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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

医師働き方改革、宿日直取得「後」も業務実態の把握・勤務環境の改善を進めなければならない点に留意を―厚労省

2024.4.10.(水)

医師働き方改革がこの4月(2024年4月)からスタートしている。その一環として宿日直取得があるが、取得「後」も、業務実態の把握・勤務環境の改善を進めなければならない―。

これを怠り、宿日直許可の内容と業務実態に「乖離」があれば、宿日直許可の期間中の「すべて労働時間とカウントされる」可能性がある点に留意してほしい—。

厚生労働省は3月29日に「宿日直許可取得後の適切な労務管理のために」を示し、医療機関等に留意を求めました(厚労省サイトはこちら)。

院内で「世代を越えた意見交換会」を実施することも非常に有用

ついに、この4月(2024年4月)から、【医師の働き方改革】がスタートしました。

すべての勤務医に対して新たな時間外労働の上限規制(原則:年間960時間以下(A水準)、救急医療など地域医療に欠かせない医療機関(B水準)や、研修医など集中的に多くの症例を経験する必要がある医師(C水準)など:年間1860時間以下)を適用するとともに、追加的健康確保措置(▼28時間までの連続勤務時間制限▼9時間以上の勤務間インターバル▼代償休息▼面接指導と必要に応じた就業上の措置(勤務停止など)―など)を講じる義務が医療機関の管理者に課されるものです。

医師働き方改革の全体像(中医協総会1 210721)



この時間外労働規制の中では「宿日直許可」の取得が非常に重要となります。

「宿日直許可」については、2019年7月に厚労省が通知「医師、看護師等の宿日直許可基準について」を示し、「医師・看護師等の宿日直は『通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のもの』で、『特殊の措置を必要としない軽度または短時間の業務』実施のみを行う場合に限って認められる。例えば、夜間の救急搬送患者が常に多く、それに少ない宿直医等で対応しなければならないなど『通常の業務と同態様の業務が稀でない』ような場合には、宿日直は認めらない」との考えを整理しています。宿日直許可が認められなければ、夜間に行う業務などは「夜勤」、つまり「労働時間」(時間外労働)と扱われ、960時間・1860時間の制限をクリアすることが難しくなってきます。

宿日直許可基準の概要(宿日直許可後の労務管理1 240401)



この点、多くの医療機関で宿日直許可取得が進んでいますが、「宿日直の許可を得られれば、それで安心」とはいきません。宿日直許可を得ていても「通常と変わらない程度の業務」が発生すれば、それは夜勤として労働時間にカウントされます。またそうした状態が常態化すれば「宿日直許可の取り消し」にもつながります。



厚労省は、宿日直許可を得た「後」にも次のような点に留意することを求めています。

まず、宿日直許可後でも、許可を受けた宿日直中に、「通常と同態様の業務」を行った場合、その時間は労働時間となる点に留意が必要です。この時間については、宿日直手当とは別に本来の賃金(+必要な割増賃金)を支払う必要があります。

また、許可の後に、「許可の内容に沿った運用ができなくなった」「又は許可の内容から勤務実態が事実上乖離してしまった」場合には、許可の効果が及ばなくなる可能性があります(宿日直中の全ての時間が労働時間となる)。

こうした場合には、▼まず「勤務内容の見直し」を行う▼それでも許可内容に沿った運用が難しければ「許可の再申請」などを行う―ことが必要となります。

宿日直許可後にも重要となる点(宿日直許可後の労務管理2 240401)



このため宿日直許可取得「後」にも、▼宿日直許可書の内容と実態を確認する▼副業・兼業先の宿日直業務も含めて宿日直業務時の勤務環境改善を進める—ことが必要となります。

前者について厚労省は「宿日直業務のチェックリスト」を示しています。これらも活用し、各医療機関において「宿日直許可書の内容に実態が沿っているか、乖離が生じていないか」を定期的に確認することが必要です。

宿日直業務に関するチェックリスト1(宿日直許可後の労務管理3 240401)

宿日直業務に関するチェックリスト2(宿日直許可後の労務管理4 240401)



また後者についても、さらなる勤務環境改善に向けたチェックリストが示されました。例えば、自院において▼宿日直許可の内容や業務態様が、宿日直を行う医師と「一緒に働く他のスタッフ」等にも共有されているかの確認▼仮眠室整備などの環境整備の確認▼タスク・シフト/シェアなどの業務量削減の確認▼通常業務が発生した場合の連絡体制(オンコール医師など)確保の確認▼宿日直明けの勤務者への配慮の確認—などが、副業・兼業先において▼宿日直時間帯に突発的に診療等の通常業務を行った時間等の確認体制の確認—などが必要となります。

副業先等もチェックリスト(宿日直許可後の労務管理5 240401)



なお、宿日直後の労務管理については、▼全国の労働基準監督署▼各都道府県にある医療勤務環境改善支援センター(勤改センター)—へ相談が可能です。

宿日直許可に関する相談先(宿日直許可後の労務管理6 240401)



さらに厚労省は「医療機関内での世代を越えた意見交換」を開催するよう推奨しています(意見交換により他世代間の考えを聞き、理解を深めることができる、関連記事はこちらこちら)。

院内での世代を越えた意見交換会が有益(宿日直許可後の労務管理7 240401)



医師働き方改革は「この4月(2024年4月)を乗り切れば終わり」ではありません。後述するようにB水準は段階的に廃止されていきます(段階的に「1860時間」の上限が低くなっていく)し、スタート後(2024年4月以降)に「以前は、すべての勤務医が960時間以内に収まると予想していたが、どうも960時間を超える医師が出てきそうだ」などの事態が判明することもあるでしょう。

厚生労働省は、こうした病院は「直ちに評価受審などに動く必要がある」と強調しており、またこうした事態に速やかに対応するためにも都道府県と各医療機関とのコミュニケーションをさらに強化していくことも重要です。



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