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新型コロナ重症者対応、臨時に「ICU点数増」「ICU以外での特定集中治療室管理料等算定」など認めよ―集中治療医学会・救急医学会・日病

2020.4.17.(金)

新型コロナウイルスに感染し、人工呼吸器やECMOでの集中治療管理が必要な患者の受け入れ体制を確保するために、「やむを得ずICU以外で重症患者を受け入れた場合に【特定集中治療室管理料】などの算定を認める」「ECMO実施などが必要な患者を受け入れた場合に【特定集中治療室管理料】などの増点と算定期間の延長を認める」などの臨時特例的な診療報酬上の措置を認めてほしい―。

日本集中治療医学会と日本救急医学会は4月12日、連名でこうした内容の要望書を加藤勝信厚生労働大臣に宛てて提出しました(日本集中治療医学会のサイトはこちら)。また、日本病院会もこの要望内容に全面賛同し、4月16日に加藤厚労相に宛てて両学会要望の実現を強く求めています(日病のサイトはこちら)。

ECMO治療では2-4倍の医療スタッフが必要、ICU以外で重症患者受け入れるケースも

新型コロナウイルスの猛威はとどまるところを知らず、我が国でも都市部はもちろん、地方でも感染患者が急増しています。厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、これまでのデータから「感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっている」ことを明らかにしています(厚労省のサイトはこちら)。

重症者や重篤者には人工呼吸器による呼吸管理や、集中治療室での集中管理が行われるケースが多くなりますが、感染者の急増に伴い「集中治療室での集中管理が必要な患者」数も増加を続けています。

その際、▼新型コロナウイルスに感染した重症患者の集中管理には通常の2-4倍のスタッフが必要になること▼最重症患者を治療するためのECMO((体外式膜型人工肺、extracorporeal membrane oxygenation)の管理には、多職種による高度な知識、技術が必要となること▼新型コロナウイルス感染患者を集中治療室で受け入れる場合、他疾患も含めて「集中治療管理が必要な患者」を他の治療室や一般病棟などに移送することとなり、そこでの負担が大きくなってしまうこと―などを踏まえ、両学会は必要な医療資源投入を可能とするために「診療報酬による手当て」が必要であると強く訴えています。具体的には、次のような対応を加藤厚労相に求めました。

(1)実態として急性期管理を行う治療室等で、一時的に【特定集中治療室管理料】等の算定を認める
「集中治療室で治療すべき重症患者」を、集中治療室に空床がないあるいは感染対策上の理由で、集中治療室以外の治療室に入院させ治療する場合に、本来入室させるべき集中治療室と同等の診療報酬を得られるよう、以下のような調整を行ってほしい

▽院内に【特定集中治療室管理料】を算定する集中治療室を有しているが、やむを得ない事情で他の治療室(▼救命救急入院料▼ハイケアユニット入院医療管理料1・2▼脳卒中ケアユニット入院医療管理料―など算定する治療室)に「特定集中治療室管理料の対象となる重症患者(術後患者を含む)」を入室させた場合、▼当該病棟の設備▼医師配置(集中治療を行うにつき十分な医師の常時配置)および看護配置(常時2対1以上)―を要件として、当該重症患者に、本来入室すべき特定集中治療室で算定可能な【特定集中治療室管理料】の算定を認める

▽院内に【救命救急入院料2・4】を算定する集中治療室を有している(【特定集中治療室管理料】を算定する集中治療室を有していない)が、やむを得ない事情で他の治療室(▼救命救急入院1・3▼ハイケアユニット入院医療管理料1・2▼脳卒中ケアユニット入院医療管理料―などを算定する治療室)に「救命救急入院料2・4の対象となる重症患者」を入室させた場合、▼当該病棟の設備▼医師配置(集中治療を行うにつき十分な医師の常時配置)および看護配置(常時2対1以上)―を要件として、当該重症患者において、本来入室すべき集中治療室で算定可能な【救命救急入院料2・4】の算定を認める



(2)救命救急入院料の要件を一時的に緩和する
重症患者の受け入れを【特定集中治療室管理料】を算定する集中治療室で実施している場合に、【救命救急入院料】を算定する集中治療室で「院内急変患者等の対応」をすることとなる。院内に【救命救急入院料】を算定する集中治療室を有し、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れに関連して、他の【特定集中治療室管理料】を算定する集中治療室に入院すべき重症患者(新型コロナウイルス感染症患者以外の患者を含む)を当該治療室に入院させた場合、当該治療室への入院の経路によらず【救命救急入院料】を算定できることとする



(3)重症患者対応にかかる十分な人員配置への特例
新型コロナウイルス感染症に対する人工呼吸器・ECMO管理においては、現状の2対1看護配置・医師配置(集中治療を行うにつき十分な医師の常時配置)のみでは対応が難しい。現状、ECMO実施施設には多大な負担が強いられており、ECMOを適切に実施する高度な医療提供体制を以下のように評価し、人員の確保を可能としてほしい

▽人工呼吸器管理を行う入院日において、▼当該患者の十分な看護人員(常時1対1以上)▼人工呼吸に精通した医師の常時配置▼人工呼吸に精通した臨床工学技士の院内常時勤務―の3点を要件として、当該施設の算定する【特定集中室管理料】あるいは【救命救急入院料】について150/100を算定可能とする(1.5倍増の診療報酬とする)

▽ECMO(K601【人工心肺(1日につき)】またはK602【経皮的心肺補助法(1日につき)】)
を行う入院日において、▼当該患者の十分な看護人員(常時1対2以上)▼ECMOに精通した医師の常時配置▼ECMOに精通した臨床工学技士の院内常時勤務―の3点を要件といて、当該施設の算定する【特定集中室管理料】あるいは【救命救急入院料】について200/100を算定可能とする(2倍増の診療報酬とする)



(4)重症患者対応に対する診療報酬算定期間の延長
新型コロナウイルス感染症の重症患者の入院期間は長期間となることが分かってきており、【特定集中治療室管理料】および【救命救急入院料】の算定期間について、▼急性呼吸窮迫症候群または心筋炎・心筋症のいずれかに該当する場合には21日▼ECMOを必要とする状態の場合には35日―を限度に延長してほしい



こうした両学会の要望内容に、日本病院会も強く賛同。新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関では、並行して、がん患者や救急医療が必要な患者への対応も必要で、そこでは新型コロナウイルス感染防止策を講じることが求められるほか、医療資源を新型コロナウイルスの重症患者に重点化・集約化するために「延期が可能な予定入院や予定手術」について延期を検討することも求められています。こうした状況に鑑み、日病では加藤厚労相に宛てて、両学会の要望内容を実現するよう強く求めています。


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