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新たな地域医療構想の作成・実現に向け、各医療機関の入院医療等の実態、機能転換や再編・統合の状況等を把握—厚労省

2025.8.26.(火)

新たな地域医療構想の作成や、その実現に向けて「各医療機関の病床数や取得入院料、稼働率」「機能転換の状況」「再編・統合の状況」などを把握する—。

厚生労働省は8月14日に事務連絡「地域医療構想の取組の推進に向けた調査について」を示し、こうした点への回答を都道府県に要請しました(都道府県から厚労省への報告期限は9月16日)。

調査結果は予算要求や補助金交付の前提などに活用する可能性もある

ついに本年度(2025年度)に、いわゆる団塊世代がすべて75歳以上の後期高齢者となります。その後2040年にかけて、高齢者人口そのものは大きく増えない(高止まりしたまま)ものの、▼医療・介護双方のニーズを抱える85歳以上高齢者の比率が高まる▼支え手となる生産年齢人口が急激に減少していく(医療・介護人材の確保が極めて困難になる)—ことなどが分かっています。また人口構造の変化は地域によって大きく異なります。こうした状況を踏まえ、2040年頃までを見据えた「効率的かつ効果的な医療提供体制の設計図」【新たな地域医療構想】が求められています(関連記事はこちら)。

この新たな地域医療構想は、現在の地域医療構想と比較すると▼入院だけでなく、外来医療、在宅医療、医療・介護連携なども包含した「地域の医療提供体制全体の将来像」となる▼これまでの「病床機能報告」に加え、新たに「医療機関機能」の報告も各病院等に求める—などの特徴があり、現在「新たな地域医療構想」を各都道府県が策定する際の拠り所となるガイドラインづくりが進められています(地域医療構想及び医療計画等に関する検討会、関連記事はこちらこちら)。

さらに厚労省は、新たな地域医療構想の策定や取り組みの推進に向けて「医療機関の連携・再編・集約化の取り組み状況などを把握するための調査」を実施しています。具体的には、以下の内容について、各都道府県が管下医療機関の状況を把握し、国に報告するものです。

(1)医療機関(病院、クリニック)の状況
・名称
・設置主体
・所在する構想区域
・2022・23・24年度の各赤字額(黒字の場合は記載しない)
病床数適正化支援事業の申請等の状況(申請の有無、申請病床数)
・2025年度における地域医療介護総合確保基金の「病床機能再編支援事業」(確保基金I-2)の申請等の状況(申請の有無、申請病床数)
・在宅医療の提供状況(在宅療養支援診療所/在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料・精神科在宅患者支援管理料取得医療機関のいずれかに該当する場合)
・在宅医療の提供予定(上記のいずれかを取得する予定がある、現在、取得しさらに在宅医療の提供体制や機能の拡充などを行う予定がある場合)
・入院医療の継続の有無
・病床削減に伴い入院医療を中止する診療科
・病床稼働率(医療機関全体の2025年4-6月における「(在院患者数+退院患者数)÷(医療機関全体の病床数×当該3か月の日数)」)
・感染症協定締結の確保病床数
・許可病床数(全体、一般病床、療養病床、精神病床)
・削減予定病床数(全体、一般病床、療養病床、精神病床)

医療機関の状況把握



(2)病床の状況
・医療機関の名称
・算定するすべての入院料(休床の場合は休床前に算定していた入院料)
・入院料ごとの病床稼働率(2025年4-6月における「(在院患者数+退院患者数)÷(病床数×当該3か月の日数)」
・休床について2024年7月時点で再稼働の予定があったか否か
・当該医療機関が有する病床数
・削減する病床(全体、2025年度の削減病床数、2026年度の削減予定病床数)
・病床削減に伴い入院医療を中止する診療科

病床の状況把握



(3)機能転換の状況
・医療機関の名称
・算定する入院料
・病棟全体で看護配置の変更を伴う転換の状況(変更前の病床数/変更後の算定入院料と病床数/変更の時期/入院医療を中止する診療科)

機能転換の状況把握



(4)再編等の状況
・医療機関の名称
・他医療機関との再編等の状況(再編の時期/具体的な再編計画(地域医療連携推進法人による再編等の場合はその旨を含めて記載する)/入院医療を中止する診療科)

再編等の状況把握



報告内容について「個別の医療機関の特定につながる情報」は公表されません。また、調査結果は、必要に応じて「今後の予算要求等(補助金等)にも活用し、その交付の前提となる」可能性もあるため、各医療機関は都道府県からの照会に対し「正確に回答する」ことが求められます。

なお、厚労省は骨太方針2025(経済財政運営と改革の基本方針2025)を踏まえて、許可病床数や医療措置協定の確保病床数、当面の病床削減の予定などを「定期的に把握する」予定です。



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