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常勤医師が必要か、非常勤でもよいのかを明確にした上で、「医師確保計画」策定を―日医総研

2019.1.29.(火)

 医師確保等のベースとなる医師・歯科医師・薬剤師調査には、現在「兼務医師を重複カウントしている」などの問題があり、「兼務状況の調整」「地元のリアルタイム情報による調整」が必要となる。また、医師偏在解消に向けて都道府県が策定する「医師確保計画」に向けて、各医療機関が求める医師の「業務形態」を明確にしておく必要がある―。

 日本医師会のシンクタンクである日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は1月22日にリサーチエッセイ「医師偏在の解消にむけたデータの活用について―『医師・歯科医師・薬剤師調査』をそのまま活用することの限界—」を公表し、このような提言を行いました(日医総研のサイトはこちら)。

三師調査の活用では、医師の「兼務」状況の調整や、地元情報に基づく調整が必要

医師の地域偏在・診療科偏在がこれまで以上にクローズアップされています。医師偏在はかねてから問題視され、さまざまな対策が採られてきましたが、必ずしも十分な効果を生んでいないと指摘されます。

このため、昨年(2018年)の通常国会で、医師偏在対策を柱の1つとする改正医療法・医師法が成立し、現在、施行に向けた詳細な制度設計が厚生労働省の「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)で行われています。都道府県が、地域の状況を踏まえた「医師確保計画」(●年までに○人の医師を、どのような方法で確保するのか)を策定し、医師派遣や地域枠・地元枠などを活用し、偏在を解消していく方向と、その詳細が固まりつつあります(関連記事はこちらこちらこちら)。
医師需給分科会(1)1 181128
 
ところで、医師偏在対策をはじめとした医師確保政策を議論する際、その基礎データの1つとして、厚労省が2年に一度実施する「医師・歯科医師・薬剤師調査」(以下、三師調査)が用いられます。施設の種類別、年齢別、性別、診療科別、都道府県別等に、医師等がどれだけ在籍しているのかを調べるものです。

例えば、医師需給分科会では、新たな医師偏在指標を固めましたが、このベースは三師調査の「人口10万対医師数」です。

また、今年度(2018年度)から全面スタートした新専門医制度については、「医師の地域偏在等を助長する恐れがある」との指摘を受け、三師調査結果との比較が行われました。

 
このように、非常に重要な基礎データとなる三師調査ですが、2014年までは、勤務地のみを補足するに過ぎず、例えば、A市の大学病院に勤務する医師が、B町の病院で週1回勤務するような場合、B町での勤務はカウントされていませんでした(関連記事はこちら(2014年調査に関する記事))。

そこで2016年調査では、上記例で「B町での勤務」もカウントすることとなりました(さらに2018年調査(本年(2019年)12月公表予定)では宿日直状況も把握)が、依然として次のような課題があると日医総研は指摘します(関連記事はこちら(2016年調査の関する記事))。

▽複数医療機関等で「兼務」している医師は全体の14.8%(4万6978人)おり、単純にカウント(重複カウント)すると、この分「医師が多く」なってしまう

▽重複カウントによって、2次医療圏別、市区町村別、診療科別に細分化していくと、実態との乖離が広がってしまう

 
 これらの課題は2018年調査では相当程度解消されますが、そのデータが示されるのは、今年(2019年)12月予定であり、当面の最新データは課題のある2016年調査となります。日医総研では、「地域別医師数の分析にあたっては兼務状況の集計結果も活用すべき」「地元(地域の自治体)が把握するリアルタイム情報をもとに三師調査を調整すべき」と提言。

さらに、前述した都道府県による「医師確保計画」策定に向けて、各医療機関で「どのような勤務形態の医師が必要なのか」(自前確保(常勤等)か、派遣(非常勤等)でよいのか、など)を明確にしておくことが重要とも付言しています。「当面は、非常勤の医師を確保できればよい」と考える医療機関が多ければ、確保すべき医師数は少なく済み、当然計画の内容も変わってくるためで、重要な視点と言えるでしょう。
 
   
 

 

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