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厚労省の宿日直許可申請WEB相談窓口から「宿日直許可の取得」につながった事例も

2022.6.13.(月)

厚生労働省は4月1日から「宿日直許可申請に関するWEB相談窓口」を設置しています。

5月28日までに82件の相談が寄せられ、27件(33%)では労働基準監督署の担当者紹介がなされ、うち1件で「宿日直許可の取得」、6件で「許可申請が完了」、11件で「許可申請に向けた相談が継続中」となっていることなどが厚生労働省から明らかにされました。

労働基準監督署の担当者を紹介してもらい、具体的アドヴァイス受けられることも

2024年4月から、【医師の働き方改革】がスタートします。すべての勤務医に対して新たな時間外労働の上限規制(原則:年間960時間以下(A水準)、救急医療など地域医療に欠かせない医療機関(B水準)や、研修医など集中的に多くの症例を経験する必要がある医師(C水準)など:年間1860時間以下)を適用するとともに、追加的健康確保措置(▼28時間までの連続勤務時間制限▼9時間以上の勤務間インターバル▼代償休息▼面接指導と必要に応じた就業上の措置(勤務停止など)―など)を講じる義務が医療機関の管理者に課されるものです。

医師働き方改革の全体像(中医協総会1 210721)



新たな時間外労働規制のスタートまで「2年」を切っており、すべての病院で▼勤務医の労働内容の整理▼勤務医の労働時間の正確な把握▼タスク・シフティングの推進▼36協定の締結▼宿日直許可の取得―などを急ぎ進めていかなければなりません。

このうち「宿日直許可」については、2019年7月に厚労省が通知「医師、看護師等の宿日直許可基準について」を示し、「医師・看護師等の宿日直は『通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のもの』で、『特殊の措置を必要としない軽度または短時間の業務』実施のみを行う場合に限って認められる。例えば、夜間の救急搬送患者が常に多く、それに少ない宿直医等で対応しなければならないなど『通常の業務と同態様の業務が稀でない』ような場合には、宿日直は認めらない」との考えを整理しています。宿日直許可が認められなければ、夜間に行う業務などは「夜勤」、つまり「労働時間」(時間外労働)と扱われ、960時間・1860時間の制限をクリアすることが難しくなってきます。



ところで、医療機関がどの程度、宿日直許可を取得しているのかを見ると、▼「2024年4月以降に960時間を超える時間外労働が発生してしまう医師が存在する」病院(529病院)のうち、宿日直許可を取得しているのは32%、申請予定が44%だが、16%が申請予定なしである▼「2024年4月以降に960時間を超える時間外労働が発生してしまう医師が存在する」大学病院(69病院)のうち、宿日直許可を取得しているのは67%、申請予定が17%だが、12%が申請予定なしである(厚労省調査、関連記事はこちら)▼公立病院の3割程度が宿日直許可を取得していない(全国自治体病院協議会調査、関連記事はこちら)—といったやや心許ない状況です。

960時間を超える時間外労働が必要な医師がいるにもかかわらず「宿日直許可の申請」すらしていない病院もある(社保審・医療部会(1)3 220603)



宿日直許可の取得が医療機関で必ずしも十分に進んでいない背景には様々な点(基準が厳しいなど)がありますが、その1つに「医療機関サイドが、宿日直許可を申請するために何をどうすればよいのか十分に把握できていない」という面もあるようです。また「2次救急病院では宿日直許可を得れない」などの誤解もあるようです。

このため厚労省は4月1日に「宿日直許可申請に関するWEB相談窓口」を設置。今般、「4月1日から5月28日の相談状況」が明らかにされました。

相談件数を見ると、窓口開設以来、順調に伸び、5月28日時点で82件となっています。一般病院からの相談が多くなっていますが、公立病院や大学病院からの相談も一部あります。

宿日直許可WEB相談窓口への相談件数



相談内容は、▼許可基準(用語の定義など):56%▼制度の概要や手引き(提出書類など):24%▼労働基準監督署に相談する際の留意事項:3%▼その他医療法関連:17%—という状況です。

宿日直許可WEB相談窓口への相談内容



厚労省は相談内容に対して助言等をお行うとともに、必要に応じ、相談者(医療機関)の意向を踏まえたうえで「労働基準監督署や医療勤務環境改善支援センター(医療労務管理アドバイザー)への紹介」なども行っています。

これまでに相談を受け付けた82件のうち33%にあたる27件では、厚労省から労働基準監督署の担当者が紹介されました。そのうち1件では「宿日直許可の取得」がなされ、6件で「許可申請が完了」、11件で「許可申請に向けた相談が継続中」となるなど「成果」も上がっていることが明らかにされています。

労働基準監督署の担当者への紹介等状況



実際に「労働基準監督署への紹介・相談」に行った事例も紹介されています。

ある病院では過去に宿日直許可申請を行いましたが、労働基準監督署から「医師1人当たりの宿直回数が週1回以内でないことから、許可は難しい」との説明を受け、断念していました。

しかし、今般、厚労省の窓口に相談したところ、▼宿日直回数には例外もある(週1回を超える宿直など)▼当該医療機関には「健康上の理由で宿直業務に従事できない医師がおり、やむを得ず他の医師の宿直が週1回以上発生してまう」という事情があり、そうした事情を考慮すれば「宿日直許可を得られる可能性」がある—との助言を得ることができ、さらに労働基準監督署の担当者が紹介されました。当該医療機関が担当者に相談したところ、概ね1か月後に「宿日直許可を得る」ことが可能になっています。

宿日直許可を取得できた実事例



また2次救急医療機関と連携した輪番制に参加する病院が▼非輪番日の宿日直許可▼産科のみの宿日直許可(参加は輪番制対応が困難で、一定頻度の分娩対応をしている)—を得たいと考えていましたが、「労働基準監督署で門前払いされるのではないか?」「賃金等に関して、何か別の問題を掘り起こされ、指摘を受けてしまうのではないか」などの不安を持っていました。

この点、厚労省から「分娩が一定程度あっても、例えば助産師が対応し、当直医師は▼指示▼主治医への取次対応▼緊急時のみ通常勤務として対応する—などの態様であれば、宿日直許可を取得できる可能性がある」ことを説明。あわせて「労働基準監督署に相談してみてはどうか、その際には●●や◆◆の資料が必要となる」と勧奨。実際に労働器基準監督署の担当者を紹介することになりました。医療機関は「労働基準監督署から親切な助言を受けられた」と満足しているとのことです。

宿日直許可に関する相談の実事例



「●●のような工夫をすれば宿日直許可が得られる可能性がある」などのアドヴァイスを得るためにも、相談窓口を積極的に活用するべきでしょう。

宿日直許可に関する相談窓口と支援内容

宿日直許可に関する相談窓口



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