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新型コロナ緊急事態宣言の実効性高めるため、医療物資調達や感染患者受け入れる医療機関への財政支援を―全国知事会

2020.4.9.(木)

新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言の実効性を高めるために、例えば「N95マスクなどの医療物資の調達・供給を国で進める」「検査体制の充実や特効薬開発等を進める」「宿泊・自宅療養を行う軽症者・無症状者への医療提供を制度的に担保する」「感染患者を受け入れる医療機関への財政的支援を行う」などの総合体制を国で進めるべきである―。

全国知事会は4月8日に「『緊急事態宣言』を受けての緊急提言」を示し、こうした点を強く要請しました(全国知事会のサイトはこちら)。

軽症患者等を受け入れるホテル等の借り上げ経費は、国で負担せよ

新型コロナウイルス感染症患者の急増を踏まえ、安倍晋三内閣総理大臣が4月7日に、▼埼玉県▼千葉県▼東京都▼神奈川県▼大阪府▼兵庫県▼福岡県―の7都府県を対象として緊急事態宣言を行いました。爆発的な感染拡大(いわゆるオーバーシュート)を防止し、収束へと向かうめに、例えば「外出等を自粛する」「3つの密(密閉、密集、密接)を避ける」ことなどを要請するとともに、医療提供体制の確保(とりわけ重症者への入院医療体制確保)を目指すものです(関連記事はこちらこちら)。



この点、全国知事会では、▼対象地域での感染拡大の早期収束▼対象地域のさらなる拡大防止▼対象地域の知事による法定権能の十分な発揮―に向けて、都道府県が一致団結し、また都道府県と国が一体となって感染拡大防止に全力を挙げて取り組む考えを強調。あわせて、緊急事態宣言の実効性を高めるために、各施策に関連した提言を行っています。

医療提供体制に関する提言を見てみましょう。地域の医療提供体制整備の最終責任者は都道府県知事であり(もちろん政府(厚生労働省)が指針を示す)、重要な意味合いを持っています。

まず、マスクやゴーグルなどの医療物資の確保について、「国が責任をもって調達・供給するとしているが、医療現場ではいまだに▼M95マスク▼ゴーグル▼フェイスシールド▼長袖ディスポーザブルガウン▼グローブ▼手指消毒用アルコール▼防護服―などの医療物資が十分に行き届いておらず、医療機関が安心して診療に専念できない」と強調。医療物資が医療提供の足を引っ張らないよう、「引き続き、医療物資の調達・供給を進めるとともに、技術的、人的な支援も含め、安心して医療を提供できる体制を進めてほしい」と国に要望しています。

また感染防止を進めるために、▼感染患者情報を国と都道府県で共有する▼IgMおよびIgG抗体検査法を承認(薬事承認+保険適用)したうえで、PCR検査との併用による検査体制の効率化▼迅速なPCR検査実施に向けた必要な検査試薬の調達・確保や受検機会の拡大―などの体制を整備するとともに、▼簡易検査キット▼特効薬▼ワクチン―の早急開発と実用化によって、新型コロナ感染症に対する社会的不安を解消し、安心できる医療提供体制を構築することも要請しています。



また、患者数が急増する中では、地域の入院病床が不足する可能性が出てきます。このため、全国知事会では、次のような特例措置を設けるよう提案しています。

▽緊急事態宣言の対象地域であるか否かにかかわらず、重症者・中等症者を医療機関で適切に治療できるようにするため、「軽症者等を宿泊施設・自宅等で診療する」場合の医療法・健康保険法上の特例措置

▽既存病床の有効活用のため「精神病床等と一般病床間の一時的な転用を柔軟に行える」ような医療法上の特例措置

▽都道府県調整本部の設置や、「入院患者を受け入れる病床の確保に係る医療機関への要請」等の調整に資する国の支援(財政的、技術的、人的(医療従事者の派遣を含む))

より具体的には、▼巡回診療で対応する場合には、診療所開設手続きを不要とするなどの医療法の特例運用を行う▼空床確保に係る国庫補助について、病棟単位での確保など都道府県が必要と認めるものについてはすべて対象とする▼感染患者を受け入れる医療機関への診療報酬上乗せ▼一般病床や休床病床へ、感染患者・疑い患者(PCR検査中など)を入院させる場合の支援を行う(医師・看護師体制を別途整えることで医療機関の負担が増加する)▼無症状患者、軽症患者を受け入れるホテル等の借り上げにかかる経費を国がすべて負担すること―を求めています。

さらに、呼吸器内科治療や集中治療などに精通した医師や看護師、ECMO治療経験を持つ医療スタッフなどの「医療専門人材」について、広域的な融通制度(都道府県内での融通、都道府県を越えた融通)を設け、財政的・技術的・人的な支援を行うことも要請しました。



医療以外には、▼イベント等の開催や事業活動の自粛など感染防止のための協力要請に対する補償等▼対象地域から他地域への感染リスクの拡散防止、国民の行動変容を促すための注意喚起の徹底▼地域の自由度の高い財政支援制度の創設▼風評被害、差別意識の排除の推進―についても国へ提言を行っています。

第一線で闘う医療従事者への差別・偏見は許されない

また、併せて全国知事会では国民向けに「打倒コロナ!危機突破宣言」を公表(全国知事会のサイトはこちら)。

とりわけ「いわゆる医療崩壊」(患者数>医療機関の受け入れ数となった状態を指している)を防ぐために、▼重症・中等症・軽症ごとの医療の振り分けや病院内での感染防止に協力してほしい▼風邪症状や発熱が続いている場合は、まず「帰国者・接触者相談センター」に相談してほしい▼かかりつけ医療機関を受診するときも、事前に電話して指示に従うようにし、直接医療機関に行かない▼医療をはじめ感染症対策従事者など第一線で闘っている方々を、不確かな情報に惑わされることなく、差別や偏見を持たずに応援する―よう訴えています。地域によっては、医療従事者の来店を拒んだりする店舗があるなど、第一線で尽力される方にあり得ない対応をとっているという話もあります。国民全員が厳に慎まなければなりません。


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