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X線画像でも体内残存ガーゼを発見できない事例も、「ガーゼ残存の可能性」考慮した画像確認を―医療機能評価機構

2019.8.16.(金)

 お伝えしているとおり、手術時にガーゼが患者の体内に残存する医療事故が頻発しています。2016年1月から今年(2019年)3月末までに57件も「ガーゼ残存事故」が報告され、このうち26件では「X線画像でもガーゼ残存を確認できなかった」事例です。

 日本医療機能評価機構は8月15日に「医療安全情報 No.153」を公表して、こうした状況を明らかにしました。その背景には、▼ガーゼカウントが合っており「ガーゼが残存していない」という前提でX線画像を確認していた▼画面が小さく、X線画像を確認しにくかった―ことなどがあり、機構では「ガーゼ残存の可能性があるという前提でX線画像を確認する」「大画面モニタで、輝度の変更を行いながらX線画像を確認する」ことなどを求めています(機構のサイトはこちら)。

「ガーゼ残存の可能性あり」との前提でX線画像の確認を

 日本医療機能評価機構は、全国の医療機関から医療事故やヒヤリ・ハット事例(事故に至る前に防いだもののヒヤリとした、ハッとした事例)の報告を受け付け(国立病院や特定機能病院等では報告義務あり)、その内容や背景を詳しく分析したうえで、事故等の再発防止に向けた提言等を行っています(医療事故情報収集等事業、医療事故情報収集等事業、関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

さらに事故事例などの中から、とくに留意すべき事例を毎月ピックアップし、内容を簡潔に整理して「医療安全情報」として公表。医療現場に特段の注意喚起を促しています(最近の情報はこちらこちらこちら)。8月15日に公表された「医療安全情報No.153」では「手術時のガーゼの残存」((2)X線画像の確認)がテーマとなりました。

 上述のように、「ガーゼ残存」事故は2016年1月から今年(2019年)3月までに57件も発生しており、うち43件ではX線撮影が行われていますが、その中の26件は「X線画像でも体内のガーゼを発見できなかった」ことが分かりました。
 
 また、このX線画像でも体内に残ったガーゼを発見できなかった26件のうち、24件では閉創まえに「ガーゼカウントが合っていた」ことから、X線画像の確認が十分ではなかったと推測されます。機構の分析では▼カウントが合っていたため「ガーゼが残存していない」という前提でX線画像を確認していた▼ガーゼが骨と重なっていた▼挿入したドレーン・チューブに注目して確認していた▼画面が小さく、X線画像を確認しづらかった▼X線撮影の範囲に「ガーゼが残存した部位」が含まれていなかった―という背景があることが分かりました。
医療安全情報153 190815の図表
 
 ある病院では、緊急帝王切開術を行い、閉創前のガーゼやミクリッツガーゼのカウントが合っていたため閉腹して手術を終了しました。手術終了時にX線撮影をした際、医師は「ガーゼカウントが合っていた」という認識で画像を確認し、脊椎と重なって写っていたガーゼに気付きませんでした。その後、患者にイレウス症状が出現したためCT検査を実施したところ、ガーゼの残存が疑われ、試験開腹したところミクリッツガーゼが発見されました。

 
 また別の病院では、開心術の際、ガーゼカウントが合っていたため閉胸して手術を終了。手術終了時に撮影したX線画像にはガーゼが写っていたものの、胸骨と重なっていたため医師はガーゼに気付きませんでした。その後、退院前に実施した心臓カテーテル検査の際に ガーゼが残存していることが判明したといいます。

 
 機構では、例えば▼ガーゼカウントが合っていても「ガーゼが残っている可能性がある」という認識でX線画像を確認する▼X線画像は、大画面モニタを用いて、輝度の変更を行い確認する▼X線画像で確認しやすいガーゼの導入を検討する―などの対策をとるよう要請しています。

 
 

 

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