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診療報酬改定セミナー2024 看護必要度シミュレーションリリース

有床診、2018年1月末から2月末にかけ28施設・380床の減少―医療施設動態調査(2018年2月)

2018.5.29.(火)

 今年(2018年)の1月末から2月末にかけて、病院の病床数は253床減少して155万5133床となり、有床診療所は380床減少し7166施設・9万7731床となった。仮に現在のペースで減少が続けば、今年(2018年)9月には7000施設を切り、2020年2月には9万床を割ってしまう―。

 このような状況が、厚生労働省が5月29日に公表した医療施設動態調査(2018年2月末概数)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

有床診療所は施設数・病床数減少はとどまるところを知らない

有床診療所は施設数・病床数減少はとどまるところを知らない

 

有床診の施設数は月27施設弱のペースで減少、2018年9月には7000施設を切る見通し

 厚生労働省は、毎月末における全国の病院・診療所数の増減を「医療施設動態調査」として公表しています(前月末の状況はこちら、前々月末の状況はこちら、さらにその前の月末の状況はこちら)。

 今年(2018年)2月末の状況を見ると、全国の医療施設は計17万8937施設で、前月末から92施設減少しました。うち病院の施設数は、前月末から2施設減少して8399施設となっています。病院の種類別に見ると、▼一般病院:7342施設(前月から2施設減)▼精神科病院:1057施設(同増減なし)—という状況です。一般病院のうち「療養病床を有する病院」は3780施設で前月末から5施設減少、「地域医療支援病院」は560施設で前月末から変わっていません。

 一方、医科の診療所は10万1777施設で前月から60施設減少しました。うち有床診療所は、前月から28施設減少し、7166施設となっています。

 無床の医科診療所(2017年11月末から12月末にかけ60施設減、その後、2018年1月末にかけ42施設減少、2月末にかけ32施設減少)、歯科診療所(同じく58施設減、73施設、30施設減)も減少が続いています。

 
 有床診療所は、2年前(2016年2月末)には7811施設(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2017年2月末)には7485施設(厚労省のサイトはこちら)であったので、2016年2月末から17年2月末までの1年間で326施設、さらに今年(2018年)2月末までの次の1年間で319施設減少しています。有床診療所の施設数は、2017年2月末以降、次のように推移しています。

▼2017年2月末:7485施設

 ↓(21施設減)

▼2017年3月末:7464施設

 ↓(38施設減)

▼2017年4月末:7426施設

 ↓(29施設減)

▼2017年5月末:7397施設

 ↓(17施設減)

▼2017年6月末:7380施設

 ↓(17施設減)

▼2017年7月末:7363施設

 ↓(21施設減)

▼2017年8月末:7342施設

 ↓(25施設減)

▼2017年9月末:7317施設

 ↓(56施設減)

▼2017年10月末:7261施設

 ↓(25施設減)

▼2017年11月末:7236施設

 ↓(18施設減)

▼2017年12月末:7218施設

 ↓(24施設減)

▼2018年1月末:7194施設

 ↓(28施設減)

▼2018年2月末:7166施設

 この1年間、1か月当たり27施設弱のペースで減少が続いています。このままのペースで推移すれば、今年(2018年)9月末には7000施設を切る計算です。

有床診のベッド数は1か月に330床強減少、2020年2月に9万床切る可能性

 次の医療施設の病床数(ベッド数)を見てみましょう。

医療施設全体では今年(2018年)2月末で165万2928床で、1月末から633床の減少となりました。うち病院の病床数は155万5133床で、昨年末から253床減少しています。病床種類別に見ると、▼一般病床:89万1872床(前月比324床増)▼療養病床:32万4846床(同376床減)▼精神病床:33万1432床(同171床減)—などとなっています。

 また、有床診療所の病床数は1月末から380床減少し、9万7731床となりました。2年前(2016年2月末)には10万5649床(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2017年2月末)には10万1697床(厚労省のサイトはこちら)であったので、2017年2月末までの1年間で3952床、今年(2018年)2月末までの次の1年間で3966床減少しています。2017年2月末以降、有床診のベッド数は次のように推移しています。

▼2017年2月末:10万1697床

 ↓(335床減)

▼2017年3月末:10万1362床

 ↓(489床減)

▼2017年4月末:10万873床

 ↓(407床減)

▼2017年5月末:10万466床

 ↓(226床減)

▼2017年6月末:10万240床

 ↓(221床減)

▼2017年7月末:10万19床

 ↓(282床減)

▼2017年8月末:9万9737床

 ↓(206床減)

▼2017年9月末:9万9531床

 ↓(688床減)

▼2017年10月末:9万8843床

 ↓(306床減)

▼2017年11月末:9万8537床

 ↓(149床減)

▼2017年12月末:9万8388床

 ↓(277床減)

▼2018年1月末:9万8111床

 ↓(380床減)

▼2018年2月末:9万7731床

 この1年間は、1か月当たり330床強のペースで減少が続いています。仮にこのペースが継続するとすれば、今年(2018年)11月には9万5000床を切り、2020年2月には9万床を割る計算です。病院と有床診療所では、地域で果たす機能等が大きく異なりますが、単純にベッド数のみに着目し「毎月、330床の病院が1施設ずつ閉院している」と考えれば、減少スピードを実感できるのではないでしょうか。

 
 地域によっては、「入院医療機関は有床診療所のみ」というところもあり、有床診療所の経営を一定程度、下支えする必要があります。厚労省は、有床診療所を大きく(1)専門的な医療サービスを効率的に提供する「専門医療提供モデル」(2)主に地域医療を提供する「地域包括ケアモデル」—に大別。後者の「地域包括ケアモデル」には、▼在宅医療の拠点▼在宅医療・介護施設への受け渡し▼終末期医療提供—といった、今後、構築を進めるべき地域包括ケアシステムの中で、非常に重要な役割を果たす有床診について、とくに経営を下支えする必要があるとし、2018年度の診療報酬・介護報酬改定で次のような見直しを行っています。
2018年度診療報酬改定(有床診療所)
 
▽介護サービスを提供する有床診療所では、高い報酬である入院基本料1-3までの要件を緩和し、要介護者の入院受け入れを新たに【介護連携加算】として評価する(診療報酬、関連記事はこちら
▼利用者専用病床を1床確保すれば、看護小規模多機能型居宅介護の「宿泊室」の設備基準を満たしているとみなす(介護報酬、関連記事はこちら
2018年度介護報酬改定(有床診療所)
 
さらに、都道府県の作成する医療計画の中で、「地域包括ケアシステムの中で重要な役割を果たすと考えられる有床診は、病床過剰地域においても例外的に新設可能とする」との規定が、緩和・拡大されています(関連記事はこちら)。

これらの見直しの効果は、今年(2018年)4月以降、徐々にあらわれてくると考えられ、今後の有床診の動向をしっかりと注視していく必要があるでしょう。

病院病床数は、2017年末に減少ペースを速めたように見えたが、2018年に入って「一休み」しているようだ

病院病床数は、2017年末に減少ペースを速めたように見えたが、2018年に入って「一休み」しているようだ

療養病床のベッド数も減少ペースがさらに速まっている

療養病床のベッド数も減少ペースがさらに速まっている

 
 
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