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DPC係数を告示、機能評価係数IIトップは大学病院本院群で長崎大病院、特定病院群で済生会熊本病院、標準病院群で豊岡病院―2020年度診療報酬改定

2020.3.23.(月)

2020年度からのDPC制度における機能評価係数IIのトップは、大学病院本院群(旧I群)は長崎大病院、DPC特定病院群(旧II群)は済生会熊本病院、DPC標準病院群(旧III群)は公立豊岡病院となる―。

また、2020年度診療報酬改定で新設された、救急搬送受け入れ件数2000件以上の病院における医師働き方改革を推進するための【地域医療体制確保加算】については、機能評価係数Iを「0.0183」に設定する―。

厚生労働省が3月23日に行った「厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数、暫定調整係数、機能評価係数I及び機能評価係数IIの一部を改正する告示」から、こうした状況が明らかになりました(厚労省の改定関連情報サイトはこちら((11)の4「厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数、暫定調整係数、機能評価係数I及び機能評価係数IIの一部を改正する告示」のExcellファイルに一覧が掲載されている))(2019年度の前回診療報酬改定時の状況はこちら、2018年度の状況はこちら)。

大学病院本院群の機能評価係数II、トップ3は長崎大病院、和歌山医大病院、岩手医大病院

2020年度の診療報酬改定を受け、厚労省は3月23日にDPC関係告示・通知を発出。そこでは、各医療機関の係数について明らかにされています。

まず大学病院本院群(旧I群)については従前どおり82病院で、基礎係数は1.1327に設定されました。2018年度の1.1293から0.0034上昇、2019年度の1.1302から0.0025上昇しています。

機能評価係数IIが最も高いのは長崎大学病院(長崎県)の0.1148、逆に最も低いのは国際医療福祉大学病院(栃木県)の0.0553です。

大学病院本院群の、2020年度における機能評価係数IIのトップ3は、(1)長崎大学病院(長崎県)の0.1148(2)和歌山県立医科大学附属病院(和歌山県)の0.1118(3)岩手医科大学附属病院(岩手県)の0.1083―となりました。トップ2は2018年度・2019年度と変わらず、岩手医大病院がトップ3に返り咲いています(2018年度3位、2019年度5位)。

特定群の機能評価係数II、トップ3は済生会熊本病院、倉敷中央病院、高知医療センター

次に、大学病院本院なみの高度な医療を提供しているDPC特定病院群(旧II群)については、156病院が該当しています。2018・19年度には155病院だったので、1病院増加しています。

DPC特定病院群の基礎係数は1.0708となり、2018年度の1.0648から0.006上昇、2019年度の1.0681から0.0027上昇しています。

機能評価係数IIが最も高いのは済生会熊本病院(熊本県)の0.1436、逆に最も低いのは関西医科大学総合医療センター(大阪府)の0.0594です。

特定病院群の、2020年度における機能評価係数IIのトップ3は、(1)済生会熊本病院(熊本県)の0.1436(2)大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院(岡山県)の0.1348(3)高知県・高知市病院企業団立高知医療センター(高知県)の0.1331―となりました。順位にこそ変動がありますが、トップ病院の顔ぶれは2018年度・2019年度と大きく変わっていません。

標準群の機能評価係数II、トップ3は公立豊岡病院、君津中央病院、大曲厚生医療センター

「大学病院本院群」「DPC特定病院群」以外の病院で構成されるDPC標準病院群(旧III群)には、1519病院が該当しています。2018年度・19年度に比べて26病院増加しています。

DPC標準病院群の基礎係数は1.0404で、2018年度の1.0314から0.009上昇、2019年度の1.0374から0.003上昇しています。

機能評価係数IIが最も高いのは公立豊岡病院組合立豊岡病院(兵庫県)の0.1496、逆に最も低いのは明理会東京腎泌尿器センター大和病院(東京都)の0.0296です。

標準病院群の、2020年度における機能評価係数IIのトップ3は、(1)公立豊岡病院組合立豊岡病院(兵庫県)の0.1496(2)国保直営総合病院君津中央病院(千葉県)の0.1468(3)大曲厚生医療センター(秋田県)の0.1459―となりました。豊岡病院が2018年度・19年度に続いてトップの座を守っています。

なお、2018年度の前回診療報酬改定で、新たに改定年度1年限りの「激変緩和係数」が創設されました。診療報酬改定による収入の大きな変動を避けるためのもので、2020年度には1件(埼玉県の土屋小児病院0.0003)のみとなっています。

2018年度の前回改定で暫定調整係数の機能評価係数IIへの置き換えが完了しており、「置き換えの影響」はほぼ解消したと見ることができるでしょう。激変緩和係数は2020年度「1年限り」のもので、2021年度には設定されません。

地域医療体制確保加算の機能評価係数Iは0.0183

また病院で取得している加算(全患者を対象とするもの)を係数化した機能評価係数Iについては、次のように設定されています(注目されるものを抜粋)。

▼特定機能病院7対1:0.2012

▼専門病院7対1:0.1265

▼急性期一般入院料:
▽入院料1・0.1018
▽入院料2・0.0900
▽入院料3・0.0619
▽入院料4・0.0220
▽入院料5・0.0179
▽入院料6・0.0099
(入院料7は旧10対1相当であり、機能評価係数Iによる係数の上乗せはない)

▼総合入院体制加算:
▽加算1・0.0607
▽加算2・0.0455
▽加算3・0.0303

▼地域医療支援病院入院診療加算:0.0307

▼地域医療体制確保加算(新設された救急搬送受け入れ件数2000件以上病院の働き方改革を推進):0.0183



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【2020年度診療報酬改定答申5】がん患者への「ゲノム医療」「治療と仕事の両立支援」「外来での化学療法」推進
【2020年度診療報酬改定答申4】リハビリが必要な患者に適切なリハが実施されるよう、回復期リハ病棟入院料や疾患別リハ料見直し
【2020年度診療報酬改定答申3】400床以上病院の地ケア病棟、「急性期病棟からの転棟」6割以上で、入院料1割減額のペナルティ
【2020年度診療報酬改定答申2】救急2000件以上で勤務医負担軽減図る病院、【地域医療体制確保加算】(520点)でサポート
【2020年度診療報酬改定答申1】重症患者割合、特定機能病院は看護必要度IIで28%、急性期1は必要度Iで31%、必要度IIで29%に

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がん患者等の仕事と治療の両立目指す、【療養・就労両立支援指導料】を大幅改善―中医協総会(1)
入院医療の機能分化進めるため、回復期リハビリ病棟や総合入院体制加算等の要件見直し―中医協総会(4)
救急搬送受け入れ2000件以上で、勤務医負担軽減に取り組む医療機関を【地域医療体制確保加算】で評価―中医協総会(3)
400床以上大病院、地域包括ケア病棟の新設は不可、既存病棟でpost acuteへの偏りに制限―中医協総会(2)
重症患者割合の基準値、急性期1:31%、急性期2:28%、急性期3:25%、急性期4:22%で決定―中医協総会(1)
2020年度診療報酬改定、働き方改革や医療機能の分化・連携強化など推進せよ―中医協・公聴会
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【2020年度診療報酬改定総点検1】大病院の地域包括ケア病棟に厳しい改定に、急性期一般は年明けから重症患者割合を検討!
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2018年度改定後、一般病院全体で損益比率は改善したが、国公立や特定機能病院では悪化—中医協総会(1)
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夜間看護体制加算等の「看護師負担軽減」、早出・遅出やIoT導入など効果ある取り組みを―中医協総会(2)
総合入院体制加算、「特定行為研修修了看護師」配置の要件化へ―中医協総会(1)
在宅療養支援病院、往診担当医師は「オンコール体制」でも良い―中医協総会
【機能強化加算】、個々の患者に「かかりつけ医機能」について詳しく説明せよと支払側要望―中医協総会(2)
「紹介状なし患者からの特別負担」徴収義務、400床未満の地域医療支援病院へも拡大―中医協総会(1)
【療養・就労両立支援指導料】の対象を脳卒中や肝疾患にも広げ、より算定しやすく見直し―中医協総会(2)
救急医療管理加算、2020年度改定で算定要件の明確化・厳格化を検討―中医協総会(1)
「頭蓋内損傷リスクが低い小児、CT推奨しない」等のガイドライン遵守を診療報酬で評価すべきか―中医協総会
小児抗菌薬適正使用支援加算、算定対象を3歳以上にも広める一方で算定要件厳格化を模索―中医協総会(2)
急性期一般1の「重症患者30%以上」等の施設基準、中医協の支払側委員は「低すぎる」と強調
「医師働き方改革」に向けたマネジメントコスト、診療報酬で評価すべきか否かで激論―中医協総会(1)
慢性腎疾患患者への「腎移植の選択肢もある」などの情報提供を促進せよ―中医協総会(2)
緩和ケア病棟入院料を厳格化、「緩和ケアチームによる外来・在宅医療への関与」求めてはどうか―中医協総会(1)
薬局業務の「対物」から「対人」への移行促すため、14日以内の調剤料を引き下げてはどうか―中医協総会(2)
「働き方改革」への診療報酬でのサポート、人員配置要件緩和を進める方向は固まるが・・・―中医協総会(1)
リンパ浮腫指導管理料等、2020年度改定に向け「算定対象の拡大」を検討―中医協総会(2)
入院患者のポリファーマシー対策、減薬の成果だけでなく、減薬に向けた取り組みも評価してはどうか―中医協総会(1)
かかりつけ医機能を評価する【機能強化加算】、要件を厳格化すべきか―中医協総会
小規模な急性期一般1で認知症患者が多い背景、回復期リハの実績評価の妥当性など検討を―中医協・基本小委
2020年度診療報酬改定に向けた議論整理、地域医療構想の実現・働き方改革・オンライン診療などで意見対立―中医協総会
スタッフの8割以上が理学療法士の訪問看護ステーション、健全な姿なのか―中医協総会
2040年にかけて人口が70%減少する地域も、医療提供体制の再構築に向け診療報酬で何ができるのか―中医協総会
CT・MRIの共同利用、医療被曝防止に向けたガイドライン活用などを診療報酬でどう進めるか―中医協総会(2)
ポリファーマシー対策を診療報酬でどう進めるか、フォーミュラリの報酬評価には慎重意見―中医協総会(1)
新規の医療技術、安全性・有効性のエビデンス構築を診療報酬で促し、適切な評価につなげよ―中医協総会(2)
オンライン診療、「有効性・安全性のエビデンス」に基づき算定要件などを議論―中医協総会(1)
医師の働き方改革、入院基本料や加算の引き上げなどで対応すべきか―中医協総会(2)
がんゲノム医療の推進に向け、遺伝子パネル検査を6月から保険収載―中医協総会(1)
外来医療の機能分化に向け、「紹介状なし患者の定額負担」「かかりつけ医機能の評価」など議論―中医協総会(2)
画期的な白血病治療薬「キムリア」を保険収載、薬価は3349万円―中医協総会(1)
高齢者へのフレイル・認知症・ポリファーマシ―対策、診療報酬でどうサポートすべきか―中医協総会(3)
診療報酬で生活習慣病の重症化予防、治療と仕事の両立をどう進めていくか―中医協総会(2)
遺伝子パネル検査の保険収載に向けた検討進む、C-CATへのデータ提出等を検査料の算定要件に―中医協総会(1)
「院内助産」「外来での妊産婦対応」を診療報酬でどう支援していくべきか―中医協総会(2)
2020年度改定論議スタート、小児疾患の特性踏まえた診療報酬体系になっているか―中医協総会(1)
2020年度診療報酬改定に向け、「医師働き方改革」等のテーマ別や患者の年代別に課題を議論―中医協総会



中医協・基本小委、支払側が「看護必要度や地域包括ケア病棟などの厳格化」を強く要望
2020年度診療報酬改定に向け、「看護必要度」「地域包括ケア病棟」などの課題を整理―入院医療分科会
ICU、看護必要度とSOFAスコアを組み合わせた「新たな患者評価指標」を検討せよ―入院医療分科会(2)
A項目1点・B項目3点のみ患者、療養病棟で該当患者割合が高いが、急性期の評価指標に相応しいか―入院医療分科会(1)
病院病棟への「介護福祉士配置とその評価」を正面から検討すべき時期に来ている―入院医療分科会(3)
ICUの「重症患者」受け入れ状況、どのように測定・評価すべきか―入院医療分科会(2)
DPC病棟から地域包括ケア病棟への転棟、地ケア病棟入院料を算定すべきか、DPC点数を継続算定すべきか―入院医療分科会(1)
総合入院体制加算、地域医療構想の実現や病床機能分化を阻害していないか?―入院医療分科会(3)
救命救急1・3は救命救急2・4と患者像が全く異なる、看護必要度評価をどう考えるべきか―入院医療分科会(2)
「急性期一般2・3への移行」と「看護必要度IIの義務化」を分離して進めてはどうか―入院医療分科会(1)
【短期滞在手術等基本料3】、下肢静脈瘤手術などは外来実施が相当数を占める―入院医療分科会(4)
診療データ提出を小規模病院にも義務化し、急性期病棟にも要介護情報等提出を求めてはどうか―入院医療分科会(3)
資源投入量が少なく・在院日数も短いDPC病院、DPC制度を歪めている可能性―入院医療分科会(2)
看護必要度の「A1・B3のみ」等、急性期入院医療の評価指標として妥当か―入院医療分科会(1)
回復期リハ病棟でのFIM評価、療養病棟での中心静脈栄養実施、適切に行われているか検証を―入院医療分科会(2)
入院で実施されていない「免疫抑制剤の内服」「膀胱脱手術」など、看護必要度の評価対象から除くべきか―入院医療分科会(1)
回復期リハビリ病棟から退棟後の医療提供、どのように評価し推進すべきか―入院医療分科会(3)
地域包括ケア病棟の実績評価要件、在宅医療提供の内容に大きな偏り―入院医療分科会(2)
点数が「DPC<地域包括ケア」時点にDPC病棟からの転棟が集中、健全なのか―入院医療分科会(1)
療養病棟に入院する医療区分3の患者、退院患者の8割弱が「死亡」退院―入院医療分科会(2)
入退院支援加算1の「病棟への入退院支援スタッフ配置」要件、緩和すべきか―入院医療分科会(1)
介護医療院の整備など進め、患者・家族の「退院後の介護不安」解消を図るべき―入院医療分科会(2)
急性期一般1では小規模病院ほど認知症入院患者が多いが、看護必要度への影響は―入院医療分科会(1)
看護必要度IとIIとで重症患者割合に大きな乖離、要因を詳しく分析せよ―中医協・基本小委
自院の急性期患者の転棟先として、地域包括ケア病棟を選択することは「問題」なのか―入院医療分科会(2)
7対1から急性期2・3への移行は3%強にとどまる、看護必要度IIの採用は2割弱―入院医療分科会(1)
2020年度改定、入院医療では「救急」や「認知症対策」なども重要論点に—入院医療分科会(2)
DPC対象病院の要件を見直すべきか、入院日数やDPC病床割合などに着目して検討―入院医療分科会(1)
2018年度改定で新設された【急性期一般入院料1】を選択する理由はどこにあるのか―入院医療分科会
2020年度の次期診療報酬改定に向け、急性期一般入院料や看護必要度などを調査―入院医療分科会



2020年度に「稼働病床数を1割以上削減」した病院、国費で将来の期待利益を補助―厚労省



医師働き方改革、「新たな医療提供体制に向かうチャンス」の可能性も―社保審・医療部会
2020年度診療報酬改定を了承、「医師の働き方改革推進」を重点課題に据える―社保審・医療保険部会