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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

オプジーボ・キイトルーダに「小腸炎」の副作用、多くの鎮痛薬を「12歳未満」等で禁忌に―厚労省

2019.7.16.(火)

 画期的な抗がん剤(免疫チェックポイント阻害剤)であるオプジーボとキイトルーダに、新たに「小腸炎」の重大な副作用が判明した。また多くの鎮痛薬について、「12歳未満の小児」などを【禁忌】に明確に位置付ける―。

 厚生労働省は7月9日に通知「『使用上の注意』の改訂について」を発出し、こうした情報提供を行いました(厚労省のサイトはこちら)。厚労省は製薬メーカーに対し、速やかに「使用上の注意」を改訂するよう指示しています((11)の一般用医薬品については「できるだけ早く」)。

 
(1)肺動脈性肺高血圧症の治療に用いる「エポプロステノールナトリウム」(販売名:静注用フローラン0.5mg、同1.5mg、ほか後発品あり)

▽新たな【重大な副作用】:血小板減少(定期的な臨床検査などの観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・投与中止等の適切な処置を行う)

▽【重要な基本的注意】の項に、「血小板減少が現れることがあるので、定期的な臨床検査などの観察を十分に行う」旨を追記する

 
 
(2)悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、根治切除不能・転移性の腎細胞がん、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発・遠隔転移のある頭頸部がん、化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん、化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫の治療に用いる「ニボルマブ(遺伝子組換え)」(販売名:オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同240mg)

▽新たな【重大な副作用】:小腸炎(腸炎から穿孔、イレウスに至る例が報告されている)

 
 
(3)手術不能または再発の乳がん治療に用いる「パルボシクリブ」(販売名:イブランスカプセル25mg、同125mg)

▽【警告】の項に、新たに「間質性肺疾患が現れ死亡に至った症例も報告されている。▼呼吸困難▼咳嗽▼発熱―などの初期症状の確認、胸部X線検査の実施など、患者の状態を十分に観察する。異常が認められた場合は、本剤の投与を中止し、必要に応じて胸部CT、血 清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行う」旨を追記する

▽【慎重投与】の項に、新たに「間質性肺疾患のある患者、またはその既往歴のある患者」を追記する

▽【重要な基本的注意】の項について、従前からの「間質性肺疾患が現れることがあり、本剤の投与にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認・胸部X 線検査の実施等、患者の状態を十分に観察する」ことに加え、新たに「患者に副作用について説明するとともに、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には速やかに医療機関を受診するよう説明する」旨を追記する

▽【重大な副作用】の項について、従前からの「間質性肺疾患が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には本剤の投与を中止する」ことに加え、新たに「必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行う」旨を追記する

 
 
(4)悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫、化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん、化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん(標準治療困難な場合)の治療に用いる「ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg)

▽新たな【重大な副作用】:小腸炎(腸炎から穿孔、イレウスに至る例が報告されている)

 
 
(5)スギ花粉症の治療(減感作療法)に用いる「スギ花粉エキス原末」(販売名:シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU、同5000JAU)、ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法に用いる「コナヒョウヒダニ抽出エキス及びヤケヒョウヒダニ抽出エキス」(販売名:ミティキュアダニ舌下錠3300JAU、同10000JAU)

▽【重要な基本的注意】において、「服用後2時間以降に、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を行う場合にもアナフィラキシー等の副作用の発現に注意する」旨を追記する

 
 
(6)スギ花粉症の治療(減感作療法)に用いる「標準化スギ花粉エキス原液(舌下に投与するものに限る)」(販売名:シダトレンスギ花粉舌下液200JAU/mLボトル、同2000JAU/mLボトル、同2000JAU/mLパック)、ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法に用いる「ヤケヒョウヒダニエキス原末・コナヒョウヒダニエキス原末」(販売名:アシテアダニ舌下錠100単位(IR)、同300単位(IR))

▽【重要な基本的注意】において、「服用後2時間以降に、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を行う場合にもアナフィラキシー等の副作用の発現に注意する」旨を追記する

 
 
(7)非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛、抜歯後の疼痛における鎮痛に用いる「トラマドール塩酸塩(経口剤)」(販売名:トラマールOD錠25mg、同50mg、ほか後発品あり)、「トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン」(販売名:トラムセット配合錠、ほか後発品あり)

▽【禁忌】の項に、新たに「12歳未満の小児」を追加する

▽【重要な基本的注意】の項から、「重篤な呼吸抑制が現れるおそれがあるので、12歳未満の小児には投与しない」旨を削除する(禁忌に移行)

 
 
(8)各種がん、術後の鎮痛に用いる「トラマドール塩酸塩(注射剤)」(販売名:トラマール注100)

▽【禁忌】の項に、新たに「12歳未満の小児」および「扁桃摘除術後またはアデノイド切除術後の鎮痛目的で使用する18歳未満の患者」を追加する

▽【重要な基本的注意】の項から、「重篤な呼吸抑制が現れるおそれがあるので、12歳未満の小児には投与しない」「重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがあるので、18歳未満 の扁桃摘除術後またはアデノイド切除術後の鎮痛には使用しない」旨を削除する(禁忌に移行)

 
 
(9)各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静や疼痛時における鎮痛、激しい下痢症状の改善に用いる「コデインリン酸塩水和物」(販売名:コデインリン酸塩錠5mg「シオエ」ほか)、「ジヒドロコデインリン酸塩(販売名:ジヒドロコデインリン酸塩散1%「シオエ」ほか)

▽【禁忌】の項に、新たに「12歳未満の小児」および「扁桃摘除術後またはアデノイド切除術後の鎮痛目的で使用する18歳未満の患者」を追加する

▽【重要な基本的注意】の項から、「重篤な呼吸抑制が現れるおそれがあるので、12歳未満の小児には投与しない」「重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがあるので、18歳未満 の扁桃摘除術後またはアデノイド切除術後の鎮痛には使用しない」旨を削除する(禁忌に移行)

 
 
(10)急性気管支炎,慢性気管支炎,感冒・上気道炎に伴う咳嗽および喀痰喀出困難の改善に用いる「ジヒドロコデインリン酸塩・キキョウ流エキス・カンゾウエキス・シャゼンソウエキス・ シャクヤクエキス」(販売名:オピセゾールコデイン液)、「ジヒドロコデインリン酸塩・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩」(販売名:クロフェドリンS配合錠、フスコデ配合錠、ライトゲン配合シロップ)、「ジヒドロコデインリン酸塩・ジプロフィリン・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・アセトアミノフェン・ブロモバレリル尿素」(販売名:カフコデN配合錠)、「ジヒドロコデインリン酸塩・エフェドリン塩酸塩・塩化アンモニウム」(販売名:セキコデ配合シロップ)

▽【禁忌】の項に、新たに「12歳未満の小児」を追加する

▽【重要な基本的注意】の項から、「重篤な呼吸抑制が現れるおそれがあるので、12歳未満の小児には投与しない」旨を削除する(禁忌に移行)

 
 
(11)一般用医薬品の風邪薬である「コデインリン酸塩水和物含有製剤」「ジヒドロコデインリン酸塩含有製剤」(一般用医薬品)

▽「12歳未満の小児」について服用しない(させない)こととする

 
 
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