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ロボット支援手術、2020年度改定で膵臓がんや食道がんにも拡大へ―医療技術評価分科会

2020.1.9.(木)

ロボット支援下内視鏡手術について、2020年度の次期診療報酬改定で膵臓がんや食道がんへも拡大してはどうか―。

1月9日に開催された診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会で、厚生労働省からこういった医療技術評価案が提示されました。

●医療技術評価案はこちら(医療技術評価分科会の資料)●

診療報酬改定時に、有用性・安全性の確認された新規技術を保険適用

2年に一度行われる診療報酬改定では、有用性・安全性が確認された新医療技術の保険適用も行われます。日進月歩する医療技術の成果・果実を国民が享受できるようにするものです。

中医協の下部組織である「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」では、2020年度の次期診療報酬改定に向けて、学会などから提案された719件の医療技術と、24件の先進医療について有効性・安全性を審査。このうち264件(新規技術103件、既存技術161件)について「保険適用が妥当」との評価案が厚労省から提示されました。2018年度の前回診療報酬改定から、医学会からの要望、先進医療のいずれについても医療技術評価分科会で審査することになっています(従前、「医学会が保険収載を要望している技術」は医療技術評価分科会で、先進医療については先進医療会議で有効性・安全性を審査していた)。

2020年度診療報酬改定における医療技術評価案(医療技術評価分科会 200119)



今後、中医協総会での審議を経て、今年(2020年)4月から多くの新技術が保険適用されることになります。保険適用の可能性が極めて濃厚な264技術の中から、目立つものを拾ってみましょう。

膵臓がん治療などにロボット支援手術を拡大する方向で検討

まずda vinciシステムなどを活用したロボット支援下内視鏡手術の術式拡大が行われる見込みです。

ロボット支援下内視鏡手術は、従前からの▼腎悪性腫瘍▼前立腺悪性腫瘍―に加え、2018年度の前回改定で▼縦隔悪性腫瘍▼良性縦隔腫瘍▼肺悪性腫瘍(肺葉切除、または1肺葉を超えるもの)▼食道悪性腫瘍▼胃悪性腫瘍▼直腸悪性腫瘍▼膀胱悪性腫瘍▼子宮体悪性腫瘍―などにも保険適用が拡大されました(ただし、優越性のエビデンスが不十分とされ、点数は既存の内視鏡手術と同程度)。今般、100の外科系学会で構成される外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の要望等を踏まえて、次の術式にもロボット支援下内視鏡手術が拡大される見込みです。

▽膵頭十二指腸切除術
▽肺悪性腫瘍手術 区域切除
▽拡大胸腺摘出術(重症筋無力症に対する)
▽仙骨腟固定術
▽食道悪性腫瘍手術(消化管再建を伴う)(頸部、腹部の操作)
▽頭蓋内電極植込術
▽膵体尾部切除術
▽腎盂尿管吻合術(腎盂形成術を含む)

また、▼喉頭・下咽頭悪性腫瘍手術、中咽頭悪性腫瘍手術(前壁切除)、中咽頭悪性腫瘍手術(前壁以外)▼低位前方切除術▼子宮悪性腫瘍手術(広汎切除)―については、「医学的な有用性の根拠が不十分」として2020年度改定での保険適用は見送られる見込みです。

学会では、ロボット支援下内視鏡手術について「既存技術と同程度の有効性・安全性がある」「操作性が高く、立体的な視野が確保されており、術者の負担軽減や技術習得の速さなどの利点がある」点を強調しており、優越性のエビデンス構築に向けた全症例の登録(レジストリ登録)を進めています。2022年度以降に、さらなる保険適用の拡大や点数引き上げに向けた議論がなされる可能性があるでしょう。

先進医療の中から、多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療など保険適用へ

先進医療は、有効性・安全性が一定程度確立している医療技術について、保険診療と保険外診療との併用が認められるものです(先進医療に該当する部分の費用は自己負担としたまま、入院費用などについて公的医療保険を使用できる)。

すべての先進医療は、症例数を集積して有効性・安全性のエビデンスを蓄積し、保険適用を目指しています。2020年度の次期改定に向けては、次の6技術について保険適用が行われる可能性が濃厚です。

▽神経変性疾患の遺伝子診断(脊髄小脳変性症について)
▽泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術
▽角膜ジストロフィーの遺伝子解析
▽MEN1遺伝子診断
▽腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術
▽多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療

一方、▼歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法▼多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術―については有効性、効率性等が十分に示されておらず、「先進医療からの削除」となる見込みです。ただし後者については「選定療養」として保険診療と保険外診療との併用が可能となります。



このほか、新たに保険適用される医療技術としては、例えば▼心筋電極を用いた両心室ペースメーカー移植術・同交換術(新規)▼心筋電極を用いた植込型除細動器移植術・同交換術(新規)▼顎関節人工関節置換手術(新規)▼全身(広範囲)MRIによる悪性腫瘍(原発巣および転移)の診断(新規)▼胎児輸血▼手術通則7(手術時体重1500g未満児または新生児(手術時体重1500g未満児を除く)に対して実施する場合の手術点数加算)の適用拡大(既存)▼食道大動脈瘻手術(切除のみ)(新規)▼術後排尿障害指導管理の評価(新規)▼悪性骨・軟部腫瘍手術(処理骨移植を伴うもの)(新規)▼胆管悪性腫瘍手術(血行再建を伴うもの)(新規)▼膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術(光力学診断を用いた場合)(新規)▼経皮的腎瘻拡張術(新規)—などが目を引きます。

【更新履歴】「子宮悪性腫瘍手術(広汎切除)」へのロボット支援下内視鏡手術適用の可能性が高いと記載しておりましたが、見送られる公算が高いの誤りです。大変失礼いたしました。お詫びして訂正いたします。本文は訂正済です。

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高齢者へのフレイル・認知症・ポリファーマシ―対策、診療報酬でどうサポートすべきか―中医協総会(3)
診療報酬で生活習慣病の重症化予防、治療と仕事の両立をどう進めていくか―中医協総会(2)
遺伝子パネル検査の保険収載に向けた検討進む、C-CATへのデータ提出等を検査料の算定要件に―中医協総会(1)
「院内助産」「外来での妊産婦対応」を診療報酬でどう支援していくべきか―中医協総会(2)
2020年度改定論議スタート、小児疾患の特性踏まえた診療報酬体系になっているか―中医協総会(1)
2020年度診療報酬改定に向け、「医師働き方改革」等のテーマ別や患者の年代別に課題を議論―中医協総会



中医協・基本小委、支払側が「看護必要度や地域包括ケア病棟などの厳格化」を強く要望
2020年度診療報酬改定に向け、「看護必要度」「地域包括ケア病棟」などの課題を整理―入院医療分科会
ICU、看護必要度とSOFAスコアを組み合わせた「新たな患者評価指標」を検討せよ―入院医療分科会(2)
A項目1点・B項目3点のみ患者、療養病棟で該当患者割合が高いが、急性期の評価指標に相応しいか―入院医療分科会(1)
病院病棟への「介護福祉士配置とその評価」を正面から検討すべき時期に来ている―入院医療分科会(3)
ICUの「重症患者」受け入れ状況、どのように測定・評価すべきか―入院医療分科会(2)
DPC病棟から地域包括ケア病棟への転棟、地ケア病棟入院料を算定すべきか、DPC点数を継続算定すべきか―入院医療分科会(1)
総合入院体制加算、地域医療構想の実現や病床機能分化を阻害していないか?―入院医療分科会(3)
救命救急1・3は救命救急2・4と患者像が全く異なる、看護必要度評価をどう考えるべきか―入院医療分科会(2)
「急性期一般2・3への移行」と「看護必要度IIの義務化」を分離して進めてはどうか―入院医療分科会(1)
【短期滞在手術等基本料3】、下肢静脈瘤手術などは外来実施が相当数を占める―入院医療分科会(4)
診療データ提出を小規模病院にも義務化し、急性期病棟にも要介護情報等提出を求めてはどうか―入院医療分科会(3)
資源投入量が少なく・在院日数も短いDPC病院、DPC制度を歪めている可能性―入院医療分科会(2)
看護必要度の「A1・B3のみ」等、急性期入院医療の評価指標として妥当か―入院医療分科会(1)
回復期リハ病棟でのFIM評価、療養病棟での中心静脈栄養実施、適切に行われているか検証を―入院医療分科会(2)
入院で実施されていない「免疫抑制剤の内服」「膀胱脱手術」など、看護必要度の評価対象から除くべきか―入院医療分科会(1)
回復期リハビリ病棟から退棟後の医療提供、どのように評価し推進すべきか―入院医療分科会(3)
地域包括ケア病棟の実績評価要件、在宅医療提供の内容に大きな偏り―入院医療分科会(2)
点数が「DPC<地域包括ケア」時点にDPC病棟からの転棟が集中、健全なのか―入院医療分科会(1)
療養病棟に入院する医療区分3の患者、退院患者の8割弱が「死亡」退院―入院医療分科会(2)
入退院支援加算1の「病棟への入退院支援スタッフ配置」要件、緩和すべきか―入院医療分科会(1)
介護医療院の整備など進め、患者・家族の「退院後の介護不安」解消を図るべき―入院医療分科会(2)
急性期一般1では小規模病院ほど認知症入院患者が多いが、看護必要度への影響は―入院医療分科会(1)
看護必要度IとIIとで重症患者割合に大きな乖離、要因を詳しく分析せよ―中医協・基本小委
自院の急性期患者の転棟先として、地域包括ケア病棟を選択することは「問題」なのか―入院医療分科会(2)
7対1から急性期2・3への移行は3%強にとどまる、看護必要度IIの採用は2割弱―入院医療分科会(1)
2020年度改定、入院医療では「救急」や「認知症対策」なども重要論点に—入院医療分科会(2)
DPC対象病院の要件を見直すべきか、入院日数やDPC病床割合などに着目して検討―入院医療分科会(1)
2018年度改定で新設された【急性期一般入院料1】を選択する理由はどこにあるのか―入院医療分科会
2020年度の次期診療報酬改定に向け、急性期一般入院料や看護必要度などを調査―入院医療分科会



ロボット支援下手術、プロクター(指導医)制度導入で1例目からの保険適用に期待―外保連
内科治療における指導・説明の評価、赤字手術等の点数引き上げを強く要望―内保連・外保連・看保連
医師の働き方改革に向け、特定行為研修修了看護師の拡充や、症例の集約など進めよ―外保連
ロボット支援手術の優越性データを集積し、2022年度の診療報酬改定での点数引き上げ目指す―外保連
エビデンスに基づき「ロボット支援手術が適した分野」と「開腹手術が適した分野」との仕分けを―外保連
ロボット支援手術の「有用性・優越性」、学会によるエビデンス構築に期待―外保連
2018年度改定で長時間麻酔管理加算、ロボット支援の対象術式を大幅に拡大せよ—外保連
同一術野に複数手術を行う場合でも、所定点数の算定を認めよ—外保連
da vinci用いた腎部分摘出術やPED法でのヘルニア治療など、診療報酬の引き上げを―外保連
2018年度診療報酬改定に向け、外保連試案を大幅に見直し『第9版』へ
2016年度改定で新設された看護必要度C項目、外保連も見直しに協力していく考え
外保連が2016年度改定の評価、外保連試案と診療報酬との間で乖離の大きな手術が増点された
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