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オンライン診療、実施指針等と整合するよう施設基準・要件を見直し―中医協総会(2)

2019.12.19.(木)

オンライン診療料等について、今夏に改訂された「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に整合するように施設基準や算定要件等の見直しを行ってはどうか―。

12月18日に開催された中央社会保険医療協議会・総会では、こういった方向も概ね固められました。

12月18日に開催された、「第442回 中央社会保険医療協議会 総会」

今夏に改訂された「オンライン診療の適切な実施に関する指針」等の整合性を確保

スマートフォンなどの情報通信機器を用いたオンライン診療については、2018年度の前回診療報酬改定において【オンライン診療料】や【オンライン医学管理料】、【オンライン在宅管理料】が創設されました。

ただし画像や音声のみからでは、直接の対面診療に比べて「得られる情報」が限定されてしまうこと(誤診の可能性がある)を踏まえ、いずれも、すでに「医師と患者との間で信頼関係が構築されている」ケース(6か月以上の継続診療など)について、オンライン診療計画に基づいて、対面診療・実際の訪問診療等と組み合わせて実施するなど、極めて「限定的」に導入されています。

この点、中医協総会では「要件を緩和していくべき」と訴える支払側委員と、「安全性・有効性に関するエビデンスの構築が先である」と反対する診療側との間で激しい議論が交わされていますが、11月8日の中医協総会では「段階的に要件緩和等を検討していく」方針が確認されています。

一方、今夏(2019年8月)には、自由診療も含めたオンライン診療全般で遵守すべき指針(オンライン診療の適切な実施に関する指針)の改訂が行われ、初診対面原則の例外規定拡大などが行われています。

このため、「指針」と「オンライン診療料等に関する診療報酬上の規定(施設基準・算定要件)」との間にいくつかの乖離が生まれています。また、診療実態を踏まえると「不合理」とも思える施設基準・算定要件もいくつかあります。そこで厚生労働省保険局医療課の森光敬子課長は、2020年度の次期診療報酬改定では乖離等を埋めるべく、次のような見直しを行ってはどうかと提案しています。

(1)診療報酬上、オンライン診療料等を取得するためには「緊急時に概ね30分以内に対面診療が可能な体制を有していること」が求められるが、指針では▼離島など、急変時の対応を速やかに⾏うことが困難になると想定される場合については、急変時の対応について、事前に関係医療機関と合意しておく▼急病急変時に適切に対応するため、患者が速やかにアクセスできる医療機関において直接の対⾯診療を⾏える体制を整えておく―とされており、「緊急時には救急病院等を受診することも想定される」ことなども踏まえた要件整理を行う

(2)診療報酬上、医師・患者間の信頼関係構築のために「オンライン診療実施前、6か月間は毎月、同一の医師により対面診療を行っている」ことや「過去1年間で6回以上の通院を行っている」ことを要件としているが、例えば下図表の例2のように「直近に対面診療がほとんど行われていない」がオンライン診療が実施できるケースもあり、また例3のように「直近3か月間、毎月同一医師が対面診療を行っている」ケースでも相当程度信頼関係が構築されているとも考えられ、実態を踏まえた要件整理を行う

オンライン診療料等の見直し(その1)(中医協総会(2)1 191218)



(3)診療報酬上、オンライン診療料等を算定するためには「届け出を行い、一定期間対面診療を行っている医療機関からオンライン診療を行うこと」が求められるが、離島等では「派遣先で対面診療を行い、派遣元の医療機関からオンライン診療を行う」ことなどが可能となるような見直しを行う

オンライン診療料等の見直し(その2)(中医協総会(2)2 191218)



(4)指針では「離島等において、対面診療を行っていた医師が急病となるなど、やむを得ない場合には、事前の患者情報提供を前提として、他の医師がオンライン診療を実施できる」旨が明確にされており、保険診療上もこうしたオンライン診療実施が可能となるような見直しを行う

オンライン診療料等の見直し(その3)(中医協総会(2)3 191218)



(5)【オンライン在宅管理料】は「月1回の実際の訪問診療(対面診療)+オンライン診療」を評価しているが、「月2回以上の実際の訪問診療(対面診療)+オンライン診療」についても評価を行う

(6)【オンライン在宅管理料】は「連続する2か月まで」しか算定できないが、「連続する3か月以上のオンライン診療」を可能とする(月1回以上の実際の訪問診療実施が要件となっているため)

(7)診療報酬上、【オンライン在宅管理料】は「オンライン診療を行う医師は、実際に訪問診療を行う医師と同一の医師」という限定があるが、指針では「チームで訪問診療を行う場合、オンライン診療を行う医師は必ずしも実際の訪問診療を行っていなくともよい」とされており、指針に合わせた要件見直しを行う

(8)「かかりつけ医師から対面診療を受けながら、専門性の高い医師によるオンライン診療を受ける」(いわゆるD to P with D)を難病や小児慢性特定疾患などに限って、保険診療上も可能とする

オンライン診療料等の見直し(その4)(中医協総会(2)4 191218)



(9)指針では「オンライン診療計画への記載を条件に『主傷病から容易に想定される軽微な症状の変化』に対する医薬品の処方をオンライン診療で行うこと」を認めており、保険診療上も可能とする

オンライン診療料等の見直し(その5)(中医協総会(2)5 191218)



(10)【オンライン医学管理料】の算定は「オンライン診療を行った直後の対面診療月に行う」こととされているが、受診延期で月をまたぎ、前回の対面診療との間隔が2か月以上空いた場合には
算定できなくなってしまう(対面診療の間隔は2か月以内でなければならない)ことから、「算定タイミングを診療の月ごと」に見直す

オンライン診療料等の見直し(その6)(中医協総会(2)6 191218)



(11)【オンライン医学管理料】の診療報酬上の規定を、「医学管理の通則」から「個別の医学管理料(特定疾患療養管理料など)の1項目」に移す

(12)「慢性頭痛」をオンライン診療料等の算定対象に追加するにあたり、該当する医学管理料が存在しないことから「適切な対象となるよう必要な要件を定めた上で、医学管理料とは別に位置付け」とする

オンライン診療料等の見直し(その7)(中医協総会(2)7 191218)



非常に多くの要件等見直しが行われますが、全体としての方向性は概ね了承されています。もっとも、診療側・支払側の双方からいくつかの注文がついており、今後の具体的な要件等設定においてどこまで盛り込まれるのか注目されます。

例えば、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、(1)について「緊急対応体制はオンライン診療等の基本理念に合致しており、この規定を維持したまま、救急医療機関受診対応を認める方向で検討すべき」と、(7)について「訪問診療をチームで行うケースはさまざまであり、例えばチームは5人以内とするなどの要件を設け、無制限に広がらないようにすべき」と、(12)について「オンライン診療対象疾患の追加、慎重の上にも慎重を期すべき」と提案。

同じく診療側の今村聡委員(日本医師会副会長)は、(7)について「オンライン専門の医師を認めるべきではない。オンライン診療を行う医師も、1度は実際の訪問診療を行う必要がある」とコメントしました。

また支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、(1)について「緊急時に対応する医療機関を予め定め、オンライン診療計画に記載することなどを求めてはどうか」と、(3)について「離島等以外でも、大学病院から一般病院に派遣された医師が対面診療を行い、大学病院勤務時間中にオンライン診療を行うことなども認めてよいのではないか」との考えを述べています。

なお、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、(4)のケースについて「初診ではなく、再診ではないか」と主張しています。対面診療を継続して行ってきたA医師が急病となるなど、やむを得ない場合に、事前に患者情報を提供していたB医師が緊急的なオンライン診療を実施するようなケースです。指針では「初診対面診療の例外」と位置付けていますが、診療報酬上、「初診と扱うのか」「再診と扱うのか」について厚労省の判断が待たれます。



ところで、12月18日の中医協総会では、電話再診について「かかりつけ医が電話で救急医療機関受診を指示することがあり、その際に、かかりつけ医が救急医療機関に情報提供した場合に、【診療情報提供料】の算定を可能とする」ことも認められました。

電話再診においても、一定のケースで診療情報提供料算定を認める(中医協総会(2)8 191218)

 
 

 

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