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新型コロナ対策 症例Scope

2021年3月、協会けんぽの18都府県支部で「後発品割合80%以上」が未達成―協会けんぽ

2021.7.15.(木)

協会けんぽにおけるジェネリック医薬品(後発品)の使用割合は、調剤・医科・DPC・歯科分の合計で今年(2021年)3月末には80.4%となった。しかし、都道府県別に見ると「18都府県」において80%以上の新目標値が未達成である―。

都道府県別に見ると、「80%以上」クリアが28道県と多数を占めているが、後発品使用促進に向けた努力を継続しなければ、再び「80%未満」に落ち込んでしまう―。

こういった状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会が7月14日に公表した医薬品使用状況から明らかになりました(協会のサイトはこちら)。後発品メーカーの不祥事による「後発品への信頼低下」によってブレーキがかかっていないのか、状況を注視していく必要があります。

協会けんぽ全体の後発品割合(調剤分)、今年(2021年)3月には83.1%にダウン

医療技術の高度化が進み、医療費を押し上げています。例えば脊髄性筋萎縮症の治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(1億6707万円)白血病等治療薬「キムリア」(3350万円)などの超高額薬剤の保険適用が相次ぎ、さらにキムリアに類似した、やはり超高額な血液がん治療薬も次々に登場してきています。

同時に、少子・高齢化の進展もとどまるところを知りません。来年度(2022年度)からは、人口の大きなボリュームを占める団塊世代が75歳以上の後期高齢者となりはじめ、2025年度には全員が後期高齢者となります。また、2025年度から2040年度にかけては、高齢者の増加ペース自体は鈍化するものの、現役世代人口が急速に減少していきます。

高齢化の進展は「医療費増」に結びつき、少子化は「支え手の減少」につながるため、医療の高度化と相俟って、我が国の医療保険財政は今後、厳しさを増していきます。この点、新型コロナウイルス感染症の影響で医療費は減少しますが、保険料収入の減少(失業や給与減など)がそれを上回り、さらに「少子化がさらに進行する」ことなどから(関連記事はこちらこちら)、医療保険財政が厳しさを増していくことは確実です。

そうした中では、「医療費の伸びを、我々国民が負担できる水準に抑える」(医療費適正化)ことが欠かせません。そこで政府は、▼平均在院日数の短縮による入院医療費の適正化(入院基本料や特定入院料、DPCの包括点数は「1日当たり」の支払い方式であり、在院日数の短縮が入院医療費の縮減に効果的である)▼後発医薬品(ジェネリック医薬品、後発品)の使用促進による薬剤費の圧縮▼病院の機能分化推進と連携の強化▼地域差(ベッド数、外来受療率、平均在院日数など)の是正▼保健事業の充実による健康寿命の延伸―など、さまざまな角度から医療費適正化に向けて取り組んでいます。



主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する「協会けんぽ」(運営者:全国健康保険協会)でも、かねてから積極的に後発品使用促進に取り組んでおり、例えば医療機関を受診し、医薬品を処方された加入者個々人に宛てて「貴方の医薬品を先発品から後発品に切り替えれば、自己負担額が○○円軽減されます」といった通知を発出したり、毎月の後発品使用割合の公表などを行っています(前月の記事はこちら)。

7月14日に公表された今年(2021年)3月末時点の後発品使用割合を見ると、調剤ベースでは83.1%で、前月から0.1ポイント低下してしまいました。後発品の使用推進にブレーキがかかっていないか(例えば相次ぐ後発品メーカーの不祥事により、患者・医療機関ともに後発品使用を敬遠していないか)、今後の動きに留意する必要があります。

協会けんぽの後発品割合、全体では80%以上をキープできている(協会けんぽの後発品割合(2021年3月)1 210714)

後発品割合80%をクリアできていないのは、東京都や大阪府など18都府県

調剤分に「医科・DPC・歯科」分を加えた保険診療全体の後発品割合は、▼2020年1月:78.6%▼2月:78.7%▼3月:78.7%▼4月:79.0%▼5月:78.7%▼6月:78.9%▼7月:78.5%▼8月:78.9%▼9月:79.2%▼10月:79.6%▼11月:80.0%▼12月:80.2%▼今年(2021年)1月:80.3%▼2月:80.4%▼3月:80.4%―となり、やはり「ブレーキがかかっている」ように見えます。

また都道府県別に見ると、依然としてバラつきがあります。「調剤・医科・DPC・歯科」分の後発品割合が最も高いのは沖縄県の89.0%(前月から0.1ポイント低下)、逆に最も低いのは徳島県で73.8%(同0.1ポイント低下)となっています。

沖縄県のほか、「調剤・医科・DPC・歯科」分で後発品割合80%以上をクリアできているのは、▼鹿児島県の85.6%(前月から0.2ポイント低下)▼岩手県の85.5%(同0.2ポイント低下)▼山形県の84.2%(同0.1ポイント低下)▼宮城県の83.8%(同増減なし)▼島根県の83.4%(同0.3ポイント低下)▼宮崎県の83.2%(同増減なし)▼青森県の83.0%(同増減なし)▼佐賀県の83.0%(同0.2ポイント上昇)▼熊本県の82.8%(同0.1ポイント上昇)▼福島県の82.7%(同0.1ポイント上昇)▼長崎県の82.5%(同増減なし)▼秋田県の82.5%(同0.1ポイント上昇)▼山口県の82.2%(同増減なし)▼北海道の82.2%(同0.1ポイント上昇)▼新潟県の82.1%(同0.5ポイント低下)▼鳥取県の82.1%(同増減なし)▼長野県の81.9%(同0.2ポイント低下)▼富山県の81.7%(同0.1ポイント低下)▼福岡県の81.5%(同0.1ポイント上昇)▼静岡県の81.4%(同増減なし)▼滋賀県の81.2%(同0.2ポイント低下)▼群馬県の81.1%(同0.1ポイント低下)▼栃木県:80.8%(同増減なし)▼千葉県の80.7%(同0.3ポイント低下)▼石川県:80.6%(同0.2ポイント上昇)▼埼玉県:80.5%(同0.2ポイント低下)▼大分県:80.2%(同0.1ポイント低下)▼福井県:80.0%(同0.3ポイント上昇)―の合計29道県となりました。新たに福井県が「80%クリア」の仲間入りをしました。

後発品割合80%以上がクリアできていないのは、東京都や大阪府など18都府県(協会けんぽの後発品割合(2021年3月)2 210714)



6月18日に閣議決定された骨太方針2021(経済財政運営と改革の基本方針2021)では、「後発医薬品の数量シェアを、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上とする」との目標を確認しており、新目標値達成に向けて「残り18都府県」での後発品使用促進を様々な角度で支援していくことが重要でしょう。



なお、一部の後発品メーカーの不祥事により「後発品への信頼低下→後発品割合の上昇阻害」が懸念されています。今般の結果からは、この懸念が現実化した可能性もあり、今後の状況を注視していく必要があります。厚生労働省医政局の経済課長も、事態を重くみて公開の審議会(中央社会保険医療協議会総会)で「後発品の信頼回復に向けて、業界の再編を検討する必要性もある」と異例の踏み込んだ発言も行っています。今後の動向を注視していく必要があります。



ぽんすけ2020MW_GHC_logo

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