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新型コロナ対策 症例Scope

睡眠時無呼吸症の新治療法、副腎腫瘍の高周波電流による焼灼療法などを新たに保険適用―厚労省

2021.6.3.(木)

▼睡眠時無呼吸症候群患者の舌下を刺激して気道開通させる治療法▼「肺MAC症患者が在宅で薬剤を吸引する」に当たっての医師等の指導管理▼副腎腫瘍を高周波電流で焼灼する治療法-などを新たに保険適用する―。

厚生労働省は5月31日に通知「『診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について』等の一部改正について」を示し、こうした点を明らかにしました。6月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

睡眠時無呼吸症候群患者の舌下を刺激して気道開通させる治療法を保険適用

今回の通知では、次の3本の通知が改正されており、本稿では(A)に焦点を合わせます。
(A)診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(2020年3月5日付、保医発0305第1号)
(B)特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について(2020年3月5日付、保医発0305第9号)
(C)特定保険医療材料の定義について(2020年3月5日付、保医発0305第12号)



まず、在宅療養指導管理料の1つであるC110-3【在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料】(810点)に、新たに(4)として「舌下神経電気刺激療法指導管理料」が盛り込まれました。

中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者(続陽圧呼吸療法(CPAP)が不適または不忍容な場合に限る)を対象とした、「呼吸と同期して舌下神経を刺激し、舌基底部の筋収縮を誘発して、気道の開存性を改善する」機器が開発・保険適用されたことを受けたものです。

保険診療においては、「舌下神経電気刺激装置を植え込んだ閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者」に対しして、医師用プログラマを用いて舌下神経電気刺激装置の使用状況の確認・調整などの必要な指導管理を行った場合、C110-3【在宅迷走神経電気刺激治療指導管理料】の「(4) 舌下神経電気刺激療法指導管理料」として810点を算定できます。なお、同管理料の注規定(▼「注1」てんかん治療のため植込型迷走神経電気刺激装置を植え込んだ後に、在宅でてんかん管理を行っている入院中の患者以外の患者に対し在宅てんかん管理指導管理を行った場合に算定する▼「注2」植込術実施から3か月以内に行った場合には、導入期加算(140点)を加算する―)は適用されません。

この治療法を保険診療の中で行うには、▼D237【終夜睡眠ポリグラフィー】の「3 1(携帯用措置使用)または2(多点感圧センサー付き装置使用)以外の場合」の「イ 安全精度管理下で行うもの」の施設基準に係る届出を行っている医療機関で実施可能です。具体的には、次の基準を満たす必要があります。

▽「睡眠障害・睡眠呼吸障害に係る診療経験を5年以上有し、日本睡眠学会等主催の研修会を受講した常勤の医師」が1名以上配置されている
▽当該医療機関の検査部門にて、常勤の臨床検査技師が3名以上配置されている
▽D237【終夜睡眠ポリグラフィー】の「3 1又は2以外」を年間50症例以上、および反復睡眠潜時試験(MSLT)を年間5件以上実施している
▽当該医療機関内で、睡眠検査に関する安全管理マニュアルを策定し、遵守する
▽日本睡眠学会から示されている指針等に基づき、当該検査を適切に実施する



関連して、▼無呼吸低呼吸指数20以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群である▼CAP療法が不適・不忍容である▼扁桃肥大等の重度の解剖学的異常がない▼18歳以上である▼BMI30未満である▼薬物睡眠下内視鏡検査で軟口蓋の同心性虚脱を認めな▼中枢性無呼吸割合25%以下である―の全てを満たす閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者に対し、関係学会の定める舌下神経電気刺激装置適正使用指針に基づき舌下神経電気刺激装置を植え込む手術を実施した場合には、K181-4【迷走神経刺激装置植込術】の所定点数(2万8030点)を準用して算定できることも明らかにされました。

この場合、関係学会の指針に基づいて「耳鼻咽喉科・頭頸部外科について5年以上の経験を有し、本治療に関する所定の研修を修了している常勤の医師が実施する」ことが求められ、レセプトに「所定の講習修了を証する文書の写し」を添付することが必要です。

「肺MAC症患者が在宅で薬剤を吸引する」に当たり、医師等の指導管理を診療報酬で評価

また、在宅療養指導管理料の1つであるC119【在宅経肛門的自己洗腸指導管理料】(800点)に、新たに(5)として「在宅抗菌薬吸入療法指導管理料」が盛り込まれました。

肺非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の患者に対して、治療薬「アミカシンリポソーム吸入用懸濁液」をエアロゾル化して吸入する装置(ネブライザ)が開発・保険適用されたことを受けたものです。

保険診療においては、多剤併用療法による前治療において効果不十分な「マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症患者」が、自ら、在宅で「超音波ネブライザ」を用いてアミカシン硫酸塩吸入用製剤を投与する場合に、医師が患者・看護者に対して、当該療法の方法・注意点等に関する指導管理を行った場合に、C119【在宅経肛門的自己洗腸指導管理料】の「(5) 在宅抗菌薬吸入療法指導管理料」として800点を算定できます。

また、在宅抗菌薬吸入療法を初めて実施する患者に初回の指導を行った場合には、当該初回指導月に限って【導入初期加算】(500点)が加算されます。

なお、同管理料の注規定(▼「注1」在宅で経肛門的に自己洗腸を行っている入院中の患者以外の患者に対して経肛門的自己洗腸療法に関する指導管理を行った場合に算定する▼「注2」経肛門的自己洗腸を初めて実施する患者へ初回指導を行った場合は導入期加算を算定する―)は適用されません。



関連して、在宅抗菌薬の初回投与を行った月には、▼在宅療養指導管理材料加算の1つであるC164【人工呼吸器加算】の「1 陽圧式人工呼吸器」の所定点数(7480点)を準用して算定できる(「気管切開口を介した陽圧式人工呼吸器を使用した場合に算定する」旨の注規定は適用さない)▼同じくC170【排痰補助装置加算】の所定点数(1800点)を準用して算定できる(「在宅人工呼吸を行っている入院中の患者以外の神経筋疾患等患者に対して排痰補助装置を使用した場合に算定する」旨の注規定は適用されない)—ことも明確にされています。

副腎腫瘍を高周波電流で焼灼する治療技術を保険適用

さらに、K697―3【肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)】に、新たに(4)として「副腎腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)」が盛り込まれました。

肝臓がん患者や片側性アルドステロン過剰分泌による原発性アルドステロン症の患者に対して、高周波電流を流して、対象組織を焼灼凝固して治癒を目指す治療機器の開発・保険適用を受けたものです。

保険診療においては、片側性アルドステロン過剰分泌による原発性アルドステロン症の患者であって、副腎摘出術が適応外であるものに対して本治療法を実施した場合には、腫瘍長径に応じて、次のように点数算定を行います(フュージョンイメージング加算は適用されない)。

▽「腫瘍長径が1㎝未満の副腎腫瘍」に対してラジオ波焼灼療法を実施した場合
→K697―3【肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)】の「1 2センチメートル以内のもの」の「ロ その他のもの」(1万5000点)+D415【経気管肺生検法】の「CT透視下気管支鏡検査加算」(1000点)を算定する(計1万6000点)

▽「腫瘍長径が1㎝以上の副腎腫瘍」に対してラジオ波焼灼療法を実施した場合
→K697―3【肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)】の「2 2センチメートルを超えるもの」の「ロ その他のもの」(2万1960点)+D415【経気管肺生検法】の「CT透視下気管支鏡検査加算」(1000点)を算定する(計2万2960点)

また、本治療は、以下のいずれにも該当する医療機関で実施することが求められます。
▽放射線科を標榜している病院である
▽内分泌内科、高血圧症についての専門知識・3年以上の経験を有する常勤の医師、泌尿器科についての専門知識・5年以上の経験を有する常勤の医師、放射線科についての専門知識・5年以上の経験を有する常勤の医師がそれぞれ1名以上配置されている
▽副腎静脈サンプリングが年間20例以上実施されている
▽副腎手術が年間10例以上実施されている、または原発性アルドステロン症に対する副腎手術が5例以上実施されている
▽緊急手術が可能な体制を有している





さらに、検査料や手術料について、例えば次のような見直しも行われています。

▽D310【小腸内視鏡検査】について、「電動回転可能なスパイラル形状のフィンを装着した内視鏡を用いた検査を行った場合は、区分「1 バルーン内視鏡によるもの」の所定点数(6800点)を準用して算定する」旨を追記する

▽K722【小腸結腸内視鏡的止血術】について、「電動回転可能なスパイラル形状のフィンを装着した内視鏡を用いて実施し、小腸出血に対して内視鏡的止血術を行った場合は、【バルーン内視鏡加算】の所定点数(3500点)を準用して加算する」旨を追記する

▽K735-2【小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡によるもの)】について、「電動回転可能なスパイラル形状のフィンを装着した内視鏡を用いて実施した場合は、【バルーン内視鏡加算】の所定点数(3500点)を準用して加算する」旨を追記する





▽K054【骨切術】について、「先天異常による上腕・前腕の骨変形矯正を目的として、手術前に得た画像等により作成された実物大の患者適合型の変形矯正ガイドと変形矯正プレートが一体として薬事承認を得ている医療機器を使用した場合には、【患者適合型変形矯正ガイド加算】の所定点数(9000点)を準用して加算する」旨を追記する

▽K057【変形治癒骨折矯正手術】について、「上腕・前腕の変形治癒骨折矯正手術において、手術前に得た画像等により作成された実物大の患者適合型の変形矯正ガイドと変形矯正プレートが一体として薬事承認を得ている医療機器を使用した場合には、【患者適合型変形矯正ガイド加算】の所定点数(9000点)を準用して加算する」旨を追記する



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