分科会
2020年度の次期診療報酬改定に向け、急性期一般入院料や看護必要度などを調査―入院医療分科会



2020年度に「稼働病床数を1割以上削減」した病院、国費で将来の期待利益を補助―厚労省



医師働き方改革、「新たな医療提供体制に向かうチャンス」の可能性も―社保審・医療部会
2020年度診療報酬改定に向け、「入院時食事療養費」の引き上げを求める声も―社保審・医療部会
「医師の働き方改革」を診療報酬でどうサポートするか、基本方針策定段階でも激論―社保審・医療部会
2020年度診療報酬改定「基本方針」論議始まる、病院薬剤師の評価求める声多数―社保審・医療部会



2020年度診療報酬改定を了承、「医師の働き方改革推進」を重点課題に据える―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「医師の働き方改革」だけでなく「制度の持続可能性」も重点課題とせよ―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「医師働き方改革」だけでなく「効率化」や「機能分化」なども重点課題ではないか―社保審・医療保険部会
2020年度診療報酬改定、「効率化・合理化の視点」「働き方改革の推進」「費用対効果評価」なども重要視点―社保審・医療保険部会



医師の働き方改革は「勤務医の負担軽減」のアウトカムに着目せよ、フォーミュラリは医師の処方権を侵害するものでない―中医協・支払側
「病院」単位の機能分化を進める診療報酬改定、働き方改革支援する【地域医療体制確保加算】新設に期待―四病協・日医