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潰瘍性大腸炎・クローン病の「活動期」を把握する新検査法を6月1日から保険適用―厚労省

2020.6.3.(水)

潰瘍性大腸炎・クローン病の「活動期」を把握する新検査法(血清中のLRG測定)を6月1日から保険適用する―。

厚生労働省は5月29日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こういった点を明らかにしました。6月1日から適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

炎症性腸疾患の病期を的確に判断し、効果的な治療法選択を可能とする新検査法

指定難病の1つである潰瘍性大腸炎(告示番号97)は、大腸の粘膜が侵され、びらんや潰瘍を形成する大腸のびまん性非特異性炎症で、血便、粘血便、下痢、血性下痢などが生じます。また延長性腸疾患の1つであるクローン病も指定難病(告示番号96)となっています。

これらの炎症性腸疾患には、症状が強く現れる「活動期」と、症状が治まっている「寛解期」があり、病期によって治療法が異なります。このため病期を的確に判断することが非常に重要となってきます。

今般、潰瘍性大腸炎とクローン病の活動期を的確に判別できる新たな検査法(血清中の血清中のロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)測定)が開発され、従前からある検査法(血液中のCRP検査)よりも有用であることが分かりました。5月13日の中央社会保険医療協議会・総会で有用性が認められ、保険適用が承認されており(厚労省のサイトはこちら(中医協資料))、今般、検査点数(診療報酬)を請求するに当たっての留意点が整理されたものです。

LRG測定により炎症性腸疾患の病期を明確に把握し、適切な治療法選択が可能となる(企業提出資料より)



具体的には、血清を検体として「ロイシンリッチα2グリコプロテイン」(LRG)を潰瘍性大腸炎またはクローン病の病態把握を目的として測定する場合に、D003【糞便検査】の「9 カルプロテクチン(糞便)」の所定点数(276点)を準用し、3か月に1回を限度として算定することが認められます。この検査に係る判断料については、D026【検体検査判断料】の「4 生化学的検査(I)判断料」(144点)を算定することになります。

ただし、医学的に「LRG測定を1か月に1回行う必要性がある」という場合には例外的に算定可能となりますが、詳細な理由と検査結果を診療録・レセプトの摘要欄に記載する必要があります。

また、潰瘍性大腸炎またクローン病の病態把握を目的として、D003【糞便検査】の「9 カルプロテクチン(糞便)」または、D313【大腸内視鏡検査】を同一月中に合わせて行った場合には、「主たるもの」のみの算定が可能です。



なお、今般の通知では、D023【微生物核酸同定・定量検査】の「15 HIV-1核酸定量」(520点)について、従前の「PCR法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法」に加えて、新たに「TMA法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法」で実施することも可能となる旨が明確にされました。



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